私の母は、昔からかなりの大食いで、いつも胃が荒れてこう言っていました。「一日、二日、食べなかったら治るのに…(食べないなんてできない)」って。
一日、二日、食べなかったら、確かにある程度調子よくなるというのは、イメージ通りなのですが、それが最初っから無理だし、もしやったとしても、またしばらく元の食生活続けていたら、胃は再び荒れてしまいます。
荒れた胃を根治させるには、どうしたらいいんでしょうか?
■ 胃が荒れるってどういうこと?
その前に「胃が荒れる」というのは、私の郷里独特の言い回しかもしれません。
「胃が荒れる」ってどういうこと?…と、ググってみると、大正漢方胃腸薬のホームページが出てきました。
あなたの胃は元気ですか? 食べたものをスムーズに消化して、時間がくると快い空腹感を感じられる胃ですか?食欲があって、食事がおいしく感じられるのは胃が元気な証拠。胃もたれ、胸やけ、吐き気、げっぷ、食欲不振などの悩みを抱えている人も「体質だから」とあきらめずに、胃の底力をアップさせる方法を考えてみませんか。(文字の朱書き強調は引用者)
胃もたれ、胸やけ、吐き気、げっぷ、食欲不振…といったことが、胃が荒れるという言葉の意味するところだといえます。
もうちょっと付け加えると、口角炎(口の端っこが赤くなって切れたりする)や口内炎、舌が赤くなるなど、胃のムカムカ、口臭なんかも、胃が荒れていることから起こります。
■ 口から肛門まではひとつながりの「くだ」
胃と腸は、口、食道から肛門まで続く、ひとつながりの「管」(くだ)の一部です。胃または腸のどちらに不調があっても、管の一部に起こったことは、管の他の部分にも影響します。
胃の調子が悪くないときも、口臭がするかたがいますが、胃だけでなく食道まで、疲れが浸食していたのかもしれません。
臓器は、胃は胃。腸は腸、と区別されていますが、胃と腸はひとつながりの管で、素材も同じタンパク質で出来ています。私たちが頭で考えるほど、完全に別々のものではないのです。
胃の容量は1.5リットルといいますが、フードファイターなんかを見てると、もっと広がってそうですよね。
胃は、広がったり、縮んだりします。食べ物や飲み物を容れると膨らみ、長時間食べないでいると、縮みます。
食べ物が入ってきたとき、胃の中を満たす消化液は強酸です。これは、肉など、消化に悪いものを溶かすためでもありますが、もう一つ意味があります。それは胃の「貯蔵庫」としての役割です。
胃が広がったり縮んだりして、食べ物をたっぷりいれることができるのは、私たちが一日中食べ物を探したり、食べ続けたりしないでいいように、多めに食べ物を食べて、保存(強酸がでるのは、食べ物が腐らないように保存液としての意味もあります)して、ちょっとずつ消化することで、エネルギー切れを防ぐ狙いがあるのです。
胃液は強酸性ですが、酸から胃を守るために他にも液が出ています。粘液です。粘液と胃液のバランスがとても大事なのですが、そのバランスがストレスや食べ過ぎで乱れることがあります。
胃が荒れた状態とは、胃酸と胃の粘膜とのバランスが崩れている状態ということもできます。
胃が荒れる原因に、こういったものがあります。
□ストレス
□暴飲暴食
□カフェイン
□食事のリズムの乱れ
□喫煙
□薬の服用
犬や猫のような動物は、人間より本能のチカラが強いので、からだの調子が悪かったら、食べずにおとなしく寝ていたりしますね。
動物たちが正しくて、胃薬で胃を治そうとするのは間違いです。消化器の疲れは、飲み薬で治るものではありません。
胃の荒れに、一番効くのは、薬ではなく、胃を休ませること。
…と、わかっていても、いつ途切れるともしれない連日のストレス。誰でも、ずーーーっと食べずに過ごすことはできません。
絶食以外に、何か良い方法はないのでしょうか?
鍼灸で荒れた胃を整えることはできるのでしょうか?
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PROFILE
山崎 美穂 やまさきみほ
鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)
「元気があればなんでもできる」と言いますがひっくり返せば「やりたいと思うことができないのは元気がないから」
子どもの頃、働く母親の背中を見て育つ中、忙しくても続けられる治療院があったらな…と思ったことがきっかけで、気付けば自分が治療家になっていました。
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