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  • 山崎 美穂

私の肩こりを治すにはドリルがいる!

最終更新: 5月24日

病院の病理部…病気の検査、主にガン細胞の分析なんかをやる部署があります。


最近、コロナウイルスのおかげで、臨床検査技師という職業が注目されていますが、その臨床検査技師が務める部署名が、病理部です。


その病理部を舞台にした漫画があります。


『フラジャイル 病理医 岸京一郎の所見』

草水敏 著 恵三郎 画


その病理部の部長…トップの名前が、岸先生というのですが、その部下は2人ぽっちしかいなくて、一人は岸先生の押しかけ弟子(医者)。もう一人が臨床検査技師です。


病理医が二人いるのに、臨床検査技師がたった一人…というのは、なんだかバランスがおかしいな、と思いませんか?


診察、診断するお医者さんが二人いるなら、その手足となって働く、臨床検査技師は、もう数名いてもおかしくないのではないでしょうか。


でも、岸先生はなかなか癖のある人物なので、検査技師がなかなか定着しない…というのが、この漫画の舞台設定。


そのたった一人で、何人分も仕事をこなしている臨床検査技師の名セリフが、「俺の肩こりなんて 僧帽筋にハンドミキサーぶっこんで 攪拌しないとほぐれませんよ」です。(彼は怪しく笑いながらこのセリフを言っていました)


「私の肩こりは20年もの。ハンドミキサーくらいじゃ物足りない。ドリル持ってきて!」というツワモノもおられることでしょう。


前置きが長くなりましたが、理不尽な職場生活や加重な家事労働にいそしむ皆様のために、電動工具以外の、肩こりのほぐし方について、考えてみたいと思います。




【目次】

1)肩こりとは何か?

2)肩こりをほぐすには、どんな手段があるか?

3)自分で肩こりをほぐすことはできるのか?




1)肩こりとは何か?


ウィキペディアで、肩こりについてググってみました。


肩こり(かたこり 肩凝り)とは症候名のひとつ。肩だけでなく、首も凝ることが多い。「肩が張る」とも言う。主に僧帽筋に起こる症状[1]。厚生労働省による国民生活基礎調査(2015年度)における有訴者率で男の2位、女の1位を占める症状である(男の1位、女の2位は共に腰痛)。

肩こりは、腰痛と双璧をなす、患者数を誇る…ということと、くだんの漫画に出てくる臨床検査技師の言葉通り、「僧帽筋」という筋肉と深く関わりのある症状だということ。あと、肩だけじゃなく、首までこってるってことが分かります。



肩こりについて、普通の人が知っておくべきことを、私がもう一つ加えるとしたら、「肩というのは、背中側だけじゃなく、前…喉とか胸がある側も含めて、肩こりの症状はあるし、むしろ原因はそっちにあるかもよ?ということです。




2)肩こりをほぐすには、どんな手段があるか?


まずマッサージですね。


整骨院に行く理由は?と聞かれて、マッサージだと答える人くらい、ありふれた正解です。


でも、整骨院の先生は、たいていマッサージする資格なんて持ってないですけどね。


マッサージしていい国家資格は、「あんま・マッサージ・指圧師」だけなんで。


それ以外の人がマッサージしても、それは、無資格者による施術になるので、医療事故があったりしても、保険のカバー対象ではないかもしれません。




マッサージ以外の、「自分以外の人」に「してもらう」タイプの手段として、ストレッチや、肩甲骨はがしがあります。


この二つは狙いが同じです。


コリというものは、以前、乳酸や老廃物のせいにされていました。


しかし最近では、その正体は、筋膜の癒着だとされています。(確定ではなさそうな言い方)


筋膜というのは、スーパーでささ身を買ってきて、観察してほしいんですが、ささ身についている、薄い膜です。


鶏肉系なら結構分かりやすくついています。


薄い、半透明の膜。


それが筋膜で、筋肉の束を包んでいる膜です。筋肉に感覚を伝える役割(痛覚含む)と、血液などで潤いや栄養を与えたりする仕事をしています。


筋肉そのものは、「縮む」くらいしか仕事をしません。


(ゆるむ、は縮むが終わったら、自然に元の状態に戻る仕様になっているので、筋肉が自発的にゆるむことはできません)




筋膜に話を戻しますが、筋肉同様、筋膜も材料はタンパク質で、筋肉よりずっと薄いということもあり、熱変性しやすいです。


つまり、使いすぎると、互いにこすれたりして、簡単に傷むってことです。


それが癒着(溶けて、くっつく)に繋がります。




それを引っぺがす、徒手的な手段として、ストレッチや、肩甲骨はがしというのがあるわけです。


直接筋膜に触れるわけではなく、皮膚の上から、うまくテクニックをつかって剥がせ…たらいいなぁというものです。


鍼灸も、ストレッチや肩甲骨はがし同様、筋膜をひっぺがすことを狙いますが、鍼なので直接筋膜にアタックできるという点が大きな違いです。


私が常々、鍼灸は「外科手術」だ、と言っているのは、直接皮膚の下にアタックできる、医者以外では唯一の資格だからです。





肩こりへのアタック、最終手段は、外科手術です。


鍼灸でも駄目としたら、もうあとは手術しかありません。


病院では、筋膜に注射針で生理食塩水を流しこむという治療法が使えます。


ちょっとした荒業ですが、最後の手段としてそういう方法もあるということは知っておいて損はないと思います。


鍼灸師にかかるだけかかって、その鍼灸師の腕では満足いく結果が出なかったときは、その手を使うしかないかもしれません。


ただし、どこの病院でもやってるわけではない治療法のようです。お金も結構かかりそうです。




3)自分で肩こりをほぐすことはできるのか?


自分で運動して肩こりしない身体になれたら!


「腕立てをしたら治った」「自分でストレッチしてたら、肩がこらなくなった」「水泳の背泳ぎで一発だよ」という話を聞いたことがあります。


色んなやり方がありますし、運動して治すというのが、究極且つ、最善の方法です。


問題は、運動したくないとか、運動する時間がないってことくらいです。



あと、肩コリの原因である、癒着の場所は人それぞれなので、ある人が縄跳びをして肩こりが治ったとしても、あなたが同じことをして、肩こりしなくなるかどうかは、分からないってことです。


でもぜひ、色々試して見られると良いと思います。


スポーツはするだけ、全部得しかしませんから。


どういうスポーツが、自分の肩こりにあっているか、模索してみられることをお勧めいたします。





最後に余談。


最後の3が一番お勧めですが、実のところ、結構なスポーツマンで、色んな運動している…たとえば、いかにも肩こりに効きそうなボルダリングとかね、


そういうスポーツをしている人でも、肩こりを治して、と鍼灸院に来るんです。


なぜかというと、スポーツしていると、「現状(健康な状態)以上の、さらに上のコンディション」が見えてくるからです。


スポーツや格闘技やっている人で、自分の身体を使えるようになれば、なるほど、もっとここがこうなったら、肩の可動域が広がるのに、もっと動きがなめらかになるのに、と思うようになります。




逆に、全然運動してない人、「私、肩こりって気持ちがわからないのよ」「肩が凝ったことがないんだよ」という人がいます。


で、触ったら、肩がガチガチなんです。




全然自分の身体のことが分かってない人と、すごく自分の身体について詳しい人とが、真反対。なんか理不尽じゃないですか?




身体にどっか悪い状態の部位があったとしても、その悪い状態の部位が、脳に痛みを伝えるかっていったら、伝えないことがあるんです。


もし、身体に異変が起こったとしても、私たちはそれに気が付くことができないかもしれないんです。


だから、人は、ガンや脳梗塞で死ぬ、、、


ピンピンコロリになるんなら、それは決してその人にとって悪いことじゃないかもしれませんが、でも、そんなのは滅多にないことで、大抵発症した時から、長い長い闘病生活というやつが始まるんです。


そういう人が9割です。




私は、肩こりの自覚について考えるとき、こういうことを考える。


自分の身体の異変について気づかないままでいるのが幸せなのか。それとも気づいて改善することが良いことなのかってことを。




今回のブログは、「たかが肩こり」の話なんですが、


肩こりに対する対応には、その人の人生観や価値観が深くかかわっていて、結局生き方の話になっちゃうんです。


肩こりなんか、気づかないまま生きてければいいのにって。


なぜ身体はコリという不快感を、私たちに伝えるのか。


もっと言うなら、なぜ、私たちは、痛みなんてものを感じるようにできているのか?




私、痛いのが何より怖いんです。


痛覚なんかなかったらいいのにと思う。


でも、痛覚があるのは、私の気持ちとは裏腹に、身体は生きていたい!と思っているから、痛覚があるんですよね。


あ、いや、死にたいわけじゃなくて。痛いのとか、闘病とかが嫌って話です。




身体は生きていたい。


だから、私たちの脳に痛みやコリ感を伝える。


肩こりになんとか対処してほしい、と。


でも、そういう身体のニーズと、脳の「なまけたい」「運動したくない」「鍼痛い」というのが、対立しちゃう。


なんで、身体と頭とで、意見が不一致なんだろう?って思いませんか。


肩から上の世界と、肩から下の世界と。


利害関係は同じはずなのに、なんで?


不思議ですよね。




同じ日本社会に住んでいて、日本が沈めば損するのは同じなのに、お金持ちの人と、一般の庶民とで、求めていることが違うってのにも通じますね。


何なんでしょうね。




最後になりましたが、肩こりに悩んでるけど、運動して自分で治すのは面倒くさいぜ!という方は、当院へどうぞ。

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