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  • 山崎 美穂

人は万物の尺度。あなたの基準はあなたが決めていい。

今日患者さんから、「鍼灸治療が合わない人っているんですか?」という質問をされました。


あ、いい質問だなぁと思ったので、私の考えをシェアしたいと思います。

私は、常々「うちの治療院と他を比べてくださいね~~」


「うちの治療は病院とか、整体とか、色んな所と併用してくださってOKですからね~」ということを言います。


それは、その人その人で、同じ鍼灸治療をしても、「この先生の鍼は好きだけど、こっちのは合わないなぁ」ってことがあるからです。


同じやり方のはずでも、私の師匠の鍼と私とでは、だいぶタイプが違います。




西洋医学は、型というのがかなりきちんとしたものがあります。


科学というのは、「同じ条件をそろえさえすれば、何度でも同じ結果が出る」ということですから、科学であろうとする西洋医学は、同じ疾患であれば、同じ治療をするという姿勢です。


鍼灸治療を含む、東洋医学も科学であろうとはするのですが、「同一条件」には決してならないという前提があります。


それは体質がそれぞれに異なるから、同じ治療をしても理論通り同じ結果が出ないからです。




要は、人間の身体は、「複雑系」過ぎるから。


検査でその複雑さを解こうにも、ありていに言って、不可能だからです。


だから方法論(治療)としては、結局西洋医学も、東洋医学も、確率的に最も成功しそうなやり方を選ぶ…ことにはなるのです。




うつ病の友人が、「二週間おきに薬を変えられる…」と愚痴っていましたが、遺伝子検査をして、その方にピッタリのオーダーメイドの薬を処方するという「科学的に正しい」方法を、西洋医学でも現場レベルでは採用せず(できず)、順列組み合わせ方式というか…総当たり方式…というか、つまり、「全部試して一番あったやつ」方式で進行しています。



純粋科学や機械工学から見ると、医学は「非科学」に見えることでしょう。


実際、どれほど科学で解き明かそうとしても、宇宙の神秘と、命の不思議は、形而上学の世界なのかもしれません。




医者は、常にベストの治療をしようとします。


けれど、その治療がベストかどうかの「客観的な基準」というものは、患者さんの主観にしかありません。


医者は、ガン患者さんに、「正規の」治療方針に従って欲しいと思っています。それは、それが最もエビデンスの裏付けのある治療法で、科学の原則に逆らわないからです。


しかし患者さんは、抗がん剤治療を受けながらも、ビワの葉を試したりするのです。(そしてたまさか、それが著効してしまったりすることもある…)


治ることが正義…反科学であっても。




また、先日「養生ナイトカフェ」をウェブでやったのですが、そこでこんな質問を受けました「ホニャララ(仮)を使っていて、直子さん(講師)はどんな効果を感じましたか?」という質問です。


「効果があったから、そのホニャララ(仮)を摂り続けていらっしゃるんですよね?」




直子さんの答えはNOです。


効果があるから、そのちょっと高い油(ホニャララは油脂の一つ)を摂り続けている…お金がかかっても、と受講者さんは思ったわけです。


でも直子さんはNO。


「効果を感じていないのに摂り続けているんですか?」




食べ物って、薬じゃないので、食べてすぐとか、食べて一年、二年で効果や差が「わかりやすく」出るわけではありません。


検査数値などで出る方もいますが、直子さんの場合、そもそもが健康体なので、何らかの数値が改善したというわけでもありません。


もちろん根拠なく、その高い食用油、ホニャララを続けるのは、少々負担です。安いサラダ油に流れるのが人情というものでしょう。


体感でなく、「科学」や「統計」がホニャララが最も人体に適した油脂だという調査結果があるから、直子さんは財布を傷めて、体に良い油を摂り続けています。




ってことなら、表題の「万物の尺度は云々」の逆じゃないか。体感が伴わないんなら!


って思われるかもしれません。




患者さんから、「鍼灸治療が合わない人っているんですか?」という質問をされたって書きましたが、それと通じるんです。


実はうちの患者さんで、もう一年以上通ってくれる男性がいます。仮にTさんとしましょう。


Tさんは、うちが初めての鍼灸院でした。


当然鍼は怖いです。


しかも、Tさんは痛みに敏感な体質で、うちの鍼で「痛っ!」ということがとても多かったのです。それはもう普通の方以上に。


皆さん、鍼って痛いイメージあると思うんですけど、実はそんなに痛くないんです。私もそれは分かっているんですが、あまりにも痛がるTさんを見て、心がくじけそうになりました。


治療をやめた方が良いんじゃないか?とも思いました。


けれどTさんは、必ず治療後に予約を取って帰り、必ず次回も受診してくださるのです。


そうして半年以上たって、気づけば、Tさんは、それほど鍼の痛みを感じなくなりました。


この変化が、慣れなのか、それとも体質の変化なのか、それは今も分かりません。


そしてTさんのお悩みは、当初と比べずいぶん解消しましたし、実は今は、当初より太い鍼でも大丈夫という状態です。




Tさんの体感では、「鍼は痛かった」のです。


「体感」では。


しかしTさんは、「体感」に従ったわけではなく、このやり方で自分は治ると考えたから、治療を受け続けてくださったのだと思います。




「効果を感じられないとすぐ止めてしまう」というのは、自分自身の体感に従った結果として、間違いではないです。


直子さんは、科学的な理由から、自分の「納得」に従って、高い方の油ホニャララを選んで使い続けています。


すでに何年も続けているので、サラダオイルと高い方の油の差額の数百円は数万円の差になっていることでしょう。でも、「健康」を大事と思うから、自分の「納得」の方に従っている。




自分自身がすべての尺度です。


でも、自分自身って何でしょう?


「体感」でしょうか?


それとも「納得」でしょうか?




感覚的なあなたもいれば、理論派のあなたもいる。


あなたの中に、どちらもいる。


万物の尺度はあなたです。


どっちを選ぶべきか、あなたが決められます。




ちょっと意地悪な言い方になりますが、


「体感」で美味しいケーキを食べるか…それとも、「納得」が正しいというゆで卵を食べるか。




ケーキを選んでも良いと思うのです。


ただ、次の日は、ゆで卵に戻れるかどうかが問題。


次の日もケーキを選んでしまうんじゃないか。


そして…その次の日も。




「自分の中に、基準を持つ」


そうしなければ、私たちは「体感」の方が、「納得」に勝ち続けてしまう。


それは知っておいてください。




というわけで、最後に、当院のPRもしておきたいと思います。


当院では治療も当然するのですが、長期かかるような疾患の治療においては、「コンサルティング」「コーチング」が最も重要なポイントだと考えています。


コンサルティング、コーチングは、お互いの信頼関係が重要です。単発ではなく、長期の「治療計画」を持って治療を進めていきましょう。


治療計画のある、「コンサルティング契約」を結んだほうが、患者さんにとって安心感もあり、私自身も最初からコミットした指導ができます。


今回、コンサルティング契約方式の治療コースを新設することにしました。


一年、二年、時間と労力を費やしてでも、今、このときに人生を変えたい。


そのためには援助、助け手が必要で、当院がその目的に合っていると感じられる方は、コンサルティングコースをお勧めいたします。


詳しくは、後日ホームページに特設ページをアップしますので、そちらをご覧ください。


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