当院の治療の基本形は、この「みやこ式」標準治療です。
これまで、「標準治療」とだけ、ホームページには記載していたものです。
私は、この治療法を、師匠から教えていただき、師匠の型を基本として、私が工夫したものです。(具体的には、師匠から教えていただいたみやこ式標準治療に、掃骨療法を混ぜて使っています)
不詳の弟子としては、師匠の名前をつけて、こう呼ぶことに抵抗があり、これまで、ただ「標準治療」と呼んできました。
これまでの「標準治療」と同じものですが、詳しく解説するのも初めてですので、良かったら記事を読んでみてください。
この治療法は、「疲労」を解消するという目的で、師匠が作り出したもので、全身の状態を整える、鍼灸治療の基本の「型」のような治療法です。
【目次】
1.疲れの発生
2.疲れの原因
3.みやこ式標準治療の考え方
4.肩甲骨と鎖骨にコリは堆積しやすい
5.コリは濡れた和紙に似ている
6.疲労感はどう説明できる?
7.蓄積とは何?
1.疲れの発生
仕事に、家事に、育児といった、日常生活での、疲れは、一回のできごとの、何か原因のある疲れではなく、「蓄積した疲れ」「不快な疲れ」です。
スポーツでの疲れは、休むことで解消しますが、こういった疲れは、繰り返される動き、継続的な姿勢で作られたコリから発生します。
コリからくる疲れが、休むことで解消することは「ありません」
この場合は、鍼灸治療など、外部からの働きかけで、コリを取り除く必要があります。
コリを取り外しが効くもののように書いていますが、コリは、実際「物理的」な「実態を持った」存在で、「疲労感」のような「感覚」が起こす錯覚ではありません。
たとえるなら、歯垢です。
コリも、歯垢同様、ほっておいて消えるものではありません。歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなど、直接歯垢にアタックして取り除くのが一番です。
皮膚の上からこするしかない手技療法や、機械(電気など)と、鍼灸が大きく異なるところが、直接コリに障れるというところです。
2.疲れの原因
疲労は、蓄積したコリという実体のあるものが原因で、引き起こされます。
このコリに対して、鍼灸が著効するのは間違いありません。
そして、疲労の場合、全身にコリがこびりついているのですが、特に重点的についている部位があります。
みやこ式標準治療では、治療の最初は首からです。
首の付け根ではなく、頭の側です。
頭から首に移行するところ。
丁寧に、慎重に、後頭部にくっついているコリ「を」刺します。
そのコリそのものに見事鍼が命中した時に生じる感覚を、「響き」と総称します。
「響き」にはそのコリの持っている性質により、さまざまなバリエーションがありますが、響きについての説明は、長くなりますのでまた別稿で。
ちなみに、ですが、
コリが、はなはだしい場合は、石灰のようなものが、後頭部の骨にへばりついてます。
その段階まで来てる人は、痛みも辛さも、マヒして感じなくなってる人が多くて、「肩こらないんです」と言ってたりしますが、その分、疲労に悩んでます。
あなたもそうかもしれませんね。
3.みやこ式標準治療の考え方
なぜ、首から治療するかというと、疲労は、脳が感じるものだからです。
コリの総量が首に多いということではなく、脳により近いところにあるコリの方が、体感的に辛く感じるものなのです。
だから最初に、首肩のコリをとります。
みやこ式は、疲労について、脳を中心に据えた考え方をします。
疲れているのに、寝れないという方もいます。そういう場合、脳は、かなり疲れています。疲れすぎて興奮しています。
寝ることは、疲労解消に絶対必要なのに、眠れないので困ります。ですから、「みやこ式標準治療」で、最初に取り掛かるべきは首なのです。
そういうことまで考えて、首から治療する「みやこ式」は、過去の多くの鍼灸師の知見を取り入れ、練り上げられた治療法なのです。
脳を重視するからこそ、続いては、肩です。
脳につながる、首や肩が、がちがちだと、脳に酸素が行きません。
疲れも回復しないし、脳の、興奮も、なかなか落ち着いてくれません。
興奮がさめにくいことで、なおさら休めないという、負のサイクルです。
治療家の、素人とプロを見分ける一つのポイントが首の治療。
素人は、首をいらうこと、できません。
医療事故が起きやすいポイントですから。
マッサージで首をやられたとかで、裁判になることは少なくありません。
そうと知らずに無資格者の施術、受けてませんか?施術者の資格は、確認するようにしてください。
首も、後頭部と並んで丁寧に治療します。
危険な部位ですから。
細い鍼で慎重に、です。
首は、結果を焦って、一回でコリをとりきろうとしてはいけないところです。
頭と首は、回数をかけて治した方がいいポイント。
首と同様にリスクが高いのが肩です。
肺があるからです。
4.肩甲骨と鎖骨にコリは堆積しやすい
肩甲骨から背中、そして、鎖骨から胸あたりには、その方の抱えるストレスが強く現れてます。その見方を知らない人が多いので、気づかれてさえいないことが多いですが。
コリが、岩にはりついた牡蠣みたいに、 びっしりこびりついています。この辺りは、こびりつきやすいポイントです。
その岩にこびりついた牡蠣…コリを引っぺがすために私が使う技は大きく3つですが、それは3つの手法があるというだけで、狙いは、どれも同じことです。
今回は、このうち「みやこ式」について詳しく書いていますが、三つともに狙いは同じ、やり方が少しずつ違うし、得意とするポイントが違うだけです。(だから3つ必要なのだとも言えます)
いずれも、コリという、牡蠣を引っぺがす技法です。
どういう違いがあるのかということについても、長くなりすぎますので、また別稿で。
5.コリは濡れた和紙に似ている
コリとは、
言ってしまえば、「濡れた和紙」
です。
濡れた紙同士が張り付いているのに、衝撃を与えたら剥がれるでしょうか?
剥がれません。
剥がれるとしても、「剥がしやすいところが剥がれるだけ」
剥がれてほしいところが、ジャストそこ!ってとこが剥がれるとは、限りません。
たまたま剥がれたなら、それで良しですが、
鍼灸は、剥がれてほしい「深部」を狙ってはがしに行く。
口で言うほど簡単なことではありません。解剖学をわかっていないと危険ですし、手先の感覚と経験が頼りです。鍼を「刺す」のは、伊達じゃありません。鍼灸は、東洋医学の外科部門ですから。
「蓄積した疲れ」は、蓄積した、張り付いた、濡れた和紙。
そこを引っぺがさない限り、根治とはいかないのです。
よく「根本治療」ということをおっしゃる人がいますが、根本治療という言葉が具体的に何を説明しているのか、ぼんやりしていることがあります。
疲労についての根本治療は、疲労感を引き起こすコリを、ひき剥がすことです。
疲れをとるっていうのは、表面的な疲れなら、「自分でとる」こともできますし、マッサージや、運動、ストレッチなんかも効果があります。
でも、あなたが困るほどの疲れが、スポーツや、ストレッチ程度で、とれる疲れでしょうか?
「そんな軽い疲れなわけがない」ですよね。
大の大人が、取扱いに困るほどの疲れは、軽いはずありません。
コリとは、人生の重みですし、その人の本性、その人の習慣、その人の姿勢によって生じたものです。
6.疲労感はどう説明できるでしょうか
濡れた和紙(コリ)が、濡れて張り付いていると、その間を、酸素が通らなくなります。(栄養など、もろもろも含めて)
そうすると、細胞は酸欠になります。
細胞も一つや二つではなく、万とか、億とかの細胞の酸欠だから、大変なのです。
逆に、全部のコリが取れなくても、半分の細胞にでも、酸素が行くようになれば、急速に回復してきます。
「疲れ」とは、酸欠状態なのに、何万もの細胞が、無理して働いているって、ことなのです。
リソース不足なのに、細胞、無理して働いている。
ですから、疲れる人は、何もしてなくても疲れます。
7.蓄積とは何でしょう?
濡れた和紙がくっつくことを、「癒着」というんですが、一か所が癒着すると、その周りも、動きが減るから、周囲にも癒着が広がります。
それが、「蓄積」
腐ったミカンではありませんが、コリは周りに悪い影響を与えてしまうのです。
コリができた場所が悪いと、つまりそれが脳に近い場所だと、特に疲れは大きいです。
先ほども書きましたが、コリはこびりつきです。ほっといて治るということは、ありません。
脳が、疲労の、あまりの辛さに、五感をマヒさせて、分からなくなってることすらあります。(人間はすごいです。生命の不思議です)
だから、鍼灸治療に来てください。
あなたが、疲れてないはずがないのに、疲れを感じていないなら、疲れを感じる身体になるのが正常なのです。
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PROFILE
山崎 美穂 やまさきみほ
鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)
大阪の女性鍼灸師
子どもの頃、仕事と主婦業で忙しい母親を見て、「忙しくても通い続けられる治療院があったらな」と思ったのが、開院の動機です。
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