脈の速い遅いで、熱・炎症があるかどうか。
脈の滞りで不整脈の有無。
脈の力強さでその人の生命力の強さ。
といったことであれば、鍼灸師でなくてもある程度わかるものです。そこから先の「●●という経絡のどこそこが虚している」といったことが理解でき、治療に活かせるレベルになるには10年修業がいります。
私自身は、治療に脈診を使うことはあきらめましたので、東洋医学的な治療をご希望の方には、他の治療院に行くことをお勧めします。
証を立てるというのは、「東洋医学による診断名」をつける、という意味です。
北辰会は、鍼の本数が少なく、経絡やツボから、たった一つのツボを選び出し、たった1本か2本の鍼で治療します。
経絡治療学会・東洋はり医学会は、もう少し鍼の本数は多くなりますが、ツボや経絡を用いた治療を行います。
詳細は、東洋医学的な治療をする先生にお聞きになってください。
治療家ごとに治療法に大きく差があるのが鍼灸です。
あらかじめHPなどで情報収集してから、受診先を選ぶ方が良いでしょう。
大事なので二度。
くれぐれも、よろしくお願いします。
ここからは余談。
鍼灸は、必ずしも経絡やツボを使う治療ばかりではありません。また、検査法として、脈診が唯一絶対のものではありません。
東洋医学の検査法は、おおまかに4種類。
望診
聞診
問診
切診
頭をとって、望聞問切の四つの診察法、四診(ししん)と呼びます。
このうち一つでも、完全にモノにできれば、ゴッドハンドと呼んでも良いと思います。
私は、問診と切診を使います。
「あれ、脈診はないの?」
と思いますよね?
脈診は、切診の中に含まれています。
じゃあ、私もできそうに思われるかもしれませんが、あにはからんや。できません。
脈診は、切診の一つにすぎません。
切診の中には、
腹診…お腹を触って診る。
背侯診…背中を触って診る。
脈診…脈を触って診る。
があります。
切診とは「触って診る」ことです。
つまり触診です。
言語化が困難で、熟練を要し、センスも必要かもしれない、触診はとても難しい診察技術です。
脈診が中でもとびきり難易度高いのは、間違いありません。
私にわかるのは、脈診でも簡単なことだけです。
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