最近、小腸に菌が爆増する病気 SIBOという病気が知られてくるようになりました。
通常小腸には、菌が少ないんです。 というのも、小腸内には、栄養がいっぱいあります。
菌にとって、それらの栄養はご馳走!
だから、菌が小腸に入ると、 小腸が吸収する前に、菌が栄養を奪ってしまうので、身体は、小腸では菌が増えないように、厳重にシールドで守っているのです。
そのシールドが破られた状態が、SIBO。
SIBOを解消するのは、小さなジョウロで、火を消すような、大変な手間がかかります。
● それは大腸の不調か小腸の不調か?
腸の不調といったとき、大腸・小腸のどっちのトラブルかってことを、区別ができる人はあまりいません。
腸は下腹部にありますが、小腸をとりまくように、大腸が位置しているからです。
肛門から入ると、小腸は大腸の奥。口から入ると、小腸は胃、十二指腸の先という位置。
だから、検査機器が小腸には、なかなか入れなかった。
小腸=ブラックボックス
だったのです。
お医者さんも、トラブルの原因が小腸にあるのか、大腸にあるのかを、症状で見分けるしかありませんでした。
小腸が原因で起こる下痢・便秘と、大腸が原因で起こる下痢・便秘の違いは、食物繊維やビフィズス菌を摂って調子が良くなるか?それとも逆に悪化するか?で見分けます。
一般に腸に良いと言われている食物繊維や、ビフィズス菌、発酵食品で、逆に調子が悪くなるなら、それはSIBO!小腸にトラブルの原因があると推理できるわけです。
●一般的に「腸に効く」と言われるものが逆に働く
SIBOになった人は、小腸に菌が増えがちなので、通常「腸に良い」とされている、
ヨーグルト!
オリゴ糖!
食物繊維!
発酵食品!
などを食べると、「逆に下痢する」「ガスがたまる、ガスが出る」といった、トラブルが増えます。
この辺は、病巣が大腸なのか、小腸にあるのかで、役に立ったり邪魔になったりしますが、どっちに病巣があっても、「絶対に有効」な栄養もあります。
そちらの栄養素は、躊躇せず摂っていただきたいのですが…どんな栄養素か、次の項目で確認しましょう。
● 腸活に良い栄養素
大腸カメラを専門にしているドクターが、YouTubeで、こんなことを言っていました。
大腸カメラを入れた時、大腸ににシワがなくて、土管みたいに、先まで見通しが良かったりする。こういう大腸にはカメラを入れにくいんだ、という話でした。
土管状態の大腸は、便秘の人に多いそうです。
本来腸は、ぜん動運動といって、シワが動いて、便を出します。ツンツルテンの腸は、蠕動運動が鈍いんですね。
また大腸憩室という病気があります。
似た病気に、食堂憩室というのがあります。
これは、腸の壁や、食堂の壁に、変なくぼみ…たとえるなら、ニキビ孔みたいなくぼみができて、そこに食べ物のカスや、菌が溜まって炎症を起こす病気です。
さらには、胃腸の壁が薄くなる、リーキーガット症候群という病気があります。
私の友達に、胃壁からジワジワ出血し続けていて、そのために貧血だった人がいます。
消化器にも血管が通ってますから、そこが消化液などで破られるんです。
慢性的なタンパク質不足で、胃の壁、腸の壁が薄くなって、リーキーガット症候群になるんですが、タンパク質を摂らなきゃ胃壁腸壁は修復できないし、タンパク質を摂ると、胃液で壁がさらに傷むしという、容易ならざる事態です。
アンビバレント!
じわじわ栄養を摂って治していく以外の治し方はないんですが、その時必要になる栄養素が、
ビタミンA
ビタミンD
亜鉛
Lーグルタミン
タンパク質(各種アミノ酸)
それぞれの栄養素について、ちょっと詳しく見ていきます。
● ビタミンA
腸の中にある免疫細胞が働く上で必要な栄養素。さらに粘膜を強くする働きも。
●ビタミンD
腸の粘膜の細胞の結合を強くする上で必要な栄養素。粘膜のバリア機能を高める「抗菌ペプチド」の合成も助けるそうです。
●亜鉛
傷ついてしまった細胞の修復を助けてくれます。腸粘膜は、頻繁にこすられ、損傷しまくってます。だから細胞の入れ替わり(壊れて、新陳代謝する)早さが早いです。良い感じで細胞分裂するためには亜鉛が必須!(腸粘膜に限らず!)
だから腸粘膜の再生のために、亜鉛を摂ってください。
●Lーグルタミン
小腸の細胞や免疫細胞のエネルギー源。腸壁を補修する役割も。
● 個人的にお勧めする栄養素
私が腸活にお勧めな栄養素は、ナイアシンです。
私は、このナイアシンを一日に1000~2000㎎摂っています。500㎎のナイアシンカプセルを、一日に2錠から4錠飲んでいるということです。
飲み始めて、かれこれ半年たちます。
ナイアシンには、ナイアシンフラッシュという副作用があるんですが、これは、皮膚が赤くなり、日焼けしたみたいにヒリヒリする感覚なのです。
あるとき、このフラッシュがお腹に出ました。お腹の皮膚に出たのではなく、内部にヒリヒリ感を感じました。
「これは腸内にナイアシン働いてるなぁ…」と感じました。
ナイアシンはおそらく、粘膜の破壊の方に働くのではないか?というのが、体感です。(個人的な感想です)
細胞の新陳代謝は、破壊+再生です。
再生に必要な栄養素は、さきほどのビタミンA、D、亜鉛、L-グルタミンなのだと思います。それにプラス、ナイアシンを摂れば、破壊の部分が加速し、細胞の入れ替わりが早くなるのではないかというのが、私の意見です。
● 腸の炎症がひく栄養!
腸に限らずですが、全身あちこち、割と簡単に「炎症」というトラブルが起こります。
炎症は癒着の原因になり、最悪、細胞レベルどころじゃなく、臓器に穴が開くような激しい損傷を引き起こすことも。
たとえばよく聞く「腸ねん転」も、炎症から生じた「癒着」が起こす病気です。
のたうち回る痛さですし、最悪死にます。
炎症、癒着、どちらもありふれていますが、超危険なんです。
腸の炎症がひくとされている栄養を2つだけ、(SIBOの可能性を考えて)紹介します。
・ボーンブロス
・オメガ3オイル
この二つを摂ることは、あなたの腸の不調が、大腸でも小腸でも、どちらであっても炎症をひかせてくれることを期待できます。
タンパク質は消化しにくいので、お腹をこわす人も、ボーンブロスは一番消化しやすい状態のタンパク質ですから。
腸内のコーティングは、油脂が担います。オメガ3系の脂は、腸内のコーティング剤として最適です。
比較的、胃腸に優しいボーンブロスとオメガ3ですが、それでも、重症の方は、下痢をおこす可能性があります。
タンパク質は、腸壁を再生させるためには絶対必要なもので、それが不足した状態でいくら、ビタミンやミネラルを摂ったところで、再生しません。
ボーンブロスが一番ソフトなタンパク質摂取方法なんです。
ビタミンA、D、亜鉛、L-グルタミンを摂りながら、ボーンブロスとオメガ3系オイルもとるようにしてください。
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腸に気を使うことは、全身の栄養に気を使うこと。
逆に、腸の調子が悪いと、どんなに身体によいとされる栄養や薬を摂っても、その効能を活かし切れません。
もったいないですね💦💦
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PROFILE
山崎 美穂 やまさきみほ
鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)
大阪の女性鍼灸師
子どもの頃、仕事と主婦業で忙しい母親を見て、「忙しくても通い続けられる治療院があったらな」と思ったのが、開院の動機です。
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