誰もが「一回で治してほしい!」と思いますが、私には、はじめて会った患者さんが、カラダに100のコリをためこんでいるか、1万のコリをため込んでいるか、はたまた1億のコリなのか、最初は全体像が見えません。終盤にならないと、あと何回という目安すら立たないんです。
■ カラダは誰よりもココロに寄り添ってくれる大切なミカタ!
コリというのは、カラダにたまってしまったストレスが、形になったものだと、私は思っています。
ストレスって目に見えないものだと考えられがちですが、私たちのココロとカラダ。どこかで二つに切ることはできません。
ココロが受けるストレスは、カラダも一緒に受けていて、ある意味、カラダって、誰よりも、親よりも、恋人よりも、私たちの気持ちに寄り添ってくれる存在なんですよね…。
このカラダが、ココロの抱えるストレスを半分抱えてくれている…そう思ったら、なんだか愛しく感じられませんか?
■ 悩みに直面しよう!自分のカラダに寄り添ってあげよう!
コリって、借金に似ています。
膝が痛いときは、肩のことを忘れ。肩が少しマシになると、頭痛。腰をかばうと膝が悪くなり…膝をかばうと足首が。
それに、時間がたつほどに、問題が少しずつ大きくなっていくところ。そこがとくに借金に似ているところです!
ほとんどの人は、年をとったときに、借金がかさんでいたことを悟って、「しまった!」と思うのですが(問題が小さいうちに片づけておけば…)、そのときには手術しか選択肢がなくなっていたりします。
腰痛を忘れているときも、確かにあるのですが、その間に勝手に治っていっていたりは…しないんですよね。
私が皆さんに強く訴えたいことは、一日も早く、悩みに直面し、カラダに向き合って欲しいということ。(借金が小さいうちに…)
自分自身が本来こうありたいと思う理想像に近づくには、辛いことに向かい合う過程が必要だから。
■ 一回で痛みもなく改善?
「一回で痛みもなく改善!」
実は、患者さんばかりでなく、鍼灸師も、そんな夢を見ています。
痛いと、患者さん、治療が続かないから。
でも、その結果「効く鍼」ではなく、「気休めの鍼」しかできない鍼灸師が増えているのです。
痛みを嫌う患者さんに寄り添おうと思ったばかりに、治療効果が置き去りに。…私も、気持ちは分かるんです。
痛そうにしている患者さんをみていると、自分が辛く、なるから。
でも、本末転倒ですよね。
患者さんは、治りたいから、お金と時間をつかって、痛いと分かっている鍼に来てくださっている。患者さんの期待を…鍼灸師が裏切ってしまっているんですよね。
「一回で痛みもなく改善」
もしかしたら、一回で痛みもなく改善…実際にどこかに、そういう治療があるのかもしれません。
でも、一回で痛みもなく改善するとしたら、私たちは、身体を大事にするでしょうか?
痛い治療は、理由があって痛いのです。痛いけど、理由がなく痛いわけじゃない。痛い分だけ効果がある。
そして、治療の最後には、「頑張って、治療を続けたことは無駄じゃなかった!」
「もう二度と、身体を粗末には扱わない!」「これからはもっと大切にする!」と、患者さんはきっとそう思う。
■ 「これで治るんだ!」と確信できたときの、患者さんのキモチは。
最初腰痛できていた患者さんが、次は腰、次は首と、主訴が変わっていくことがよくあります。腰痛という一番大きい、一番目立つ痛みが消えると、次の痛みに気がついて、その結果主訴が変わっていくんです。
この現象は、腰痛が治らないと起こりません。
一つの冒険が終わる頃、見えてくる、目指すべき次の冒険。
鍼灸院を受診される患者さんは、最初はたいてい、腰痛や五十肩といったお悩みでいらっしゃるのですが、一通り腰痛などの痛みをクリアしてきた頃、「鍼灸とは関係ないと思って言わなかったけど…」と、隠し持っていたお悩みを明かしてくれるようになります。
「もしかして、こんな症状も…治る?」
ずっと気になっていた
・婦人科系のトラブル
・女性の薄毛
・ED
・繰り返す膀胱炎
こういったものも、コリと深いかかわりがあって鍼灸の治療対象なのですが、最初は、主訴の腰痛すら、鍼灸で本当に治るかどうか半信半疑ですから。
一つ治ったら、「ちゃんと向かい合ったら治るんだ!」と、なんというか、患者さんに、「治る自信」がついてきます。
「治るかな、治らないかな?」と半信半疑のうちは、患者さんは痛みに過敏で、治療に及び腰。でも治るんだ!と分かってくると、
痛くても、治るから頑張れる!
と気持ちが変わるんです。
努力が成功の確信に変わったとき、痛みに弱かった人が強い人に変わります。
■ 全開で治療したほうが絶対早く治ります!
「治療回数は増えても良いから、一回の治療を優しくできないか?」
って、ちょっと思いませんか?
「治るなら、少々時間がかかっても。。。」という発想です。
ところが、私が手加減した治療をすると、患者さんは「なんだこんなものか」と、治療を甘く見てしまい、それはそれで、後々大きな不幸の原因になります。というのも、
「加減して治療してますよ」=「治療回数はその分増えますよ」というのを患者さんが忘れるのです。そして、「鍼灸なんて何回治療しても大して効かない」と誤解してしまう。すごくもったいないです!
そうなるくらいなら、最初から全開で治療した方が、患者さんのためになるでしょう。
そのほうが「一回で治ったすごい!」となる確率も、高いです。
「結果的に」ですが、そういうことは、ざらにあります。
鍼灸は、すごいんです。
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PROFILE
山崎 美穂 やまさきみほ
鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)
「元気があればなんでもできる」と言いますがひっくり返せば「やりたいと思うことができないのは元気がないから」
子どもの頃、働く母親の背中を見て育つ中、どれだけ忙しくても続けられる治療院があったらな…と思ったことがきっかけで、気付けば自分が治療家になっていました。
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