一回読んで、二回目なんですが、『嫌われる勇気』を読んでいます。
先々月くらいまでかな。『7つの習慣』を母と一緒に読んでました。音読で、一章ずつ。
それで、続けて今度は『嫌われる勇気』にとりかかったんですが、こちらは、哲学者と青年の対話ということで、母が哲学者のパート、私が青年のパートを読む、対話篇形式です。芝居の台本を読んでるみたい。
まだ読み終わってないのですが、いや~~しみじみ感じました。
こりゃ、世界観の話だわ、と。
この『嫌われる勇気』は、アドラー心理学を日本に紹介した本として有名です。
アドラー心理学を象徴する考え方と言えば「目的論」というのを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
"もし、私が不幸だとする。それは不幸であることを、自ら、今、この瞬間にも選択しているからだ。不幸であることで、何かの目的をかなえようとして、不幸であることを、選んでいるのだ”
という考え方です。
異論は多いでしょう。性格なんかは、生まれつきで変えようがないし、過去も変えようがないからです。不幸なのは、何らかの因果関係が背景にあり、ただの結果に過ぎないと考えられるからです。
アドラーの「目的論」の背景には、「ライフスタイル」という考え方があります。
私は、このライフスタイルというものを、「世界観」だと受け取りました。
ライフスタイルについて、本の中で、どう書いているか、引用しますね。
哲人:先ほどあなたは「人の性格や気質は変えられない」といいました。一方、アドラー心理学では、性格や気質のことを「ライフスタイル」という言葉で説明します(略)人生における、思考や行動の傾向です。(略)たとえば「わたしは悲観的な性格だ」と思い悩んでいる人がいたとしましょう。その言葉を「わたしは悲観的な”世界観”を持っている」と言い換えてみる。問題は自分の性格ではなく、自分の持っている世界観なのだと考える。性格という言葉には、変えられないものだというニュアンスがあるかもしれません。しかし、世界観であれば変容さえていくことも可能でしょう。
世界観っていうのは、すごく影響力が大きいと思います。
一つ例を挙げて考えてみました。
よくいう「努力すれば報われる」、これも一つの世界観です。
他方に「努力したって報われない」という世界観があります。
話を簡単にするために、この二つの世界観を白か黒か、対立する世界観だと仮定します。
努力して報われた人は幸いです。努力すれば報われるという、シンプルな世界観で生きればいいだけだからです。どこにも葛藤する余地がなく、努力も楽しければ、人生も楽しい、ハッピー!という人生が待っています。
問題は、努力をしても報われなかった人です。
ここで、ある人は宗旨替えをしてしまいます。
努力しても報われない教に入信してしまうのです。
「努力しても報われない」世界観の人は、努力はしません。無駄だからです。他人が努力しているとしたら、それは誤りなので、道を正してあげようとしたりもします。
「努力すれば報われる!」を押し付ける人と、同じくらい迷惑です。
ところが、この図をご覧の通り、
努力をして報われなかった人が、宗旨替えをせず、「努力をすれば報われる」教の信者であり続けた場合、努力の仕方がまずかった、という他にはない可能性が出てきます。
ここには、努力が報われてしまった人とも、努力を放棄してしまった人とも、「違う可能性」が開けています。
この世のほとんどの人は、まず、努力をして報われるだけの、スムーズな人生を歩いていたりしません。
いつも、「努力しても報われない」世界に陥る手前か、陥ってあっちの世界か、その瀬戸際にいます。
世界観を変えないまま、でも努力でうまくいかなかった人にだけ、「考える」「工夫する」「人に相談する」など、可能性が広がる余地があるのです。
それって、素敵じゃありませんか?
「努力しても報われない世界観」の世界の人は、天を仰いで口をあけて、たまに幸福のおこぼれが落ちてくることを待っているだけの人生かもしれません。私は、それにあまり積極的な意味を見出せません。
努力して、報われてしまった人の世界も、私のものではありません。
努力しても報われるか分からないという世界を私は生きています。
でも、努力しても報われるか分からない世界だからこそ、
(1)努力すれば必ず報われる世界とも、(2)努力が報われない世界とも違う、「工夫」の余地が生まれます。
この「工夫」こそ生きるための努力です。
工夫することを「当たり前」だと思えることは、すごい価値があるんじゃないか!
というのが、今日の私の発見です。
"最初からうまくはいかない。
工夫するのは当たり前”
これってよく考えたら、幼稚園・保育園で習う、基本的なことなんですよね。
基本的なこと=考え方のフレーム=世界観
あなたの世界を見る目、フレーム、歪んでいませんか?
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PROFILE
山崎 美穂 やまさきみほ
鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)
大阪の女性鍼灸師
子どもの頃、仕事と主婦業で忙しい母親を見て、「忙しくても通い続けられる治療院があったらな」と思ったのが、開院の動機です。
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