栄養素には、レア素材と、ありふれたコモディティ(日用品)とがあります。
しかし、そのレア素材と、コモディティは、遺伝子のちがいで、必要量にかなりの個人差があります。
同じ栄養素であっても、少量あれば十分まかなえるサトウさんと、燃費が悪くて大量に必要になるスズキさんがいるのです。
たとえば、代表的レア栄養素のビタミンC。
人以外の動物で、ビタミンCを体内で合成できない生き物は、ほぼいません。
でも、人間はビタミンCを体内で合成できないので、食べ物で摂る必要があります。かなりの量が必要なのに、です。
しかも、そのビタミンCを必要とする量は、一人ひとり違っていて、個人差が10倍から20倍もあるらしいのです。
一日10グラムもあれば十分なヤマダさんと、200グラムも必要としているタナカさんがいる、ということです。
栄養の教科書的な意味で、コモディティ(ありふれた、日用品の)栄養素とは、
炭水化物
脂質
タンパク質
三大栄養素と呼ばれる、この三つです。
逆にビタミン。ビタミンという言葉には特別な意味があります。「生物の生存・生育に微量に必要な栄養素のうち、その生物の体内で十分な量を合成できない炭水化物・タンパク質・脂質以外の有機化合物の総称である」(ウィキペディア)
言葉の意味からして、ビタミン=レア素材です。
ウィキペディアには、ビタミンは、「有機化合物」だと書いています。
ミネラルも、ビタミン同様、体の中で作り出すことはできません。外から何らかの形で取り入れることしかできませんが、ビタミンは「有機」であるのに対し、ミネラルは「無機物」
レア素材ではあるけれど、無機物なのがミネラルと理解していただければOKです。
コモディティ…糖質、脂質、タンパク質
レア…ビタミン、ミネラル
これがざっくり教科書的な意味の、コモディティとレアの区別ですが、この記事を読んでくださっている方は、「あなた自身にとって」の、コモディティ、レア(一生懸命摂ったほうがいい)が知りたいはずです。
いちいち試して見なくちゃ分からない面もありますが、できる限り解説してみたいと思います。
(1)コモディティの中にあるレア素材
コモディティに入ってる栄養、炭水化物、脂質、タンパク質の中に混じって、レア素材があります。
炭水化物の中には、「食物線維」というレア素材がいます。炭水化物を食べることで、食物繊維「も」とれる場合がありますが、お菓子は炭水化物が多いと言え、食物繊維は少ないことが多いです。
お菓子の摂取量が多い人は、自動的に、食物繊維が不足するという形で、食物繊維がレア素材になっています。イモ類、豆類、葉野菜、根菜類を摂れば、食物繊維は補えます。
脂肪…嫌われがちな脂肪の中にも、レア素材があります。それが「必須脂肪酸」です。必須…というくらいなので、ゼロになれば、なんらかの不調、疾患に繋がります。
皮下脂肪、内臓脂肪が豊富な方は、いきなり必須脂肪酸不足になることはないかもしれませんが、肌や髪が潤いを失ってきているとしたら(←自分にとってレア素材かどうか見分けるには、こういった変化を見分けるしかありません)アラートが灯っています。
脂肪は、細胞膜を作る代表素材なので、変化は比較的すぐ肌に現れ、わかりやすいサインです。
タンパク質。タンパク質にも、必須脂肪酸同様、必須アミノ酸というものがあります。が、それ以前にタンパク質は、一部のアスリートを除いて、ほぼ全員に不足しています。コモディティどころか、タンパク質は最初からレア素材です。
まず、他二つに比べて、高い。調理のハードルが高い。
シミ・しわ
節々の痛み
背が縮む
足が遅くなる
歩幅が狭くなる
白髪
抜け毛
老化サインのほぼすべてを、タンパク質不足が起こしています。
胃弱、腸の状態の悪さがある人は、タンパク質を、吸収できません。摂っているつもりで吸収できてない。同様のことは脂肪についても起こっていることで、質の良い脂肪でないと、吸収が悪く、必須脂肪酸不足になっている肥満の人はいくらでもいます。
もう少し説明します。
(2)「摂っている」のと「吸収できている」のとで、かなりズレが出る栄養
摂ってるつもりで、吸収できてない、吸収しにくい栄養があります。
代表格が、ミネラルです。
ミネラルというのは、金属です。ほんの少量あれば足りる…たとえば鉄なら全身でも数グラムあれば事足りる栄養素ですが、
「じゃあ、とりあえず2グラムほど補うか」と、2グラム分、「鉄サプリ」を飲んだところで、吸収できません。
点滴や注射で身体に直接入れれば別ですが、胃腸は賢いので、多すぎる鉄がいきなり増えそうな事態を察して、「そのまま」体外に放出…つまりうんこ💩で出します。
これが、鉄サプリを飲むと、うんこが黒くなる理由です。
さて、タンパク質と脂肪に話を戻します。
タンパク質には、必須アミノ酸。脂肪には、必須脂肪酸というレア素材が含まれています。
ですが、これらは、錬金術師のように、タンパク質(脂肪)の中から、消化によって「抽出」しないと、出てこない栄養素です。
ガラクタの中に宝石が隠れているのです。
こういった栄養素を取り出すには、強い消化・吸収能力が必要になります。
つまり、栄養に関しては、「量、摂ってるつもり」と、「吸収できてる」の間に、見えない溝があるってことです。
世の中には、めちゃくちゃ小食なのに、すごく元気に動ける人、しかも見た目も若いという人がいますが、そういう人は、生まれながらにして高い消化・吸収能力を持っています。
逆に、たいして食べてないのに、ぶくぶく太っていく人もいます。ほぼほぼ吸収力がなく、ほんの少量のレア素材を手に入れるために、大量のガラクタを一緒に摂らなくてはならない人です。
たとえばヤマサキさんが、一日に人一倍多くのビタミンCを必要としているとして、ビタミンCのサプリを大量にとっているとして…それは、果たして、遺伝子が原因なのか?それとも単にヤマサキさんの消化吸収能力がうんこだからか?はたまた、ヤマサキさんが、砂糖中毒でお菓子を大量に食べる人だから、ビタミンCが枯渇しているのか?
複数の要因が絡まりあっています。
遺伝子検査で、必要な栄養素を調べることもできるらしいですが、3万円ほどかかります。私は遺伝情報の漏出が怖くて(遺伝子で、あいつはアホだとバレるのが嫌ですし)、やってません。
しかし、それでも、身体に現れている「不調」から、不足する栄養素を読み解くことは、ある程度できます。
ただし、自分を観察する力がいります。
(3)体に現れる不調から読み解く、レア栄養素
いかに書くことは、現時点で、私が確信できたことです。一般論については、(4)で書きます。(4)に書くことは、私にとって「未確認」のものを含みます。
世間一般に言われていることと、かなりズレる部分もあるかと思いますので、ご本人が、身体で実際に試してみてください。
老化…タンパク質。一日100g以上。肌、髪、関節、脳(認知症など)全般に関連しているということは、すでに一般書にも紹介されている通りです。
肌トラブル、アトピー含む、便秘など腸の不具合、花粉症などの粘膜の不具合、目の粘膜に関する不具合…ナイアシン(ナイアシンアミド、フラッシュフリーナイアシンを除く)
※ナイアシンは、フラッシュという副作用のある栄養素です。必ず少量(100㎎)から始められることをお勧めします。
私の体感ですが、ナイアシンは粘膜全体に関係があります。
粘膜は鼻、口、胃腸の中全部、目を包む膜、脳を包む膜、血管の内膜、内臓の内と外、赤血球の膜。膜、膜、膜、あっちもこっちも膜だらけで、ナイアシンを飲むとすぐわかりますが、灼熱感があります(ナイアシンフラッシュ)
しかも速攻で出ます。数ある膜の中でも、その人の一番弱ってる膜にいきなり「キ」ますので、ビビります。肺に来たときは、呼吸困難っぽくなって、本気で怖かったです。目に来たときは、ずっとズキズキ痛かった目の痛みがスッと引きました。
ほとんどの方は、ナイアシンは、まず不足していると思って間違いありません。
また、ナイアシンは、非常に広範に影響する栄養素です。ナイアシンは、ビタミンB3。ビタミンB群の一つですが、ビタミンB群自体が、とてつもなく広範囲に働く栄養素で、常に不足気味です。
特に、不調がなくても、ビタミンBコンプレックスは、飲んでおいたほうがいいサプリかもしれません。
元気がない、鬱傾向…鉄です。鉄茶を飲んでください。詳しくはこちら。
(4)特定の栄養が不足すると起こるとされる症状
基本的に、自分に必要な栄養素(サプリ)は、自分が抱える「不調」で見分けると考えてください。誰かが診断して、遺伝子検査キットで見つけてもらうという正解もありますが、遺伝子検査に抵抗がある、私のような人もいると思います。
手っ取り早い方法でOKな方は、●maz●nで調べてみれば検査キットはすぐ出てきます。
~執筆中~
当院の鍼灸と栄養療法(メガビタミン療法)は、きっとあなたにとって、健康づくりの一番の味方になれると思います。
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栄養療法について、毎日記事を書いています。通知が多すぎるかもしれませんので、調整してください。ご予約や、質問、記事への感想も当院公式LINEにて承らせていただきます。
お目をとめていただき、ありがとうございました。
PROFILE
山崎 美穂 やまさきみほ
鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)
大阪の女性鍼灸師
子どもの頃、仕事と主婦業で忙しい母親を見て、「忙しくても通い続けられる治療院があったらな」と思ったのが、開院の動機です。
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