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  • 山崎 美穂

東洋医学ではどんな検査をするのか?

病気というのは、どんなものであれ、一番「診断」が重要です。


診断がつかない限り、治療に入れません。


見切り発車で治療に入って、誤診で大変なことになったという話が、『フラジャイル』という漫画にあります。(主人公は病理医。病理部というのは、その診察、診断を専門とする部門です)

診断ができれば一人前…というか、まず診断ができるというのが、すごいのです。


以前、院の前を掃き掃除していたら、通りすがりの人に「足が痛いんだけど、どこが悪いのかしら?」と聞かれました。


「検査しますので、中へどうぞ」と言ったら、帰っていきました。


診断だけなら無料サービスだとでも思ってるのかなぁと思いました。




検査は病院に行ってもらった方がいいです。


MRIも血液検査もありますし。




私のつまらないエピソードでも分かると思いますが、「東洋医学の診断」は当てモノ、占い的なものだと思われているようです。


診察基準が現代医学とは違うだけで、伝統医療だから、古い医療だからといって、診断体系がないわけではありません。




五感だけを使う診察なので、熟練が必要ですし、検査した人間によって検査結果がまちまちなところがあるとはいえ、そのやり方で何千年も人を救ってきたので、それなりの効果と根拠があります。


少なくとも、あなたの先祖の誰かは、伝統医療で命を拾ったはずです。




でもまぁ、私も、古典的な検査方法に、現代科学の裏付けが必要だとは思っています。それなしで、今後、鍼灸の発展はないとも思っています。


私だけがそう思っているわけではなく、科学的な研究が世界中で進んでいます。それでもまだまだ全然緒に就いたばかりなので、パンパカパーン!経絡って実はこういうことでした~~~!みたいな発表まではまだ遠いです。





●東洋医学の基本的な思考の枠組み●


東洋医学では、人生を「気血水」で出来ていると捉えています。

気血水というモノではなく、気・血・水です。


たった三つのもので構成されている人体に、何らかのトラブルがあるとしたら、それは気血水のどれか、または複数の滞りに違いない、と考えます。


気・血・水がとどこった結果が病気で、気・血・水を滞らせる何ごとか、原因がある。


としたら、治療法は、(1)気・血・水を滞らせる原因を取り除くこと、そして(2)気・血・水の滞りを解除すること。


この二つだけです。


この(1)の方はなかなか厄介で、昔は細菌やウイルスが発見されていなかったし、観察するすべもなかったので、(1)については分からないことが多かったので、治療の重点は(2)に傾きます。


鍼灸は典型的な(2)です。


コリという滞りを見つけ、取り除く、ただひたすらそれだけの治療です。


それでも「どこに」滞りがあるか、「どんな(気・血・水のどれ?)」滞りかということは、特定しなくてはなりません。




東洋医学で、診察診断というと、どこに、と、どんな、あと、病気の重さ(進行具合)を診ることになります。


具体的には、顔色など見た目で分かること(望診)、切診と言って、触って確認できるもの(脈診もこれに含まれる)、問診…治療の基本ですね。患者さんに詳しく発症前後や経過について聞くこと。聞診といって、目に見えない音を聞く診察法があります。


この四つを合わせて、四診(ししん)と言います。




というわけで、東洋医学の診察法について、簡単かつ大ざっぱに説明をしました。


伝統医療は古いからと言って、「わけがわからない」ものではない感じは分かってもらえたと思います。


東洋医学は、話が通じないような、わけの分からない、不思議ちゃんのものではなく、昔の人とは言え、当時の頭が良い人が練って練って、実用に耐えるレベルまで研ぎ澄ませたものです。


現代のそれとは違うからと言って、昔の人に科学精神がなかったわけではないのです。


現代医学より進んだ面はあります。


それは、薬に人が合わせるのではなく、人に合わせて薬を処方するという考え方であったり、道具や薬がない状況で、ないなりになんとかする技には長けています。


現代、先進国の医療は、薬や治療法の側に、人間が合わせるという、本末転倒なところがあります。薬の開発費が莫大になってしまっているからという背景があると思うのですが、医療が提供できるサービスの網の目から漏れる患者さんには、鍼灸のような、患者さん側に治療法を合わせるという医療からの補完が必要です。


現代医学と伝統医療の補完関係を理解して、多くの方に治療を受けに来ていただければと思います。


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