この記事では鉄茶の作り方。飲み方。管理の仕方について解説します。
上の写真。右が通常状態の緑茶。左が、一晩「鉄卵」をつけておいた緑茶のペットボトルです。当然同じ緑茶。
■ 鉄たまごとは
鉄たまごがどういうものかというと、
このように、本当に卵の形をした、鉄の塊を、「鉄たまご」といいます。商品名も鉄玉子。
足の上に落としたら、骨折しそうな重量感。
私の実家では、子どもの頃、これをやかんに入れて、麦茶を沸かしていました。実家に転がってる人は、案外多いと思います。
今は、鉄玉子にも、形が色々あり、
このように魚の形の鉄卵があったり、
ドラえもんだったり、
私が愛用しているのは、細長い形のものです。
鉄なすびであったり、鉄きゅうりであったり、鉄インゲンであったりします。
それは、ペットボトルに入れる都合がいいからです。
色々試してみましたが、結論。
鉄釘がいい。ということになりました。
もちろん、「食用」として、作られた商品「鉄玉子」は安心です。
鉄釘には、表面を何かでコーティングしているものもありますから、口に入るものとして不安です。
でも、考えてみれば、鉄釘は、「黒豆」を煮るときに使う人もいます。
コーティングがはげた、古い鉄釘の、赤サビをとれば・・・?
というわけで、私はほぼ無料で手に入れた、古い鉄釘をペットボトルに入れて使っています。
■ 鉄茶を作る容器
どうやって作る?容器はどうするか?という問題があります。
ステンレス容器だとサビがつきます。
結局ペットボトルに放り込むだけが一番!
という結論になりました。
継続には面倒くささが一番の敵です。
「お茶を沸かすのが面倒くさい」という理由は、ペットボトルを買うことで避けられます。
↑洗ってきた鉄きゅうりをペットボトルに放り込む、の図。
ペットボトルの首のところが白いタイプのものは、内径が狭くて、太めだと鉄きゅうりが通らないかもしれません。透明なタイプの方が内径が広めらしいです。
■ 鉄と緑茶の相性は悪い?
次に、鉄をどうやって「溶けださせる?」何に溶かす?という問題。
これが緑茶と決まっています。
しかし、病院で鉄剤をもらったとき、お茶で飲まないようにと指導されると思います。
鉄がお茶に含まれるタンニンと化合して、人体には吸収されにくいタンニン鉄という形になるからです。
昔から日本では、南部鉄の急須でお茶を飲んでいました。サッカーワールドカップで活躍した選手も、南部鉄の急須でお白湯を飲んでいます。
南部鉄の急須でお茶を作ると、「味がなめらか」というのは、昔から知られていること。
一体医者と、日本の伝統と、どっちが本当のことを言っているのでしょうか?
どちらが正しいか、実験してみようと思いました。自分のカラダで。
私の身体で実験した限りにおいて、鉄茶に軍配があがりました。
実は、患者さんに鉄を摂ってもらう上で、「量」で「鉄サプリは、キレート鉄またはフェロケルで、100㎎以上を毎日とって下さい」という説明を前はしていたんです。
その方が説明しやすいからです。
そのために自分もその通り、鉄サプリを飲んでいたら、うつ病がぶり返してきまして。
吸収しにくかったのかもしれません。
それであわてて鉄茶に戻して、事なきを得たという経験から、私は鉄茶を勧めることに決めました。
わが身の安泰を考えると、鉄サプリを勧めておくのが正解なんですが、鉄サプリが飲めない、飲むと胃が悪くなる…など、患者さんも苦手な人が多く、現在は鉄茶をお勧めしている次第です。
では、一日500mlペットボトル一本に、鉄卵を漬けて、出てきた鉄を飲むとどれくらいの量の鉄を摂取したことになるのでしょう?
■ 一日に必要な鉄の量
一日に必要な鉄の量は、だいたい6㎎~7㎎くらいだと言われています。
普通の食事で鉄を摂っても、その量を達成できるとは言われています。
ところが鉄は、どういう摂り方をするかによって、「吸収」に差があります。
食事に、量として鉄が7㎎含まれていたとしても、それが全部吸収されているかというと、そうではないということです。
どういう形で鉄を摂取すると、身体に吸収されやすいかというと、二価鉄という形が吸収されやすいようで、それがまさに鉄卵のような、鉄そのものから流れ出た鉄の形が二価鉄なのだそうです。
■ 500ml 一本分の鉄茶で摂れる鉄は?
通常、お湯に煮出した鉄も、お湯が沸騰して、すぐに鉄卵を取り出してしまうと、あまり鉄が抽出されないそうです。
お湯が沸騰してもしばらくグラグラ、鉄卵を煮た方が鉄はたくさん出てきます。
1Lのお湯で、沸騰時:0.042mg 3分後:0.050mg 10分後:0.069mg
500mlのペットボトルでは、量は半分です。
しかし鉄卵を入れて一晩漬けた後のお茶の色を見れば、大量の鉄が溶けだしていることは一目瞭然です。
全てが吸収されるとは限りませんが、たとえ吸収率が下がったとしても、摂取量が違うはず?…と思っているのですが、ぶっちゃけ、一日にどれくらい摂れているかは分かりません。
一日に500mlの鉄茶一本分飲んでるわけではなく、私はせいぜい半分くらいです。
飲んで減るたびに、別の2リットルのペットボトル緑茶を、500mlのペットボトルに移して、継ぎ足し継ぎ足ししています。
ただ、鉄が濃く出る緑茶と、出ないお茶があります。
真っ黒になることが大事なので、緑茶の銘柄は選んでください。
一番ベストなのは、もちろん、茶葉で緑茶を淹れたやつです。間違いなく。
緑茶、紅茶、ウーロン茶は、お茶が真っ黒になります。ルイボスティとかだと、茶葉が違うので出ないこともあります。
出るものもあります。一々試す必要があります。
↑緑茶を自分で淹れたバージョン。真っ黒になりすぎて、私もドン引き。でも飲んだ。
■ 鉄たまごのメンテナンス
基本的に、鉄茶はペットボトルの緑茶に、サビとコーティングを落とした鉄釘をぽちゃんと入れて、冷蔵庫に保管。
ペットボトルの緑茶が、真っ黒になったところを飲むというもの。
だいたい一晩も冷蔵庫に入れておいたら、まっ黒い緑茶の出来上がりですが、これが段々黒さが薄くなってくるんです。
被膜ができるんでしょうね。
そうなってくると、その膜をとらないと、鉄が抽出できません。
鉄釘を取り出し、クエン酸やお酢に、一晩漬けると、つやつやになります。水でしっかり洗って、タオルオフ。
ペットボトルの緑茶にいれると、また以前同様、真っ黒い鉄茶ができるようになります。
■ 鉄の吸収率
鉄は、単体で摂っても、吸収率が低いです。
なので、鉄サプリは、ビタミンCと一緒に摂ることを推奨されます。
ところが、鉄茶は、緑茶にビタミンCがあります。
それで吸収率が上がるのではないか?と考えられています。
鉄茶と一緒にビタミンCを摂れば、さらに吸収が上がるのではないかとも考えられます。
■ 隠れ貧血…フェリチン値の話
人は体重60kgの男性で約3g、体重50kgの女性で約2.5gの鉄をからだの中に持っています。そのうち2/3は酸素を運ぶトラック(ヘモグロビン)に、10%は筋肉(ミオグロビン)に、残りは肝臓、脾臓、骨髄、腸に貯蔵されています。鉄は人の体にとってとても大切ですので、すぐに取り出せるように貯蔵されていたり、再利用されるシステムになっています。
体内の鉄の2/3は、ヘモグロビン…つまり赤血球が持っています。
そして1/3は、「フェリチン」…貯蔵鉄と呼ばれ、色んな臓器が持っています。
これまで私たちが「貧血」を問題にする場合、ヘモグロビン値というものを調べた結果としての鉄不足を問題にしていました。
しかし最近では、ヘモグロビン値は普通でも、フェリチン値が低い、隠れ貧血の患者さんが相当いることが分かってきました。
ヘモグロビン値だけ見ていても、身体全体にとって必要な鉄の量が十分とはいえないのです。ところがフェリチン値というのは、ほとんどの病院、健康診断で、検査して「もらえない」のです。特別な検査方法が必要なので、病院や、検査機関が備え付けていないのですね。
「もしかしたら私は隠れ貧血かも?」と感じていても、なかなか検査できません。
もし、あなたが生理のある年齢の女性であれば、隠れ貧血かどうかの検査の先に、鉄をしっかり摂ることをやってみませんか?
鉄茶で十分な鉄が摂れるか不安だと感じておられるなら、多少お金はかかりますが、サプリで摂るべきです。
鉄を摂り始めて、改善がみられるなら、隠れ貧血だったといえるのではないでしょうか。まずははじめてみてください。
大丈夫。滅多なことでは鉄過剰症になることはありません。点滴や注射以外、心配ありません。
※サプリで鉄を摂る場合、オススメの鉄サプリは、フェロケルというものです。キレート鉄の一種で吸収率が良いそうです。
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PROFILE
山崎 美穂 やまさきみほ
鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)
大阪の女性鍼灸師
子どもの頃、仕事と主婦業で忙しい母親を見て、「忙しくても通い続けられる治療院があったらな」と思ったのが、開院の動機です。
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