女性の薄毛とは…
- やまさき みほ
- 10月11日
- 読了時間: 4分
何人かの女性の患者さんを診ていて、ある日ふと気づきました。
「おでこ、狭くなった?」
よく観察すると、額の生え際に短い毛がたくさん。以前は前髪が薄く見えていた方でしたが、時間と回数をかけて治療を続けた結果、毛根が再び働き始めた証拠でした。
別に「薄毛治療」のつもりで、おでこに鍼をしていたわけではなく…
今、「疲れ目には自信がある」という方は、実際におでこを触ってみてほしいのですが、おでこ触ったら痛くありません?
私も、たまにYouTube見過ぎたときとか、おでこがピリピリ痛かったりするんですが、目を酷使すると、おでこが痛かったり、おでこに熱を持ってたりするので、私はそれを治療していたのでした。
まぁ…目の疲れも昂じると薄毛に繋がるんですが。

薄毛のメカニズムは男女で違う
薄毛は単純に「毛根の血行が悪いから抜ける」という話ではありません。
男性の場合、ジヒドロテストステロン(DHT)というホルモンが毛根を萎縮させ、髪の寿命(成長期)を短くしてしまいます。そこに血流不足が加わると、進行が一気に加速します。
女性の場合加齢やホルモンバランスの変化はありますが、男性ほどDHTの影響は強くありません。むしろ多くは血流不全・ストレス・栄養不足が重なり、髪が育ちきらない状態になっていきます。
つまり女性の薄毛は、血流と栄養の両面を改善することが回復の鍵になるケースが多いのです。
髪の寿命と発毛周期
髪には「成長期・退行期・休止期」という周期があります。
成長期:2〜6年
退行期:数週間
休止期:数か月
健康な毛髪は、この周期を繰り返しながら一生を過ごします。
薄毛の人は、髪の成長期が短く、毛が細く・短くなり、やがて抜けやすくなります。「毛の成長期をいかに維持できるか」が、薄毛対策の大きなポイントです。
血流改善とミノキシジル
薄毛治療でよく知られるのがミノキシジルです。血管を拡張し、毛根に酸素と栄養を届けやすくする作用があります(ただし半年程度の継続が必要です)
さらに、ミノキシジルには、成長期を延ばして毛を太くする効果も報告されています。
ただし、薬だけに頼るのではなく、血流のベースを改善する生活習慣・施術が伴ってこそ効果が出やすいということは補足しときます。「薬塗ってりゃ、そのうち治る」というのは気楽に構えすぎかも。
栄養状態が髪を決める
髪は「末端の贅沢品」とも呼ばれます。
身体にとって必要不可欠な臓器ではないため、鉄・亜鉛・タンパク質・ビタミン類が不足すると、まず髪が犠牲になります。
女性の薄毛には、鉄欠乏や甲状腺の不調など内科的要因が隠れていることも少なくありません。つまり「髪の悩み=全身の栄養・代謝の鏡」なのです。
鍼灸×栄養療法の可能性
今回の患者さんは、頭痛・疲れ目の治療を受ける中で、結果的に薄毛改善「も」並行して進みました。
鍼によって頭部や首肩の血流を促し、自律神経の緊張をゆるめる。そのうえで、栄養療法を積極的に取り入れていただくと、よりスムーズに毛根の働きが戻ってくる可能性があります。
ちな、薄毛ではなく、円形脱毛症の例にはなりますが、鍼×栄養療法の両輪で治療していった結果、3か月ちょっとの治療で・・・こう!

※まったくツルンとなっていた中心部まで生えました。
薄毛の問題はナイーブなので、ご本人から治療を希望すると言われない限り、黙ってこっそり鍼するのみにしています。しかし私はそれが残念でたまらない。
栄養療法をプラスすれば、短期間で結果が出るだろうに、と思うからです。
薄毛をきっかけに、全身の血流と栄養を見直すことは、髪だけでなく心身全体のコンディション改善につながるだろうという目論見もあるので、ぜひ、鍼(血行)と栄養の両方同時に取り組んでいただきたいのです。
まとめ
女性の薄毛は「年齢だから」と片づけてしまうのは早計です。
血流を整え、必要な栄養を満たすことで、毛根は再び動き出す可能性を秘めています。
👉「髪の分け目が気になる」「髪が細くなった気がする」そんなサインを感じたら、ぜひ血流と栄養の両面からのケアを考えてみてください。



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