日経新聞に載ったタンパク質の記事の、そのタイトルが衝撃的で皆さんに紹介したいのですが、
『日本人のたんぱく質摂取量、1950年代並みに悪化』
記事は日経電子版、今年2023年の2月9日です。著者は、東北大学名誉教授にして、山形県立保健医療大学理事長・学長の上月正博氏。日経の記事は、どういったニュースなのでしょうか? 驚いて、思わず日経購読に申し込みましたわ。続き読むために。
1950年代といえば、私の親の世代。45年が終戦の年ですから、それからたった5年。まだまだ発展途上だった日本。そんな時代と同じくらいしか、令和の私たちはタンパク質を摂っていない!ということが、この記事の主題です。
コンビニに行けば、BASEや一本満足バーなど、タンパク質●グラム!を謳った商品があれだけ並んでいるこの令和に、タンパク質不足が1950年代並みなんて、悪い冗談かと。
記事の内容ですが、一日当たりのタンパク質の摂取量の推移がグラフで掲載されていますが、1946年ごろが一日平均60gくらい。
ぐいぐい右肩上がりするんですが、2000年くらいから今度は急激に下がっていき、2010年からまた微増。
ピークは1995年ごろで、一日平均80gくらいということが分かるグラフが掲載されています。
ちなみに、18歳以上のタンパク質摂取の「推奨量」というのが、女性50g、男性65g 。
しかしこれは、上月氏によると 「推奨量は、欠乏によって病気にならない最低限の目安」でしかないと。
理想的な摂取量を示す「目標値」というのが別にあり、それは、 50~64歳(えらい高齢ですね…日経読者の年齢層?)、デスクワークであんまり動かない普通の男性で、91~130gなんです。
中高年男性で90グラムなら、成長期男子は???
私はこのニュースを読んで、(私もなった)「うつ病の患者が増えている理由」と、「日本人の身長が逆に縮んでいる理由」に納得しました。
おそらく、タンパク質の摂取量の減りと、この二つには相関関係が、あります。
私たちは、誰もが「ふつ~」の食生活を送っている、つもりで生きています。
これほど、景気が悪くなっても、日本人のほとんどが「自分は中くらい」と中流意識が根付いている、そういう調査があるくらい、私たちは、「自分が基準」「自分が普通」「自分が万物の測り」なので、別に不思議はないのですが、
おかげで、私が栄養の話を患者さんにしても、真剣に耳を傾けてくれる方は十人に一人くらいです。
しかし、私たちの食生活は、果たして「普通」でもなければ、「正常」でもありません。
タンパク質摂取不足は、一部の貧困家庭固有のの問題なのではなく、「栄養くらい、とれてるし」という無自覚さに原因があるからです。
確かに先ほどの話は「平均値」でしかありませんが、1995年から2010年までのグラフの谷の時期、阪神淡路大震災が1995年。それから一連のオウム真理教事件、リーマンショックという激動の時期と重なっているということに意味がないとは思えません。
ようは、「社会」からの影響をモロに受けて、私たちの食生活は知らず知らずのうちにタンパク質不足になっていた可能性が高いのです。
なぜ「今さら」「栄養なんか」について、なぜ勉強しなきゃいけないのか? この記事が、食生活を顧みるきっかけになればうれしいです。
タンパク質の主な働きは3つ。
さて、ここから先は、記事の内容に対する私なりの解説です。
タンパク質がなぜ必要か?それは、
・エネルギー源となる
・体の組織の材料となる
・体の機能調節や恒常性維持
3つ目がちょっとわかりにくいのですが、これは、消化液やホルモン、赤血球や白血球なども、材料はタンパク質なんだ、という意味です。
私たちが好む、お米やうどん、ラーメンといった炭水化物はエネルギー源と言いう仕事しかしてないことに比べ、タンパク質はかけがえのない大事な役目があって、タンパク質が不足することが、命と健康に深く係わるんだとわかります。
タンパク質は体内にためておくことができません。だから、毎食しっかり摂取する必要がある栄養素です。
意識的に摂らないと、不足することがあり得る栄養素なのです。この意味で、タンパク質は三大栄養素と呼ばれる炭水化物や脂質より、ビタミンやミネラルに近い栄養なのです。
体の中には約10万種類のタンパク質があると言われています。どのタンパク質も、全20種類のアミノ酸の組み合わせす。
食べ物は、消化で分解され、小腸で吸収。それから血流に乗って、肝臓で保管されます。
アミノ酸という形で肝臓の中で、色々組み替えられて、全身に、これまた血流にのっけて送られる。
で、細胞がそれをいただいて、自分の分身を作ったりする。
ただ、血流ってものは、ヤ◎ト運輸ほど、確実な運搬じゃありません。
かなり運の要素があって、 運よく、ちょうど血管の出口に位置する細胞は、栄養たくさんゲットできますが、ちょっと血管から離れてる細胞は、栄養が十分届かないとか、そういうことがありえるのです。
というわけで、タンパク質(アミノ酸)は、常に決してあり余ってるってことは、、、ないのです。とくに、「特定のタンパク質が作られない」「ゆえに、それが慢性的に不足」することがありえます。
その作られない、慢性的に不足気味のタンパク質が、あなたの健康上の「弱点」です。目が弱い、耳が弱い、ある臓器の働きが弱い、そういう体質があるでしょう?体質とは、一部のタンパク質が、作られにくいってことです。
もう一度、先ほどのグラフに話を戻します。
第二次ベビーブームの、私たちロスジェネ世代が子どもの頃1975年ごろ、一回ピークを迎え、だいたい同じくらいで推移し、1995年に81.5g。これが一番多いとき。
それからジェットコースターのように減ります。
2019年が71.4gで、これは1950年代の水準。
もちろん、この背景には、急激に進んだ高齢化の影響もありそうです。しかし、高齢になったら、なぜタンパク質を摂らなくなるんでしょうか?ちょっとずつ摂らなくなり、最終的には全然といっていいほど食べなくなる。
「なんで、そんなに減ってんの?」 って話ですが、それは、タンパク質の重要性が、ぜんぜん、理解されてないってのが一番大きいです。
最近は、「高齢者ほど、肉を食べたほうがいい」といわれていますが、その理由は、「骨粗しょう症」
骨粗しょう症とは、カルシウム+タンパク質不足です。
知識がないせいで、高齢者が意識してタンパク質を摂ってないわけです。
うちの母(団塊の世代)も、こないだ、昆虫食のこと「カルシウム不足を補うためかと思ってた」と言ってましたが、タンパク質不足が深刻な問題だという認知がないんです。
テレビニュースが自分ごとと結びつかない…ってのは、よくあります。センセーション煽るだけで、視聴者にとって、「自分ごと」になるように伝えてくれてないなと、私も思います。
でも、家庭科の授業…受けてますよね? 親の世代はともかくとして、なぜ、団塊ジュニアも知らないの?わかってないの?
学校が教えてくれないなら、自分で勉強するっきゃないでしょ!!
いつやるの?「いまでしょ?」
紛らわしい「推奨量」という言葉
タンパク質摂取の「推奨量」
男性 65g
女性 50g
この推奨量、厚労省の使ってる用語ですが、これがすっごく、だまされやすい!
推奨量は、「なんとか死なずにいられる量」で全然、こんな量じゃダメです。
病気になるか、ならんかギリギリの量だからです。
もう一つ「目標値」というのがあります。
この「目標量」が摂るべき量ですが、計算が大変です。なぜなら、「摂取カロリーの●●%」という計算が必要だから。
例えば、私。47歳女だと、13~20%摂らなきゃいけないことになってます。
一日の摂取カロリーが仮に2000kcalだとして、そのうち20%…400kcal…これからカロリーをグラムに計算しなおすと、タンパク質は1gあたり4kcalなので、グラムだと100gですね。
私、パーソナルトレーナーに言われて、すっごいがんばって、コンビニをめっちゃ駆使して、毎日サラダチキンとオイコスとプロテイン飲んで、やっと100gです。 大食いの私でも100g、タンパク質摂るのは大変なんです。
まとめると、47歳女性のタンパク質の目標量は、100gだってことです。
あなた、毎日100gのタンパク質を摂れますか?(金もかかるけど)
上のグラフにはとても、とても良くないところがあります。
30ー39歳、男性、女性とグラフを右に見ていくと、13-20(50)と書いてある。 グラフをしっかり読めば、この(50)というのが、「推奨量」だってことが分かりますが、計算が苦手な人は、「50g、タンパク質とればよいんじゃん?」って勘違いさせませんか?
100gが目標値で、50gは推奨量!
「推奨量は、欠乏によって病気にならない最低限の目安です。 日本人の食事摂取基準でも、良好な栄養状態を維持するのに十分な量を示す『目標値』は、例えば50〜64歳、デスクワークで身体活動量が普通の男性なら91〜130グラムですから、平均摂取量程度では足りないわけです」(日経新聞、記事の著者上月氏)
一回コンビニ行って、タンパク質100g摂るために必要な食材、買ってみて下さい。 たぶん、買い物袋がいっぱいになります。
「こんなに食べれないよ!?」ってなりますから!!
しかも、一日じゃなく、それが「毎日」です。 プロテインをみんなに勧めなきゃいけない理由、そろそろわかってもらえませんか? 雑穀、フルーツ食べてる場合じゃないんです(涙)
タンパク質は貯めておけない
タンパク質は、体の中に貯めておけない栄養素です。
だから、一日3食食事するってのは、別にGHQの陰謀とかではないと思いますよ。
戦前は2回だったとかいう人がいますが、それはそれで別の事情があったはずです。
タンパク質は貯めておけないから、十分摂取するには、食事はこまめに摂った方がいいのです。
つか、そもそも、どう考えてもタンパク質は不足しているし。
たとえば、夕食だけで目標量の100gのタンパク質を摂ろうと思ったら、どれくらいのデカさのステーキを食べなきゃならないか、計算してみましょう。
牛かた肉、100gで、タンパク質は20.2g。
ってことは、5倍食べないと、タンパク質100gは摂れないですね。
夕飯だけで、タンパク質を100g取ろうと思ったら、ステーキ500gのを食べる必要があります。
ほとんどの人が、食べても150g-300gです。
ステーキは、金もかかるけど、量的にも「無理」でしょ?
しかも、貯めておけないんで、すぐ筋肉にするなりなんなりしないと、もったいないことになります。
夕飯にステーキ500gとった後、大阪城公園2周して、筋トレします?
無理ですね。
だから一日3食、3回以上にわけて、タンパク質は小分けにして摂らなきゃいけないんです。
栄養学は進歩している
栄養学はここ数十年とても進歩しています。
WBCで大活躍した大谷選手の食生活が注目されていますが、スポーツ競技の振興、プロスポーツの隆盛、そう言った影響を受けて、「どうすればもっとアスリートが活躍できるか?」という観点もあり、スポーツ医学の一部として栄養学が研究されたということもあります。
ところが、栄養学が進歩したにもかかわらず、日本国内では、それはあくまで大谷選手のようなアスリート「だけ」、ボディビルダーのような「特殊な人」だけがするものという扱いで、一般の私たちの栄養に関する知識は、低いままでした。
最近でこそ、コンビニにさまざまな栄養機能食品や、プロテインバーが場を占めるようになってきて、少し変化してきましたが、栄養学の深化に置いて行かれた世代は、さまざまな身体の不調に苦しみ続けています。
私は、それを変えていきたい。
私自身がカロリー過多の栄養不足で、そのためにうつ病になった経験から、そう考えるのです。
当院の鍼灸と栄養療法(メガビタミン療法)は、きっとあなたにとって、健康づくりの一番の味方になれると思います。
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栄養療法について、毎日記事を書いています。通知が多すぎるかもしれませんので、調整してください。ご予約や、質問、記事への感想も当院公式LINEにて承らせていただきます。
お目をとめていただき、ありがとうございました。
PROFILE
山崎 美穂 やまさきみほ
鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)
大阪の女性鍼灸師
子どもの頃、仕事と主婦業で忙しい母親を見て、「忙しくても通い続けられる治療院があったらな」と思ったのが、開院の動機です。
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