患者体験には、本一冊分くらいのネタがあるはずなんですが、患者さんが主役のドラマってないですよね。
考えたり、調べたり、決断したりするのは、いつも医者。
これまで、私はそのことに疑問を持ったこともありませんでした。
でも、それって、患者さんには何の主体性もないってことを意味してませんかね?
いつもピンチに陥って、ヒーローの助けを待つヒロインみたい。
「助けてポパ●イ」
患者の人生は、医者の添え物ですか。
「医療パターナリズム」という言葉があるんです。
患者の最善の利益の決定の権利と責任は医師側にあり、 医師は自己の専門的判断を行なうべきで、 患者はすべて医師に委ねればよい、という考え方。 温情主義とも訳される。 伝統的な医の倫理の発想であるが、 今日の医者がこんなことを言うと袋だたきにあう。 患者主権主義と対比して語られる。(引用元へのリンク)
自分で主導権を握るとか、主体性を持つとかいうことは、ただでさえ病気で苦しむ患者さんの負担を増すことになる、、、という善意…温情…というものが、医療パターナリズムの温床なんです。
医者側に悪意あってのものではありませんが、だとしても、あまりに患者には「語る言葉」が少なすぎやしませんか?
「知識もないし、分からないから、何も話せない」
「何を言ったらいいか分からない」
「感じた通りのことを話したら、医者が変な顔をした」
医者主体で、ドラマが作られ、物語りされる限り、患者の自己表現の機会は奪われ、自己理解にたどり着けない。
そういう疑問を感じるんです。
ちょっと難しいいい方しましたが、私が感じたことはもっと簡単なことです。
私自身の話をすると、患者をやってた時期と、今とで、自分の病気について語る言葉のバリエーションが増えて、言葉に厚みが増したなと思ってること。
プロフィールとかで、「うつ病になって、公務員辞めて、‥‥なことがあって、、、」と書く機会が結構あるんです。人に話す機会も。
病識‥病気に対する理解度も増えてるし、医学知識も増えてるし、治した経験が自信になってるしってことで。
それでうつ病について、話せることが、昔より増えてる。これが一つ。
私がやってる治療法の勉強グループ…ルート治療というんですが、そのルート治療の鍼灸師は、私同様「元患者」という人が多く、自分自身もよく治療を受けるんです。
そしたらその感想を、長文でFacebookグループに投下してくることが多い。
「白川先生(ルート治療の創始者)の治療、先月は5回目でした。施術前に感じていた‥‥が、施術後に‥‥。また術後二週間目に驚くことがあって…」
ものすごい熱さで、体験を書いている。
自分自身が患者として施術を受けることで、自分が患者さんにする施術にも自信がつき、プラスのサイクルが回っていることが分かります。これが二つ目。
そして三つ目。
当院に、「患者のプロ」みたいな人がいます。
子どもの頃から虚弱体質。色んな病気、色んな不調で、飛行機に乗って東京まで治療に通っていたこともあるほど。
その方が、うちに来るたびに、治療で感じたことを、ルート治療グループの鍼灸師ばりに熱く語ってくださるんです。
そして、他のひとより治りが早い。
ここが一番大事なポイント。
他のひとより治りが早いんですよ。
患者歴が長いだけに、変化に敏感。
表現力もなぜが豊か。
単純に読み物としても面白いんですが、私は「患者としての主体性」が治療効果に影響を与えてると思いました。
患者としての「主体性」、馬鹿にならない。
患者は、一生、患者なわけではなく、「患者後」の人生がある。
患者体験を、「受け身」で経験すれば、そこで得るはずの学びを失う。
「のど元過ぎれば熱さを忘れる」で、また患者になる以前の、身体のことなんか考えない馬鹿さが戻ってくるなら、患者体験もクソもない。
おっと口が悪くなってしまいました。
が、まぁそういうことです。だから、
医者が温情として、患者さんの判断の負担を軽減させる狙いを持っているとしても、患者さんの主体性を奪っちゃいけないんですよ。
医療の専門性が増して、医療パターナリズムは悪化してる面があると思います。
患者さんがちゃんと理解できる前に、時間が迫って治療しないといけなかったりする。求められるのは同意書へのサインだけ。
患者が考え、調べ、動き、決断する…患者が主役のドラマ…なんて、絵に描いた餅、理想論ですが、いや、実際は患者の身体は、常に医療の主役です。
医者も患者の意志も、身体にくらべれば脇役です。
患者の精神が受け身でも、患者の身体は受け身じゃない。
どんな瞬間も、主体的に最善を尽くし続けている。
一年365日、24時間休みなく。
誰も身体の主体性には敵わない。
ボケッとしてるのは、患者さんの精神です。
自分の体が戦っているのに、心が怠けていていいのか?
あと、医者が患者さんをどう治そうか必死になってるとして、患者さんの心が怠けているとしたら、それはそれで腹が立つ。
そんな奴がいたら、脇役としか言いようがない。
自分の人生の脇役だ。
自分の人生なのに。
私も患者歴が20年ほどあるんで、そう言う人を見ると腹が立つ。
とはいえ、患者さんが、自分の言葉で語る機会を奪われているというのも、確かだと感じるんです。
「知識もないし、分からないから、何も話せない」
「何を言ったらいいか分からない」
「感じた通りのことを話したら、医者が変な顔をした」
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二度と帰らぬ人生のある時期の歴史そのもの。
それが無いのと同様であれば、あなたの人生の一部も消えるということです。
二度とない貴重な体験。
あなたの人生の一部。
だから、あなたが自分で語る価値があるものです。
本一冊書くほど価値がある体験を、「あなたが」ゴミ屑にしないでください。
当院の鍼灸と栄養療法(メガビタミン療法)は、きっとあなたにとって、健康づくりの一番の味方になれると思います。
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栄養療法について、毎日記事を書いています。通知が多すぎるかもしれませんので、調整してください。ご予約や、質問、記事への感想も当院公式LINEにて承らせていただきます。
お目をとめていただき、ありがとうございました。
PROFILE
山崎 美穂 やまさきみほ
鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)
大阪の女性鍼灸師
子どもの頃、仕事と主婦業で忙しい母親を見て、「忙しくても通い続けられる治療院があったらな」と思ったのが、開院の動機です。
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