昔でいうなら、元服の儀
今でいうなら、成人式
人生には何度も節目がある。
そして、節目には、「習慣」を見直した方がいい。
とくに、食事。
誰もが、子どもの頃は、親御さんから
「与えられたものを食べている」
状態です。
成長していくにつれ、自分で選んだものを作ったり、買ったりして食べるようになります。
でも、好きなものを食べることが増える一方、食について、知識をリニューアルする機会がないのが実情。そして、気づけば、ずいぶん歪んだ食生活に、なっちゃっています。
昔、家庭科の授業で聞いたような
テレビ番組で言っていたような
親の真似の
ばあちゃんがうるさく言っていたような
そんな「あいまいな知識」で、食べるものを選んでしまっていませんか?
よく、テレビCMなんかで、ざるに山盛りの野菜が出てきて、
「一日にこれだけの野菜が必要!」
とやっていますが、
有史以来、誰がそんなに野菜ばっかり、大量に食べられていたでしょうか?
それに、そんなに色んな種類の野菜、買うのも大変。季節によって、摂れる野菜も、野菜に含まれる栄養も、違うはずなのに。
「痩せたい~~」
「肝臓の数値が~~」
と、食事を考え直すきっかけを得られたなら、
グッドタイミング♪
食事についての知識をリニューアルいたしましょう。
まず、へたにダイエットを頑張っては
いけません。
取り組むべきは、食生活のリニューアルです。
ここで、古い食についての知識を、リニューアルしましょ。
だって、栄養学って、ここ10年ほどで、長足の進歩を遂げているんです。20何年前の教科書は、古すぎて役に立ちません!(ぽいっ)
代わりにインストールするべき、新しい知識、新しい言葉を覚えてください。
「閾値(しきいち)」
ダイエットがうまくいかない人、
食事を変えるべき人が、一番つまづくのがこれです。
私もつまづいていました。
閾値…とは量です。
すべてのこと、すべてのものに、この「閾値」があります。
たとえば放射線。飛行機に乗っても浴びますが、それで人が死ぬことはありません。
一回飛行機に乗れば受ける、放射線の「量」が、閾値を下回っているからです。
たとえば薬。毒も薄めれば薬になるといいますし、薬も多すぎれば、人が死にます。
ここまでは毒、ここからは薬。この境界になる「ある量」が、閾値です。
私たちは、大抵毎日、何回か食事をします。
一日分の食事の中で、ある栄養素の量が、閾値を上回っているか、下回っているか。そこが、問題です。
食事って、日常の習慣。
しかも日々のスーパーでの買い物から、家に用意してある食器の種類まで係る、古い常識で作り上げた、複雑で強固な習慣。
習慣は、ちょっと変えるのも、すごく難しいです。
それどころか、「習慣」になってるものは、意識することすら難しいんです。
かけっぱなしの眼鏡のようなもので、つけていることを忘れる。
だから「これまでの(自分の)常識」が、閾値を超えることを邪魔してくる。
昔、「三角食べ」というのを習いませんでしたか?
これは、昔は正しかったんです。
食毒とか、植物毒とか、食べ物に微量に入っている毒を中和させるのにも、食べ物の体の中での滞在時間を延ばすのにも、三角食べが役に立ったから。
でも、今は問題の質が変わってしまって、有用とは言えなくなっています。
・食べ物が豊富であること。いつでも食べられるようになったこと。
・食べ物の体の中での滞在時間を短くした方が、健康上有利。
・昔と違って、食べ物の中の栄養素も毒素も、両方薄くなってしまっている。
・現在の野菜には、ほとんど栄養が含まれていないこと。
色んな理由で、今はもうやめた方がいい食べ方ですが、まだそうとは知らない人がほとんどです。
「なんとなく」親からそう聞いてるから、で、自分の子供にも教えたりして。
「お肉だけじゃなく、野菜をもっと食べなきゃ!」
それって本当でしょうか?
あまり栄養が期待できない野菜を、そんなに頑張って食べるの?
閾値に話を戻しますが、閾値は超えないと意味がありません。
みんなタンパク質はゼロではない量摂っています。
みんな野菜を、ビタミンを、油脂を、食物繊維を、ゼロではない量、摂っています。
なにせ、卵には、ビタミンCと食物繊維を除く、全栄養が入ってるそうですから、理論的には、卵とサプリメントで、健康に生きられることにはなるのです。
問題は量です。
たとえば、
卵一個に含まれている、タンパク質の量は、6g。
体重60㎏の人が、一日に必要とするタンパク質量は60g。
あなたは、卵を一日、何個食べられますか?10個いけますか?毎日?
卵だけで、タンパク質を摂れというのは酷ですから、皆さん、他に色んなものを食べて、タンパク質を摂っています。
なにせ、小麦粉にもタンパク質は入っていますから、理論的には、お菓子からでも、タンパク質は摂れるのです。
「わぁ、お菓子大好きだから、私、お菓子ならいくらでも食べられるわ!」
本当に?
お菓子ばかり、10キロ、20キロ、食べていいからと食べ続けられますか?
10袋だって厳しい。
お菓子一袋に入ってるたんぱく質の量なんて、微々たるものです。
ぼんやりしたイメージでは駄目なのです。
「お菓子ならたくさん食べられる」とはいっても、常識的な量といものがあります。
私たちは10袋のお菓子はイメージできても、10キロのお菓子はイメージできません。
無味無臭、命の母である水にすら、閾値はあります。
一気に摂りすぎると、電解質異常を起こして、人が死んだ例があります。
ちゃんと栄養素単位で、必要な「量」を確認すること。
それが食のリニューアルには、欠かせないのです。
量の見える化、できてますか?
閾値を、超えられていますか?
タンパク質を、一日、60gとれていますか?
あなたが、お菓子を食べてしまう量は、必要な栄養が不足しているからかもしれません。
その不足感が、あなたを大食いに走らせているかもしれません。
まず、あなたの食べているものは何かということと、それに含まれている栄養の「量」を、確認してみてください。(これがこの記事の主旨です)
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PROFILE
山崎 美穂 やまさきみほ
鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)
大阪の女性鍼灸師
子どもの頃、仕事と主婦業で忙しい母親を見て、「忙しくても通い続けられる治療院があったらな」と思ったのが、開院の動機です。
詳しいプロフィールはこちら>
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