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  • 山崎 美穂

良い治療院の判断基準を持っているか?

良く誤解されているのですが、専門知識に価値があるのではありません。知識だけなら陳腐化します。知識を駆使する能力、問題の勘所を発見(診察・診断)と、問題を解決する能力(治療)この3つの掛け算が専門家の価値です。


でもこの掛け算で治療費が決まるわけではありません。


専門家の料金とは、専門家に払う、問題へのコミット料金です。



専門家の価値=知識を駆使する能力 × 問題の勘所を発見する診断力 × 問題を解決する能力


専門家の料金=問題へのコミット深さ



新型コロナウイルスの場合、新型のウイルスであるということは分かっているので、1番目と2番目はクリアしていますが、ウイルスを確実に殺せる薬がありません。


つまり、掛け算の答えはゼロです。


ゼロですが、皆さん、じゃあ、新型コロナにかかったとして、医者が治せないことがはっきりしているとして、だからって病院に行きませんか?医者以外に診て欲しいと思いますか?


いえ、それでも病院に行きたいし、お医者さんに診て欲しいですよね?

それはプロにコミットしてほしいからですよね。



さっきの掛け算だって、どれか一つくらいなら、素人でも、当事者の方が勝っている部分はあります。でも素人にコミットしてほしいんじゃない。プロに、プロだから、プロとして、コミットしてほしいんですよね?

相続の問題なんか、当事者は問題のありかくらい良く分かっています。でも解決できないから弁護士が必要なのです。プロにコミットしてほしいのです。その方が自分たちだけで解決するより、上手く行きそうだと思うから、弁護士に仕事を依頼するのです。


近所の人に頼めばいいとは思わない。

やっぱりプロに頼みたい。


しかも、できれば報酬が高い人の方が良い。


それは、それだけ深くコミットしてくれるだろう、と期待するからです。



ところで、

皆さんは、自分にできることと、できないことの区別はつけられますか?


そんな人は、私が知る限りいません。


そもそもその段階から躓いている人が多い。


だから「とりあえず」で病院、治療院に行って、何にも頭が整理されてない状態で治療を受け始めて、「あれ?」ってなる。


イメージしていたより満足できない。混乱しているから、すぐ治療を投げ出すことになるのです。





ちなみに、治療を受けるのに、「治してもらおう」というマインドでいると治りません。


絶対に健康になる!というモチベーション管理まで、治療家任せの人は、たいがい口がうまいだけの、悪徳治療家のタダのカモです。それに薄々気づくんですね…治療を投げ出す理由の一つです。


でもそもそも「良い治療家の見分け方」を持っていないので、きっと、良い治療家に出会っていても、そうと気づくことはないでしょう。




具体的には、ドクターショッピングする羽目になるのです。


漫画家・田中圭一さんの『うつヌケ』に出てくるエピソードで、ある精神科に通っていたけれど、あまり変化が出なくて、もしかして治療が間違っているんじゃないか? と疑念がわいて、別の、先生が有名な病院に行った…というエピソードがありました。


その有名な方の先生から、前の先生の治療方針も、治療のやり方も間違ってないこと。自分の病院に来てもらっても、治療法は変わらないこと。むしろ、自分のところでは、前の先生のように一時間もかけて、丁寧に話を聞いてあげることができないことを諭され、元の先生が正しかったことに気づいて戻るという話がありました。



判断基準を持たないまま、ぼんやり家に来ていたチラシを見て治療院に行って、なんだかおかしい、思っていたのと違う…と思ってドクターショッピングをはじめてしまい、次から次に治療院を変えるようになり…


そして、治らないんです。


何一つ、解決していないまま。


気付いたら、治療院をめぐる体力も気力も失って。


先日、『タコ焼き治療院』という言葉を聞きました。


私も驚いたんですが、たくさんベッドを置いて、患者さんを並べておいて、片側からはい、はい、はい、はい、と順番に治療していく。…もともとは歯医者さんを揶揄する隠語だったそうです。


一人目の患者さんをある程度のところまでやっておいて、たとえば歯を削って、歯のセメントが固まるまでの間、次の患者さん、また次の患者さん…と処置していくことだそうです。


これが、間違ったやり方と言うわけではありません。

むしろ普通の歯科医院で、この方法をとっていないところは、経営が成り立たない事でしょう。


しかしこのやり方がエスカレートしすぎると、衛生管理上の問題が出てきます。

医療用の手袋の交換…きちんとしてるかな?など。


医者とはいえ、注意力には限界があるからです。


つまり、コミットに差がついてしまうのです。


患者さん一人頭の治療費を抑え、院の経営を成り立たせようと思うと、医者から患者さんに対するコミットが薄くなるのです。




よく「良いものをより安く」と言いますが、それができるのは工業製品だけ。


機械が治療する時代になれば、それもあり得ますが、人間が治療する限り、良いものは「より高く」です。なぜなら、誰もが一日は24時間だから。


その時間を割いて、クライアントの問題に専門家がコミットすることが価値なのです。


歯科治療は大体1枠1時間だと思いますが、その間中歯医者さんが傍につきっきりで治療して、片時も離れないとしたら、治療費は一時間いくらになるでしょう?歯医者さんの時給+歯科衛生士さんの時給+医療材料費+その他経費+税金…


1時間で3万円くらいでしょうね。3割負担でも9000円以上。銀歯やレントゲンの検査が加われば、易々と諭吉が飛んでいきますね。






さて、ちょっと前置きが長くなってしまいましたか。


良い治療院の選び方。


1.治療家が、(せめて)治療時間中は、治療にしっかりコミットしてくれる

2.悪徳治療家を見抜く

3.治療家との相性の良し悪し


これらは、治療の効果以前の話です。


この三つが揃っていさえすれば、治療の効果が高いという意味ではありません。


でも、この三つの条件が整ってなかったら、どれほど効果が出ていても、治療が途中で頓挫するリスクがあります。


治療効果については、一概に言えることがありません。




私が診ている限りでも、最初はどうしても効果らしい効果がなく半年もの時間がむなしく過ぎたことがあります。


身体に治る準備ができていないと、効果が出始めるまで時間がかかるのです。


特に出産後の患者さんの身体なんかは、栄養をほとんど赤ちゃんに譲ってしまっていて、治療の効果が出にくいです。


栄養補給 ⇒ 運動療法などで体力をつける ⇒ 治療


と治療の前に二つも階段を上がらなくてはならないため、簡単に半年、一年とかかります。




ですから、治療効果とはあくまで別の話として聞いてください。


1.治療家が、(せめて)治療時間中は、治療にしっかりコミットしてくれる

2.悪徳治療家を見抜く

3.治療家との相性の良し悪し



1.できればマンツーマン治療が望ましいです。


それが難しくても、少人数制がいいです。


人間の認識力には限界がありますから。




2.悪徳治療家を見抜く


マンツーマン、少人数であればあるほど、料金は高いです。


治療費は、薬を使うもの以外は、基本、技術とコミットの料金です。


あなたが払える範囲で、なるべく高いところの方が無難です。


問題は、悪徳治療家の見分け方…。料金が高ければ悪徳治療家か?というと、そうではありません。むしろ良心的な治療家は、治療費を安くはできないでしょう。真剣にコミットするためには、お金の心配なんかしている場合ではないからです。


自分ちの明日の米びつの心配をしながら、患者さんに親身になれるという治療家を、私なら信用しません。



ところで、患者さんが愚かで依存心が強ければ強いほど、生き生きと輝くのが悪徳治療家ですが、あなたは愚かで、依存心が強い人でしょうか?


愚かで、依存心が強い人と上手くやれるのは、悪徳治療家が、心理学者として一流だからです。


悪徳治療家の患者さんには、治療効果が出ないかというと、そんなこともありません。


なにせ「日にち薬」という強い味方がいますから、統計的にはどんな治療院であっても、一定数の患者さんは治るのです。


ハッキリ言えるのは、悪徳治療家は、あなたの治癒にまったくコミットしていません。コミットしている振りが上手なだけです。そこを見抜けるかどうかです。


人は弱い。そのコミットしている振りにとても弱いのです。


コミットしている振りの人は、あなたのことを「とても心配してくれます」「心から同情しています」という態度です。話を聞いてくれます。


でも、あなたの質問には答えません。聞こえなかった振りをします。


それが一番良いやり方と知っているからです。


本当に良い治療家は、分からないことは「正直、分かりません」と言います。


悪徳治療家の場合、都合の悪い情報と質問は、同情している振りか、聞こえない振りをするので、良く観察してみてください。


悪徳治療家を見抜くには、あなたがそれ以上の心理学者にならないと無理です。


これは、個人の治療院だけでなく、大きな病院でも、良く観察してみてください。良い先生と悪い先生、病院こそ、どこに行っても料金が同じだけに、しっかり先生の資質を見抜くことです。


病院の場合は、スタッフの一人一人、見わけなきゃいけないので大変です。




3.治療家との相性の良し悪し


どんなことでも、同じですが、判断するのは、「あなた」です。


自分が基準です。


そして、それはプロであっても、他の人には決められないんです。


自分が良いと思えば良いし、悪いと思えば悪いのです。


良い先生だと思ったなら、その先生について行ってみてください。




ただ、物事にはなんでも表があれば裏もある。


あなたがその先生を良いと思っても、その先生があなたを良いと思わなければ、治療を拒否されることもあります。


相性というからには、お互いです。


双方が「合うね」と思えるということが、とても得難い、貴重なこと。





私は、患者さんから、「近所にお勧めの先生いませんか?」と聞かれて、これまでは評判の良い先生を探して紹介したこともあるんです。


でも、最近はそれをやめました。


相性は、本人同士にしか分からないことだからです。


こういう治療法の先生いますか?と聞かれても、同じこと。


治療法やよって立つ論理が同じであっても、相性はまた別。




人は感情の生き物。


同じ話でも、誰から聞くかで、聞けるときもあれば、聞けないこともある。


相性が良い治療家に巡り合えたら、それ自体がめったにない稀なこと、幸運なのだと思った方がいいです。




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