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「そこ!」というコリを狙える 大阪の鍼灸院 

鉄の話

うつ病で闘病していた頃、本当に色んな健康法を試しました。


ある薬局で、牡蠣エキス?のサプリメントを購入したのですが、それがかなり良いものだったようで、飲むとなんだか元気になる感じ。サプリメントっていいもんだなぁと思いました。


「お年寄りがこぞって健康食品買うわけだわ」


ともあれ、それが栄養療法の入り口でした。





「何かの栄養が、自分には足りてないんじゃないか…命の根本に必要な、何か、特定の…」そういう気持ちは、その前からありました。


四人兄弟の長女ということもあり、学生時代から、料理はできてたと思うのですが、ただ、ずっと学生の頃から過食傾向があって、その背景に、なんか栄養不足があるんじゃないか…と、ずっとそういう疑念がひっかかってたんです。


さすがに、うつ病も栄養が関係ある、とまで思っていたわけではなかったのですが、


牡蠣…エキス…なんか元気出た…なんでだろう?


牡蠣…海……海?




そして、時は流れ、鍼灸学校を卒業した年か、その前か、京都大学の野中先生という方のセミナーに出る機会がありました。


Facebookを斜め見していたときに、セミナーの案内があって、ありふれた「鉄」というものが、生命の進化に大きな影響を与え、また現在の私たちが病気になる背景に鉄不足があるというお話でした。




生命活動にが必要不可欠な理由


病気の背景に鉄不足…というキーワード。


それを野中先生は、私たち生命の進化の過程で、鉄というものが組み込まれているんだと説明します。


生命の進化を見ると、海でまず最初の命が生まれ、繁栄します。


原始の地球には、実はほとんど酸素がありませんでした。二酸化炭素と窒素ばかり。


だから地球に初めて生まれた命は、大量にある二酸化炭素と、太陽光線から、生命活動に必要なエネルギーを生み出していたのです。




二酸化炭素と太陽光をただ消費していた生命体が、そのうち、二酸化炭素と太陽光を使って、酸素を出すようになりました。まぁ、うんこみたいなものです。


しかしですね、実のところ、酸素は当時の生命体にとって猛毒でした。例えるなら、PH1の強酸みたいな存在です。


これまで地球になかった猛毒をまき散らかされて、地球にやっと生まれつつあった生態系は自分たちが出したウンコで絶滅しそうになりました。大ピンチ★




一方、良かったこともありました。大気中に酸素が増えたことで、オゾン(オゾンは酸素Oが3つくっついたものです)が生まれました。


原始の地球は、紫外線が大量に降り注いでおり、大地の上に生命が進出しようにも、その紫外線が危険すぎて、進出できずに、海の中に引きこもっていたからです。太陽光線は欲しいし、でも地表は紫外線で超危険だし…というせめぎあいですね。


それが、酸素が増え、オゾン層ができたことで地表に降り注ぐ紫外線が薄くなったことで、生命たちは、地表へ進出することができるようになったのでした。




というわけで、地球にとって、酸素が増えたことでのマイナス面ばかりじゃなかったんですが、…が、それはそれとして、酸素が猛毒だってのは変わらないわけで。





増えすぎ、毒々しすぎの酸素から、地球の生態系を救ったのが、でした。


古代の海には、たくさん鉄があったらしいです。鉄イオンの形で。


その鉄が、海水に溶けている気体の組成が二酸化炭素中心から、酸素中心に切り替わったことで、サビ始めたのです。


サビるというのは、FeにOがくっついて、FeOになるってことです。


海中にあふれていた酸素が、鉄のおかげで減って、毒性が薄れました。


即死級の酸素濃度ではなくなったとはいえ、一時的に減るだけでは根本的な解決とはいえません。なにせ、当時の地球には、二酸化炭素を吸って、酸素を出す生命体が多かったので、いずれまた酸素は増えちゃいます。


じゃあ、ということで、今度は酸素を吸って、二酸化炭素を出す、新型の生命体が生まれました。そしたら酸素からエネルギーを生み出した方が、二酸化炭素からエネルギーを生み出すより、効率が良かったので、酸素を吸う生命が今度はドーンと増えました。さらに、二酸化炭素を吸っていたオールドタイプの生命体も、酸素の毒性への耐久力を身につけました


二酸化炭素を吸うオールドタイプ生命体と、酸素を吸うニュータイプ生命体の比率がいい感じになってきて、やがて地球上で二酸化炭素と酸素がうまいこと「循環」する、サイクルが生まれました。


今でこそ、生態系という言葉が当たり前に使われていますが、原初の地球には生命体自体、数がめちゃくちゃ少なく、生物のバリエーションもめちゃくちゃ乏しいので、「循環」という概念がなかった。そこに初めて、酸素と二酸化炭素の「循環」が生まれたのです。





私たちは、身体の中に古代の海を維持している


ところで、私たち含め生物の細胞液って、組成が海水に似ている、それも古代の海水に近いと言われています。


最初にサラッと、原初の海には鉄が多かったと書きましたが、その鉄は「鉄イオン」という形で、海水に溶けていたんです。古代の海はめちゃくちゃ鉄イオンが多かった。その海を取り込んだ私たちの細胞。細胞を満たす細胞液も、現在の海とは違って、めちゃくちゃ鉄の濃度が濃いんです。ようは、古代の海を、私たちは身体の中に持っているのです。だから私たちの細胞液の中にある鉄も、「鉄イオン」という形で存在しています。




現在の海は塩っ辛いです。


私たちの血液は塩辛くもありますが、鉄の味もします。塩辛さの源はご存じ、NaClです。塩化ナトリウム。塩。Naはナトリウムっちゅーやつで、Clは塩化物イオンです。NaClは、今も海に大量に溶け込んでいますが、古代も海に大量に溶け込んでいたのでしょう。


そして、塩は、「敵に塩を送る」という故事があるように、生命の維持に必須です。




スポーツをするとき飲む、スポドリ、スポーツドリンク。あれも塩が溶けています。運動するときや、野外で汗をかくとき、塩をとらないと最悪死ぬ、と私たちは思っています。知っています。


でも、塩と同じくらい、鉄が命にかかわることを十分理解してません。


なぜなら、食べ物で鉄味のものなんかないからです(あえていうならレバーとか?)


塩の摂り方は分かっても、鉄の摂り方はピンとこないからです。




でも、鉄不足は、塩不足に匹敵します。


夏場、体育館で運動していて、倒れる子いたでしょう?


スポーツしてるくらいだから、元気な子です。


彼らが倒れた原因こそ、鉄不足。貧血なのです。


私たちの汗の原料は血液。その血液の主成分は鉄。


汗をかくことは、鉄を失うのと一緒だから。





私たちは鉄を何から摂っているか?


さて、野中先生に話を戻します。


さっき、二酸化炭素と酸素の循環の話をしましたが、鉄は、地球上のほとんどの生命が、活動を維持するために必須のものです。


それは動物も、植物も、なんです。


で、海には鉄がイオンという形であったけど、地上には、鉄は鉱物として存在してたんですね。


で、実は、鉄は、海と大地の間で、「循環」してるんです。




あたりまえですが、植物も生命体ですわ。


答えを言うと、植物が地中の鉱物としての鉄を取り入れ、私たちは、「食物連鎖」経由で鉄を摂っているのです。


ほうれん草・・・には鉄が豊富って思ってますよね?


ほうれん草とか、畑で栽培されているような植物は、私らが思うほど、鉄をたくさん持ってません。


でも、バジルとかのハーブ類はめちゃ持ってます。


原種とか、野生に近いワイルドな植物ほど、鉄を地中からゲットする力が強いです。


何年も耕作を繰り返して畑や田んぼには、すでに鉄がほとんどない。吸われまくってカスッカスになった畑でとれた野菜が、鉄持ってるわけないです。





鉄は森からやってくる


今みたいに、畑を野菜を作る工場のように、カスッカスに使い切る時代は、まだここ100年ちょっとの話です。


その前は、そうじゃなかった。


植物が、地中の鉄を吸いあげて、自分の生命活動に使い、それを草食動物が食べ、生体濃縮し、さらに肉食動物、人間に鉄が回ってきます。


そして、動物が死んで、分解の過程に入り、ミミズや菌類や、小虫やなんやが食べて、鉄はふたたび、大地に戻ります。


それをまた植物が吸収して…。




昔の田んぼや畑は、ため池なんかに水をためて、それを使っていたんですが、そのため池に流れ込むのは、雨だけじゃなかったんです。


森の水が流れ込んでいた。


そして、森の水には、落葉樹の葉っぱが溶けていたんですね。





鉄茶の話


私はお茶に鉄卵を入れて、溶けだした鉄をお茶ごと飲んでいるんですけど、これは森の水と同じことをやってるんです。


植物が大地から鉄をとりこむ。


木が枯れる、枝が落ちる、また落葉樹なら葉っぱが落ちる。


木の細胞には鉄が溶け込んでいます。


私たちの細胞に古代の海があるのと同じように、植物の中にも古代の海がある。古い農業システムでは、森から流れ出る水から濃い鉄を得ることができていたので、お米や野菜から十分な量の鉄を摂ることができていたのです。





フルボ酸鉄とタンニン鉄
 私は8年前から京都市左京区大原で田んぼを借りて、タンニン鉄を利用した農法を実践しています。3年前に新規就農し、現在は田んぼ2反と畑3反を耕しています。
 鉄には、就農以前から関心がありました。前職で日本酒やワインの仕入れの仕事をしていたことと、白ワイン好きが高じて、それに相性のよいカキの産地巡りを始めました。知識を深めたいと出会った本が、「森は海の恋人」運動で有名な畠山重篤さんの『牡蠣礼讃』(文藝春秋)。森(広葉樹林)の水が運ぶミネラル分が海中のプランクトンを育成しカキをおいしく育てる。なかでも重要なミネラルが、腐葉土に含まれるフルボ酸と反応した鉄分であると述べられています。
 そして2011年に京都市内で開かれたある講演会で、偶然隣の席に座った京都大学の野中鉄也氏(104ページ)との雑談のなかから、タンニン鉄もまた同じ仕組みで発生することを教わりました。お茶に浸かった鉄釘は、数分もあれば溶け出します。最初、黒いモヤモヤしたものが現われて、やがてお茶が真っ黒になります。この真っ黒の正体がタンニン鉄、つまり、森(広葉樹林)の力そのものです。
 広葉樹の腐葉土に含まれるタンニン(ポリフェノール)が地中の鉄分と反応し、動植物に吸収されやすい形(タンニン鉄)となって沢に流れ込み、すべての生物の活力となるというのが野中氏の考察です。私はフルボ酸鉄によるミネラル循環を肯定していますが、それにも増して野中氏のタンニン鉄説に魅力を感じました。(月刊 現代農業 2019年10月号より) https://www.ruralnet.or.jp/gn/201910/gung.htm


この記事の中にある野中先生という方が、私に鉄茶をおしえてくださった方です。




しかし、昔と現在では、色んな事が変わってしまいました。


私たちの中の古代の海は、今の海のように、鉄が減ってしまっているのです。


一つ一つの細胞で10%鉄が薄くなったとしたら、それが20兆個全部で薄くなったとしたら?


そりゃ、不健康になっても当たり前なのです。


貧血も、運動で一気に汗をかいておこるのと、世代を重ねるにつれて、少しずつ起こるのとでは、話が違います。


私たちは、慢性の貧血が、「あたりまえ」になってしまったのです。




それが、ひいては、発達障害の増加や、うつ病のような精神疾患の増加にも、関わっていると考えています。


全体としての栄養状態は、たとえばカロリーなんかは十分足りていますが、鉄だけ、じわじわ減って、だれもが貧血になっている。


畑の野菜、コメは、「貧血」の野菜、コメです。


貧血の野菜を食べる私たちも貧血になるのは必定。


鉄茶は、必要最小限の、貧血対策です。




「何かの栄養が、自分には足りてないんじゃないか…命の根本に必要な、何か、特定の…」



私がずっと以前に感じていた疑念は、当たっていました。足りなかった特定の栄養素とは鉄でした。


それだけだったら、鉄サプリを飲みまくっていたと思いますが、野中先生のおかげで、タンニン鉄を鉄茶で取り入れるという方法を知ることができました。


牡蠣サプリの不思議な効果も、腑に落ちてしまいました。




「鉄剤はお茶と一緒に飲んではいけない」といわれていましたが、日本には南部鉄の鉄瓶というものがあり、鉄とお茶を同時に摂る習慣は、今にはじまったことではないのです。


ちなみに、南部鉄器で淹れたお茶に含まれる鉄は二価鉄です。


鉄分には大きく分けて2種類の鉄があります。「二価鉄(ヘム鉄) / Fe2+」と「三価鉄(非ヘム鉄) / Fe3+」という鉄で、二価鉄は三価鉄に比べて5~6倍も身体に吸収されやすい鉄です。二価鉄は動物性の食品に多く摂取するとそのまま吸収されるのに対して、三価鉄は植物製の食品に多く含まれ吸収されるにはビタミンCや消化酵素によって二価鉄に還元されてから体内へ吸収されます。南部鉄器は溶出する鉄分の内80~95%が吸収されやすい二価鉄となっており、継続的な使用で貧血予防・改善に効果があることが明らかになっています。(引用元)https://kitchengoods-yanagiya.com/nanbutekki/characteristic/tetsubunhokyu.html

ちなみに、鉄茶にビタミンCの粉末を入れて飲むと、くそまずいですが、飲んでから元気が出る具合は「ヤバイ」の一言です。


ハイになるとかではないのですが、怖いくらい元気になります。


くそまずいのだけが、問題です。




(参考)

https://www.natureasia.com/ja-jp/nmicrobiol/pr-highlights/10806


https://www.zaikei.co.jp/article/20211207/650634.html


http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/magazine/061/mgzn06110.html

 

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PROFILE

山崎 美穂 やまさきみほ

鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)


大阪の女性鍼灸師


子どもの頃、仕事と主婦業で忙しい母親を見て、「忙しくても通い続けられる治療院があったらな」と思ったのが、開院の動機です。


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発行者 はりきゅう和-nagomi- やまさき みほ 〒540-0004 大阪市中央区玉造2-16-18

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