胃酸が出にくい状態(低胃酸)が続くと、
▼ ミネラルが吸収できない
▼ タンパク質が分解できない
▼ 血液が酸性化する
必要な栄養が吸収できず、血液が酸性になってしまうといことです。
低胃酸の問題
胃酸が多い、胃酸過多というのはよく聞きますが、逆に、胃酸が少ない、胃酸の分泌が不十分な「低胃酸」にも問題があります。
胃の仕事はなんでしょう?
大雑把に二つあります。
食べ物の「貯蔵」と、(主に)タンパク質の消化です。
食べ物の貯蔵
私たちは一日に数回、食事をします。
小鳥は、一日中、ものを食べています。
私たちが一日に数回の食事で済ませられる理由が、胃です。
胃に食べ物を貯めこむことで、「少しずつ消化」し、エネルギーに変えるということが「可能」になったから、
遊んだり、仕事をしたり、子育てをするための、時間をつくれているのです。
もし、胃がなかったら、いきなり「低血糖」状態になって、倒れてしまいます。
胃がんなどで、胃を切除した人が起こす、「ダンピング症候群」という現象です。
消化液
消化器は、口から肛門までの一つながりです。
部位によって、産出する消化液が異なることはご存じでしょうか?
口に出る唾。
あれはアミラーゼという消化酵素。
胃は胃液と胃酸が出ます。
胃酸が強酸なのはご存じかと思いますが、あれは「酸」で食物を「腐らせないようにする」「保存液」という意味と、タンパク質という消化しにくいものを消化するという2つの目的(一見矛盾する狙い)があります。
すい臓からは膵液。というのが出ます。
胆のうからは胆汁。
それぞれ、消化できるものが異なります。
ともあれ、胃はタンパク質の消化について、責任を負っています。
強酸を貯えられる強靭さは、他の臓器にはありません。
胃の責任は重い。
英語のGut(ガット。胃袋のこと)…ガッツがある!という言葉は、胃のタフさ=人としての強さというニュアンスですよね。
タンパク質の消化
牛のタンパク質、大豆のタンパク質、豚、鳥、色んなタンパク質があります。
消化によって、タンパク質は、アミノ酸に分解します。
タンパク質のまま、吸収したら、ステーキを食べたら、私の身体の一部が牛に置き換わることになります。
そんなことになったら困るわけです。
タンパク質は小さな分子(分子としてはデカいけど)とはいえ、そこそこ自律的な存在です。
プリオンタンパクが病原菌として働き、狂牛病を引き起こしたように。
ですから、タンパク質が牛由来だろうが、大豆由来だろうが、徹底的に分解(破壊ですね)し、タンパク質としての性質を失わせない限り、私たちの身体は安心して、吸収できない。
そういうことです。
さらに。
タンパク質って、酸性度が高いんです。
未消化のタンパク質を吸収すると、小腸から吸収するわけですが、血液が酸性に汚染されるんです。
血がタンパク質の影響を受けると、酸性になってしまうらしいのです。
また、未消化のタンパク質は、老廃物としても強烈。腸内でガスを発生しますし、腸内環境も悪化します。
ミネラルとビタミンB12
低胃酸の状態になると、もともと吸収しにくいミネラルがさらに吸収されにくくなります。
またビタミンB12は、こんな感じで吸収されるそうで↓↓↓
食品中のビタミンB12はたんぱく質と結合しており、胃の中でたんぱく質が変性・分解されると、遊離のビタミンB12になります。ビタミンB12は補酵素としてたんぱく質や核酸の生合成、アミノ酸や脂肪酸の代謝に関与しています。また、赤血球の成熟に関与し、葉酸とともに骨髄で正常な赤血球をつくります。『健康長寿ネットより』
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-b6.html
ビタミンB12は、胃の中でタンパク質から取り出されるものだから、低胃酸だとちゃんと取り出せないってことのようです。
低胃酸の原因
「貪酸が上がってきた~~~」
食べ過ぎ、飲み過ぎで、胃酸が上がってくる人がいます。
そういう人は、胃酸過多に苦しみ、胃酸を抑える薬を飲んでいたりします。
でも、消化対象が多いから、胃酸が出ているので、胃酸が出るのは正常な反応です。
胃酸を出し過ぎないための正解は、食べ過ぎないことだけです。
低胃酸の原因は、
早食い
ながら食い ←集中力のない人(私)にありがちなこと
ストレス過多
精製した糖質のとりすぎ
タンパク質の不足(消化液や消化酵素の原料も、タンパク質なので、タンパク質が慢性的に不足すると、タンパク質が消化できないという、堂々巡りになる)
胃薬(制酸剤)の常用
ピロリ菌で胃の粘膜が萎縮している
冷たいものを食べ過ぎ・飲みすぎ
鉄や亜鉛、塩分(ようはミネラル)の不足(これまた堂々巡り)
堂々巡りが起こっている場合、必要なのは治療への「根気」です。
薬で安易に解決することに慣れてしまうと、その根気がない(ガッツがない)
あれま、またもや堂々巡りの予感。
ガッツをつけるには、胃が健康じゃないとできないし、胃が健康じゃないと、ガッツも出ない…
どっとはらい。
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PROFILE
山崎 美穂 やまさきみほ
鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)
大阪の女性鍼灸師
子どもの頃、仕事と主婦業で忙しい母親を見て、「忙しくても通い続けられる治療院があったらな」と思ったのが、開院の動機です。
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