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「そこ!」というコリを狙える 大阪の鍼灸院 

未病という言葉は知っていても、自分がその未病だと気づいてない人。

東洋医学では、よく「未病」っていいますね。健康>未病>病気 という区分けは、皆さんご存じのとおりです。


アーユルヴェーダには、未病に、さらに細かい分類があるそうです。


うちではあんまり検査らしい検査をしないし、患者さんに病名をつけることもしないので、そうは思われていないかもしれませんが、実は、鍼灸にも検査がある。


ちょっと検査というものについて、書いてみたいと思います。



流派によって、やりかたは少し違ったりもしますが、その奥義は単純「とどこおりを見つけること」とどこおり…うちでいうなら「コリ」ですが、鍼は、コリをとり除くための道具なので。


コリをしっかり蝕知し、サイズ感、深さなどを把握すること。鍼灸の一番基本になる「検査」、触診です。


けれど、コリのサイズ感を蝕知するというのは、最も基本で、最も難しいことです。


サイズだけでなく、コリには質感もあります。

そこまでわかるようになって、やっと一人前の治療ができます。


逆に、そこまで把握できるようにならないと、鍼というすごい効果のある道具は、危険な道具になってしまうのです。



■ 検査は何のためにするものでしょう?


検査は重要です。どれくらい重要かというと、治療全体を10としたとき、5は検査というくらい重要。


検査は何のためにするものでしょう?


検査は、「治療法を確定させる」ためにします。


なんの病気か、診断を間違えると、「治療が」、患者さんを悪化させる、もっと言うと病気にさせることがあるからです。





この人の病気が何なのか?


本人は胃が痛いと言っていますが、検査しても胃の中がきれいだなんてことは、よくあることです。


その時点で、医者と患者さん本人は、二つのうち一つを選ばなくてはなりません。


・病名を確定せず、あいまいなまま、治療をはじめるか。


・さらに原因追及を続けるか。




ここで問題は、


・お金


もありますが、


・検査をやればやるほど、時間もかかるし、何より、検査によって、患者さんの身体が害されることがあるからです。


私は、PCR検査をどんどんできるようになったらいいなと思っているのですが、それは、PCR検査が、患者さんのカラダに対する負担が軽い検査だからです。




たとえば胃の検査ひとつとっても、色んな検査があります。


その究極は、「開腹して、直視しての検査」です。


開腹…つまり手術です。


そこまでするかどうかの判断は、患者さんの悩みの深さによりますが、開腹すると麻酔も使いますし、たかが検査なのにリスクが跳ね上がります。




たいていの人は、「血液検査や胃カメラで異常がなければ、手術までしたくない」と思うでしょう。


そして、とりあえず「胃薬を飲んで様子を見ましょうか」ということになります。


痛みなどの症状がそれでなくなれば、結果オーライです


通常はそういうことが多いです。




問題は、そうならない場合です。


検査しても患者さんの苦痛の原因が分からず、「不定愁訴」とか、「自律神経の乱れ」とか、「胃炎」とかの診断が出ます。患者さんは納得がいかず、でも治療法もなく、医療に見放されたような気持になったりもします。



そういう方の多くは、民間療法や、健康食品などに向かわれます。


鍼灸治療に向かう方もいます。


あなたも、そのお一人かもしれません。





■ 鍼灸の検査


あなたは、病院で、「不定愁訴です。身体には問題ありません」と言われても、


鍼灸院では、違う検査結果がでて、ちゃんと治してもらえる可能性があるのか、ということが気になっていると思います。


大丈夫です。安心してください。




お医者さんは、胃の中をカメラなどで診てくださいますが、私たちは、コリを診ています。


胃の内側がきれいでも、胃の周辺にコリがあれば、胃の動きは悪くなります。


ご本人にしか分からないその辛さ、そのコリをしっかりわかって、それを取り除いてくれるのが、検査能力と治療技術、両方をもった腕のいい鍼灸師です。


ですが、そうなるためには、鍼灸の検査と、病院の検査の違いを知っておいていただく必要があります。





■ 検査と治療の距離が限りなくゼロ


鍼灸の検査には問題があります。


それは、検査結果がすぐに出ないことです。


治療しながら、分かってくることが多いので、初診時に「はい、あなたは●●です!」

「あなたの病名は●●です!」「あなたの悩みの原因は●●にあります!」


という風に出て来ない。




とくに私のやっているコリを探して、コリを治療する鍼灸治療は、全身を一気にくまなく検査することができません。


ちまちまと、鍼先で探ってコリを探すので、全身探るのに、一体どれだけ時間がかかるやら?




先日も治療中、患者さんが、鼠径部をゴリゴリ触るとお腹が鳴り、胃が動くとおっしゃいます。


その方の主訴の一つが、「食欲がないこと」だったのですが、さすがに胃の問題の原因が鼠径部で見つかるとは想像すらしていませんでした。それまでも胃の裏を散々治療してたのですが…。


ちなみに、胃が悪い患者さんの鼠径部をなんで探っていたかというと、二十歳そこそこの頃に腰椎ヘルニアをやったという話からで、最近もちょっと足にピリピリと神経痛が起こるということから、腰を治療しはじめたのです。


腰に鍼をしていたんですが、コリがどうも、身体の脇から、鼠径部まで流れていくので、触診したところ、お腹が動き始めた、と。




そんな風で、治療しながら検査、検査しながら治療…というのが、鍼灸の検査です。


そういう意味では、現代医学的な意味で、「検査してないも同然」かもしれません。


悪いところをただ鍼で追いかけているだけですので。


そういう治療の仕方も悪いものではありませんが、現代的な感性から言うと、じれったく思えるかもしれませんね。




■ 東洋医学体な検査法


スパッと病名をつけてほしいという方もおられるかもしれません。


東洋医学的な鍼灸をする鍼灸院では、診察、検査の後、病名がつきます。


ただし、病名が付くとしても、「うーん、脾虚肺実症だねぇ」といった、意味が分からない四文字熟語です。




当院では、東洋医学的な診断をしません。


検査結果がまちまちで、その院でしか通用しない、鍼灸師の主観による診断でしかないからです。




ただ病名が付くことで安心感が得られる面もあり、私は、否定すべきものでもないと考えています。


脾虚であるとか、肝が上炎しているとか、色んな用語がありますが、それらを、現代医学用語に翻訳することは難しいです。


部分的には訳せますが、無理やり訳してしまうと、本質から離れてしまうので。





■ 鍼灸の検査


鍼灸では、治療をすればするほど、それが検査になります。


私は、治療のゴールは、患者さんが、自分の身体を把握することだと考えています。




自分の身体のことが分からなくなっている状態…病気


自分の身体の状態のことを、しっかり把握できて、何をどうすれば、身体が整うか分かっている状態…健康




そう考えているのです。


そういう意味では、多少の不調があっても、自分の身体と上手に付き合えている人は健康ですし、


「病院になんかめったに行かない」といっても、しょっちゅう胃薬を飲んだり、痛み止めを飲んだり、対処、対処で、反応的に過ごしている人は、自分の身体のことを本当には分かっていない人。病気の人だと思います。




病気というのは、発症してからが病気なのではなく、病気が発症する前からの、「連続体」です。


私の友人に脳卒中などの後、重い後遺症を背負った方のためのNPOを主催している人がいますが、脳卒中を起こした人こそ、発作を起こすその直前までバリバリ働いている人ばかりです。


身体の不調が分からず、倒れるまでやってしまう人は、発症していないだけで、もう病気なのです。




東洋医学には、「未病」という概念があります。


健康な人、未病の人、病気の人、です。


ほとんどの方が、未病がどういうことかくらい、ご存じでしょう。


未病という言葉は知っていても、自分が未病状態だということを分かっていないのでしょうか?


分かってないんですねぇ…困ったことに、分かってない。


自分が「よくない」ことは分かっているけど、まだマシな方の未病なのか、かなり危険水域に踏み込んでいるのか…までは分かってない。


だから、無茶しちゃうんですね。




検査には、そういう危険水域に踏み込んだ患者さんに、警告を発するという意味もあります。


これが難しい。


実のところ、「この人危ないなぁ」くらいは分かりますが、鍼灸には、客観的な「検査数値」も「画像診断」もありません。


だから、口頭で、「今のままじゃ危ないですよ」とは言えるんですが、その警告をどれだけ真剣に患者さんが受け止めてくださるかというと・・・・・・・。




なにせ、鍼灸師は権威ってものがありません。


何十人から数万人も、身体を診てきたら、それだけ経験値は高いんですが、ただそれだけなんです。




先ほどのNPOの会員さんの体験談で、


「倒れたとき、『ああ、これで休める』と思った」という声がありました。


NPOの会員の中には医療関係者もいますが、「やっちまった」と思ったそうです。脳出血のさなかにです。(自分でタクシー呼んで病院行ったそうです)


本人が脳外科医や、看護師といった専門家や、研究者や会社社長と言った知的な方であってもそうなのですから、これは、私たち鍼灸師に権威がない、影響力がないというより、人間に備わった性質の問題なのでしょう。


検査は、東洋医学でもしますが、ちゃんと危機意識を持っていただくためには、検査数値や画像で見ることができる、病院での検査を受けていただいた方がよさそうです。




というわけで、締めくくり。


危機意識を持つために、結果が数値で出る病院で、検査を受けるようにしてください。


病院に行って、検査を受けて、「不定愁訴」「自律神経の乱れ」といった結果が出たら鍼灸院へ。


未病は、あなたのこと。私のこと。


お互い、ゆめゆめ油断せぬようにいたしましょう。




 

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PROFILE

山崎 美穂 やまさきみほ

鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)


大阪の女性鍼灸師


子どもの頃、仕事と主婦業で忙しい母親を見て、「忙しくても通い続けられる治療院があったらな」と思ったのが、開院の動機です。


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発行者 はりきゅう和-nagomi- やまさき みほ 〒540-0004 大阪市中央区玉造2-16-18

メール 89nagomi@gmail.com


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