痛みはサイレン
- やまさき みほ
- 12 分前
- 読了時間: 2分
こんにちは☘
コリトリマニア鍼灸師、やまさきみほです。
「先生、鍼って痛くない方がいいですよね?」
患者さんから、よくこんな質問をいただきます。
そのときの表情が、みんな本当に神妙で。「痛い=悪いこと」と思っている方が、とても多いんだなと感じます。

でもね、実は痛みって、悪者じゃないんです。
痛みは、もともと「生き延びるための能力」として生物が進化の中で手に入れたもの。
もし痛みを感じなかったら、ケガや火傷に気づかず、感染症にもすぐやられてしまうでしょう。
痛みがあるからこそ、「これ以上は危ない」と体が教えてくれる。つまり、痛み=身体を守るサインなんです。
頭痛がするたびに痛み止めを飲む方もいますが、実は免疫細胞たちは「痛み」をサイレンのように受け取って、その場所に集まってきます。
白血球は壊れた細胞を片づけ、赤血球は酸素や栄養を運ぶ。まるで救急隊のように働いてくれるんです。
でももし、薬でサイレンを消してしまったら…?彼らはどこへ行けばいいか分からず、修復が遅れてしまうこともあります。
もちろん、どうしてもつらいときに痛み止めを使うのは悪いことではありません。ただ、「常に痛みを消す」方向だけでなく、「痛みをうまく活かす」視点を持つと、体の回復力がぐんと変わります。
鍼灸は「痛みを避ける」ための治療ではありません。かといって、必要以上に痛めつけるものでもない。
古い問題を表に出し、修復のきっかけを与える——そのための最小限の刺激が鍼なんです。
もし「痛すぎる!」と感じたら、その場で手を止めることもできます。治療を分けて進めることもできます。
鍼を受けていくうちに、「イヤな痛み」と「必要な痛み」の違いがだんだん分かってきます。
「これは、効いてる痛みだ!」そんなふうに感じる瞬間があれば、身体はちゃんと治ろうとしている証拠です。
痛みは、敵ではなく味方。体が治そうとしているサインです。その声に、耳を傾けてみませんか?



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