当たり前ですけど、私と同居人のあきやまさんは、赤の他人。夫と奥さんだって、血は繋がっていません。
掃除やなんかももめる原因ですが、一番もめるのが食生活。
私とあきやまさんとで、必要とする栄養が、大きく異なっている可能性が高いのです。
この話には元ネタがあって、それが、日本の分子栄養学の草分け、言い出しっぺでもある、故三石巌先生。
三石先生は元々物理系の科学者、大学教授で、栄養も健康も専門外でした。
その三石先生が、栄養学に目覚めたきっかけが、ご自身の白内障。
白内障には、「ビタミンC」(←私が大好きで、やたらグイグイ押してるやつですね)と関係が深いということを知った三石先生は、
「結婚して××年、妻と同じものを食べていたはずなのに、妻は白内障にならず、私はなった。もしや、遺伝子的に、自分は、妻よりビタミンCを多く必要とする身体で、妻はそうではなかったということではないか?」
今日の記事の内容は、この三石先生の発見に尽きます。
夫婦と言っても、遺伝子は一緒じゃない(当たり前だ。一緒だった方が問題だ)
必要とする栄養は、夫婦で全く違う。
家族の伝統を愛する人には受け入れがたいことかもしれませんが、夫婦で同じものを何十年と食べていたら、夫婦のどちらかが病気になることは、必然なのです。
世に似たもの夫婦はいますが、性格や嗜好が一致している夫婦もいれば、まったく真逆だから惹かれあって結婚した夫婦もいます。
違いがあることを否定したって始まりません。違いがあることを認め合って、仲良く暮らすために、何ができるか、です。
奥さんが、「これ美味しいわよ」と、ご馳走を作っても、ご主人の体質に合わなければ、ご主人は、奥さんに隠れて、こっそり何か別のものを食べるようになります。
奥さんがスリムなのに、ご主人が太っている夫婦を見れば、ご主人の隠れ食いは明らかです。
コロナ禍で、リモートワークになり、夫婦で三食同じものを食べるようになってから、夫婦仲が悪化したのであれば、その原因はもしかしたら、ご主人の生活に隠れ食いの余地がなくなったことかもしれません。
栄養失調になれば、人はイライラします。
友人とルームシェアをはじめて、私の食の嗜好を叱られるようになって、「あ、そういうことか」と私、腑に落ちました。
唯一無二の正しい食事なんてものはありません。
道産子のあきやまさんと、漁村の血を色濃く3/4も受け継ぐ私とでは、身体が求めるタンパク質量が全然違う。(身体が求めるアルコールの量も違う)
「伝統的な家庭料理なのだから正しい」とか、
「栄養士が書いた料理の本に載っていたから栄養的に完璧だ」とかはありません。
一人ずつ、必要とする栄養素は違います。
「当たり前」を疑うのは難しいです。
とくに食生活という「習慣」は、親から引き継いでいるものなので。
でも、あなたの「当たり前」を、遺伝子が違う他のだれかに押し付けると、不仲の元になることは知っていてください。
例えれば、自分が書けている眼鏡が良いからと、人にもこれをかけろ、これで物を見てみろ、とは言わないでしょう?
近視の具合も、乱視の程度も、人それぞれですから。
人それぞれに、必要な眼鏡が違うように、人一人ずつ、必要な栄養は違うんです。
夫婦も違うし、親子も違います。
血がつながってるからと言って、遺伝子レベルで同じになることはありません。
遺伝子的に身体が求める栄養は、食べると、本人にとって、と~っても美味しく感じられる!という特徴があります。
ラーメン大好きなご主人は、普段のおうちの食事で、必要な油脂が摂れてないかもしれません。
チョコばかり食べているお嬢さんは、貧血。鉄が少ないし、たぶんマグネシウムなんかも足りてないでしょうね。調理に使うお塩を天然塩に変え、レバーも食べさせないと、生理痛が重くなるでしょう。
人の身体は食べたもので出来ている、とはいっても、食べたものに合わせて、そうそう都合よく、身体は変わってくれたりしません。
摂るべき栄養を満足に与えられなかった場合、その先に待っているのは、何らかの不調、発病です。
食生活という当たり前を疑うことは、簡単ではありません。
でも、大切な人のために、一度、食生活を根本から見直されることを、お勧めします。
まずはご来院ください。
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PROFILE
山崎 美穂 やまさきみほ
鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)
大阪の女性鍼灸師
子どもの頃、仕事と主婦業で忙しい母親を見て、「忙しくても通い続けられる治療院があったらな」と思ったのが、開院の動機です。
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