あなたがもし、腹痛やお腹の張りを頻繁に感じているとしたら、SIBOをご存じでしょうか?
過敏性腸症候群…はご存じかもしれませんね。
この過敏性腸症候群に隠れた、「SIBO」(しーぼ、と読みます)が今問題になっています。
過敏性腸症候群は、「大腸」のトラブル。そしてSIBOは、「小腸」のトラブルです。
下痢や腹痛、お腹の張り感、ガス、違和感
さらには、逆流性食道炎…といった胃腸の問題。
その背景に、これまで知られていなかった、SIBOというものが隠れていると言われています。
過敏性腸症候群と診断された人、202人中、157人が、小腸を検査したところ、SIBOだったそうです。
では、先ほどから言っているSIBOとは何でしょう?
SIBOとは、小腸で細菌が通常の10倍以上に増えてしまっている状態のことで、
小腸内細菌増殖症
という意味です。
小腸は大腸を同じく腸ですが、大腸とは役割が大きく異なります。
栄養の吸収を専らとする器官…つまり、小腸内は、「栄養がたっぷり」あるのです。
菌がたっぷりいる大腸から、小腸に細菌が入ると、
「ここは天国か」
です。
餌がふんだんにあり、ライバルは少ないのですから。
小腸で細菌が増えすぎれば、小腸で吸収するはずの栄養は細菌に奪われてしまいます。
ですから、基本、小腸内の環境は、細菌が増えないようにコントロールされている。
SIBOの人は、それが崩れてしまっているのです。
このSIBOになってしまった人は、便秘または下痢、もしくは両方を起こす他、増えた細菌が生み出すガスが突き上げ、「逆流性食道炎」を起こすことすらあります。
小腸は大腸と違って、ガスの大量発生を受け止められるような構造になっていないから、ガスは上か下に逃がすしかないのですから。
鼓張腹といって、やせ形の女性に案外多いのですが、お腹だけ妊婦さんのようにパンパンになることもあります。
お腹の張りや、下痢、便秘…ありふれたトラブルですが、これまでその背景にSIBOがあるということは知られていませんでした。
なぜなら、技術的な問題で、小腸を検査するすべが限られていたからです。
それが、近年、カプセル型の内視鏡など、新技術の開発で、これまでブラックボックスだった小腸の中を見ることができるようになりました。
胃の問題や大腸の問題とされていた病気が、なかなか治らなかったのは、病の本拠地が、胃や大腸ではなく、小腸にあったからだったのです。
「胃薬や整腸剤では、治るどころか、悪化する気がする」
過敏性腸症候群や逆流性食道炎が治らず苦しんでいたあなた。
SIBOである可能性は高いです。
治療法も、従来のやり方とは異なります。
SIBOは、細菌が増える病気ですので、菌を増やす整腸剤は逆効果だったりします。
お腹のトラブルがなかなか治らないなら、病院でSIBOの検査を受けてください。
そして、栄養療法。
SIBOは小腸内のバランスが崩れて起こる病気です。
SIBOをきっかけに、食事を見直してください。
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PROFILE
山崎 美穂 やまさきみほ
鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)
大阪の女性鍼灸師
子どもの頃、仕事と主婦業で忙しい母親を見て、「忙しくても通い続けられる治療院があったらな」と思ったのが、開院の動機です。
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