治療期間の予測は、「できません」
治療期間の目安として、
骨を損傷は2年(成人)
皮膚で年齢×2倍の日数
筋肉の損傷の程度にもよりますが、筋肉の損傷で6週間~8週間
という指標がありますが、年齢、性差、食生活、運動歴などに左右されます。
【目次】
誇大広告と誤解と
怖い古傷化
東洋医学はコミュニケーションが必要な医術
壊すのは一瞬、治すのは大変
治療頻度はどう決めたらいいの?
誇大広告と誤解と
業者による「一回で激変!」といった誇大広告がまかり通っていたため、一般の方の間に誤解が広まり、「一回で変化を感じます」程度の話が、「一回で治る」という大げさな話になっていますが、全部ウソです。
TVの医薬品のCMにはたいてい全部登場しています。(最近大手メーカーのCMでは減っていますが、その分中規模メーカーのCMで彼らは健在です)
もう一つ肝心なことがあります。それは「誤解」です。
骨を損傷は2年(成人)
皮膚で年齢×2倍の日数
筋肉の損傷の程度にもよりますが、筋肉の損傷で6週間~8週間
こちらの話は、キャリアがあって、腕のいい治療院にも残っている「誤解」で、アスリートやスポーツをしている学生も、ここが分かってない方が多いです。
それは、痛みが取れることを「=治った」と思う誤解。勘違い。痛みが軽減程度であれば、たしかに一回で軽減しますし、一回で激変もよくあることですが、「治った」わけではありません。これは、誇大広告とは別の話です。
骨を損傷は2年(成人)
皮膚で年齢×2倍の日数
筋肉の損傷の程度にもよりますが、筋肉の損傷で6週間~8週間
この期間は、不健康な人では著明に伸びますが、健康な人でもこれより短くなるわけではありません。
怪我をして、痛みがあっても、動けるようには、すぐ、なります。けれど本当の意味で治ったわけではないので、痛みがとれたという錯覚からスポーツしてしまうと、「内在化」し、筋力が落ちたときに「古傷」として再び現れます。
筋トレでひざ痛がなくなるという話も、筋肉がつけば痛みが出なくなるという意味で、治ったという意味ではありません。
また、損傷のエリアというのは、皆さんの想像以上に深く、広いものです。なぜなら、全身が一枚のボディスーツのような膜につつまれているからです。痛めたのは足首であっても、全身的な治療が必要なことが多いです。足首を痛めた影響が、「二次災害」的に腰や肩に響くからです。
怖い古傷化
大人になってからのケガは「傷が残りやすい」といいますが、「痛み」という「分かりやすいサイン」が消えると、治ったと勘違いして、治療をやめてしまう方が多いことも原因の一つだと思います。くれぐれも3回の治療で治ったというようなことは「ありえない」ことだけは心に留めておいてください。
繰り返しますが、痛みだけなら数回の治療で取れます。
本当に「治しきる」のが難しいだけです。
投げ出すような治療の止めかたをして、次、もしまた痛くなったらどうしますか?同じ病院に行けますか? 「3回で治るなんてすごい!先生ありがとう!」と治療を終えて、また痛くなったとき、その先生に「また痛くなったんですが…」と言えますか?言いにくくありませんか?
怪我であれ、疾患であれ、「一回」や「数回」の治療で「治る」ということは、ありえません。10年以上の長患いであればなおさらです。5年で治れば「すごい!」10年でも「治ってよかった」 ほったらかしなら、墓場まで持っていくことになるのですから。治すというのは、皆さんが思うよりずっと、ずっと難しいことです。
東洋医学はコミュニケーションが必要な医術
初診時に、私はあなたのことを何も知りません。
統計的にはこうだ、という先入観はかえって邪魔になります。
ですから、あなた自身に考えて、教えていただくことがいっぱいあります。 >あなたの怪我や疾患の程度はどのくらい重いですか? >私ができる治療はこういう感じですが、この治療をどれくらいの頻度、どれくらいの期間継続したら治りそうですか?それとも治りそうにありませんか? >では、どういう治療をどれくらい継続したら治ると思いますか? 現代医学と違って、東洋医学には検査機器はありません。検査数値がありません。 私は患者さんご本人ではないので、その方にどれくらい回復力があるか「知りません」とくに初診時には知りようもありません。(鍼灸師は超能力者ではありません) ですからむしろ教えてください。
>どういう治療をどれくらい続けたら治りそうですか?
壊すのは一瞬、治すのは大変
生活習慣病であれば、習慣を変えるためには、6週間かかると言われています。しかし習慣を変えた段階で、生活習慣病が治ることはありません。習慣を変えて10年?いやもっとでしょうか。 私の経験則では、おおよそ怪我などは、3か月を一区切りとし、五十肩などの疾患では、来院のタイミングにもよりますが、スタート時点(いつが症状のスタート時点かについても、患者さんに確認が必要です)から数か月です。
アスリートの人は、普通の人より筋肉に負荷がかかっています。だから引退したときから大変です。筋力が落ちれば、これまで蓄えて古傷があふれ出すからです。
せめて鍼灸治療を受けつつ、競技に取り組んでいただければと思います。
運動していない普通の人でも、長年の疲労が40歳を境に出てきます。お身体との付き合い方を、痛みが出てからの対処療法ではなく、体質改善という視点で変えて行っていただければと思います。
治療頻度はどう決めたらいいの?
しかし治療はお金がかかることです。
とくに手技療法。
電気刺激の機械に寝ててもらう治療でしたら、治療費は規模を大きくしさえすれば、いくらでも下げられます。ところが手技療法は、分単位でチリンチリンチリ~ン…お金が飛んでいきます。 そのため、当院は、治療頻度や、治療の継続については、ご本人に判断をお任せします。 痛みがとれ、とりあえず動けるようになったので、これで終了しますとおっしゃれば、そこで終了です。ご本人のモチベーションによって結果が変わるものを、無理強いすることはありません。
料金体系にも関わることを説明すると、当院は現在のところ回数券がありません。 ただ、続けてみるという場合、治療期間については、「まず●週間試してみる」というのをご本人に決めていただきます。
治療には相性もありますし、鍼灸は痛くて我慢できないという方もおられますので。
治療頻度ですが、仮に「本当に早く治してほしい」という方は、毎日治療を受けても問題はありません。 3日間毎日治療した後、改めて続けるかどうか決める、でも良いです。 治療回数も頻度も期間も、決めるのはご本人です。
当院の患者さんはほとんどの方が、1回試してみる→一か月試してみる→続けてみよう、と通院を続けてくださいます。
「試してみる」→「効果を感じる」→「納得、腹落ちする」という過程は、無理強いするものではなく、自然の流れで、お一人お一人が体験、体得していくものです。
いつでもやめていいのです。
まず始めてみましょう。
Comments