鍼灸の、記念日。
- やまさき みほ
- 10月10日
- 読了時間: 2分
当院、8月9日が開業記念日、2016年開業の九周年でした。
それで思い出したんですが、鍼灸には色んな記念日があります。
鍼灸がらみの記念日は、4月9日の「しんきゅうの日」、8月9日の「はりきゅうの日」のほか、神農祭というのがあります。
神農様というのは、漢方薬の始祖で何度も毒にあたって、吐いたり下したりしながら身近な草木の薬効を調べたといわれている伝説上の人物。
大阪の道修町は、大阪にルーツを持つ製薬会社の本社が軒を並べる地域ですが、そこに少彦名命(すくなびこなのみこと)という、日本の薬の神様を祭った少彦名神社、通称神農さんがあります。
神農様は中国の薬の神様。少彦名命は日本の薬の神様で、一緒にお祭りされているのです。
神農祭は、11月22日、23日開催で、大阪では「年内最後のお祭り」ということで、「とめの祭り」とも呼ばれます。

他にも12月8日(または2月8日)に「針供養」という行事もあります。
針供養は、お守りやお札、縁起物のように、お炊き上げをするんではなく豆腐やこんにゃくなどの柔らかいものに針を刺して神社やお寺に奉納するものです。
大阪では、大阪天満宮で2月8日に針供養が行われるそうです。
「針供養」は、日本らしい「道具を大事に使う」精神と、縫物の腕前の上達を祈るという二つの意味が込められた行事ですが、鍼灸師も、鍼を道具として使わせていただきまた技術向上を大事にするという意味で供養する先生もいるようです。
そういう精神の在り方が素晴らしいなと思います。
また、鍼灸師なら忘れちゃならない話で、日本鍼灸史上の偉人杉山和一という方がおられます。
1610年生まれ、1694年死去(長寿!)伊勢の国の人(現代の三重県津市)で、幼くして伝染病で失明。
ほんまは武家の嫡男だったそうですが、失明をきっかけに医術を志し、現代の鍼灸師が当たり前のように使う「管鍼法」を編み出しました。
それだけでなく、鍼・あんま技術の取得、教育を主眼とした「世界初」の視覚障碍者教育施設「杉山流鍼治導引稽古所」を開設。
今は鍼灸師としてただ一人、江島杉山神社という神社に祭られているそうです。
墨田区にあるようなので、お近くの方はぜひ。
最後は記念日じゃなく、人物の紹介になりましたが、鍼灸も日本の文化で資産なのだということを感じていただけたらと思って紹介します。



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