検索
  • 山崎 美穂

対処の治療と本質の治療 コロナで強制休暇中の私たちがなぜ身体を傷めるのか?

最近、体調を崩している方が多いです。


「仕事してないのになんでだろう?」と言われます。


そんなに身体を使うことをしていないのに、身体を傷めることを不思議と思われる気持ち、よくわかります。


最近CMで、ヘバーデン結節のことを言っています。(クリックすると、日本整形学会のページが開きます)


ヘバーデン結節。あまりなじみのない名前かもしれませんが、女性にはとても多い疾患で、関節が変形する病気です。(原因不明とされています)


リウマチのように痛くはないのですが、手が変形するので、生活に支障が出ます。




私が大学時代、労働法の教授が、富山製糸工場…女工哀史の話で話してました。


「女性は、男性に比べ、湿気に弱い。女工たちは、狭い部屋で休みもなく、布団も碌に干せず、湿気の溜まった布団に寝ていたことも、結核の原因になった」


という話でした。




”女性は湿気に弱い”


そのことが、私の頭にインプットされました。




女性は湿気に弱いというのは、科学的に根拠があるわけではないかもしれませんが、観察していると、女性は水仕事で男性より湿気に接している時間が長く、指先も料理などで良く使います。


関節の強度が男性に劣ることを考え合わせると、水気とオーバーユースが女性の指の関節にダメージを与えているのではないか?という推測が付くわけです。




さて、オーバーユース(使い過ぎ)が、体にダメージを与えるというのは、無理はないことなのですが、


逆に、コロナによる強制的な休暇中にある私たちが、なぜ身体を傷めるのでしょう?




私たちの身体は、タンパク質で出来ています。


そして、タンパク質は、熱で変性する…つまり、熱によって溶け、冷えると再度固まるという性質を持っています。


元々正常な細胞でできていた身体が、熱で変性したらどうなるでしょうか?


ケロイドの傷を見たことがあれば、想像つきますね。


硬くなる。毛穴がなくなる。毛がはげるところもある。色も変わる。柔軟性がなくなる。手触り、質感も変わるわけです。




皮膚の上に現れれば、それは見てとれますが、体の中でそれが起こったとしたら?


目に見えませんが。


ケロイドの傷ほどひどいことになるわけではなくても、ほんのわずかでも、そうなっている部分が、体の中にできたなら?




私たちは無意識に緊張して、身体が硬くなっていることがあります。


スポーツをしているとき、思わぬ怪我をしてしまうときは、大抵緊張して、本来の力を出せないときです。


コロナにまつわるニュースは、私たちを心理的にチクチク刺激します。


無意識に肩に力が入り、緊張します。




手の筋肉などは、実に細く、細かい作りになっています。精密な動きをするためです。ほんの一部が、その緊張で変性し、癒着を作り出します。それが腱鞘炎です。


私たちは、電気ウナギではありませんが、身体の中には微量の電気が流れていますし、体温があるということは、身体に熱も蓄えています。


その負荷がある部位に一瞬、大きくかかってしまったら、そこに癒着が生まれるのです。




私は患者さんに、人間は「水冷式エンジン」だと説明します。


血液は、身体の冷えた部分には熱を運んできて温めるし、逆に熱がこもっているところからは、熱を持ち出してくれる。


そういう性質を持っています。


腕に力が入るとき、筋肉が強く収縮して発熱します。


血液がサッとやってきてくれれば、熱は速やかに冷まされ、何事もありません。


しかし、それほどめちゃくちゃな加熱はしなくても、長時間力が入り続けていると、熱がこもるのです。




仕事が休みということは、血行が悪化しやすい条件が整っています。


そしてコロナのニュースは、私たちを無意識に緊張させます。




病気の治療には、対処の治療と本質の治療があります。


対処の治療は、どこか悪いときにする治療。


本質の治療は、ご本人に、とくに症状の自覚がないときにする治療です。




対処の治療は問題解決。


本質の治療は、健康の底上げ、だと説明しています。


けれど、それだけではありません。




スポーツチームに監督が必要なのは、なぜでしょうか?


人は、自分では肩に力が入っていることなど、気が付きません。




「動きが硬いよ!リラックス、リラックス!」「いつものチカラが出てないよ!どうした!?」


そういう風に声をかけるには、健康な状態、いつもの実力を診ていないと分からないのです。(ベストの状態を見ているから、悪い状態に早く気が付ける)




私たちは、健康なときに、病気の原因を作っています。


疾患があるときに治療するだけだと、その疾患への対処だけになってしまいます。


健康な状態を見ていれば、どうすればもっと健康になるか、どうすればもっとパフォーマンスを上がられるかということを考えられます。




悪い状態に対処するだけでは、そこから上がる、もっと良くなることが考えられません。


良いときほど見せて欲しいというのが、私の本音です。


0回の閲覧

© since 2016 はりきゅう和 @大阪市中央区 キャンセルポリシー プライバシーポリシー