ジグソーパズルで遊ぶとき、ピースの山の中から、まず四隅にあたるパーツを探し出しますよね。
まず枠をつくって、内側のピースをはめ込む…これが、ジグソーパズルの「定石」です。
『ヒカルの碁』は読んでましたが、わたし、囲碁はさっぱりわかりません、けど、定石という言葉は、囲碁から来てるそうです。
囲碁にかぎらず、「定石」という言葉は使われます。
問題の解法、コツみたいなものです。
幾つか知っています。
たとえば、迷路を歩くときは、どちらか片方の手を壁について離さなかったら、そのうちゴールにたどり着ける(ことが多い)とか。
将棋だったら、一番最初に動かすコマのパターンを、三つくらい知ってます(←ほとんど知何も分かってない)
逆に、何にも知らない分野ってのは、辛いですよねぇ。
たとえば難しい政治や経済の話は分からない!という人は多いです。
これまた、定石を知らないことが関係しているんだと思うんですよ。
コマの動かし方を知らずに、将棋をやっても、ゲームにならないのと同じ。良いやら悪いやらすら、よくわからない。
見どころとか、楽しみ方とかのポイントが、どの世界にもあるんです。
当然、わたしが専門にしている健康という分野にも、定石はあります。
病気の種類によらず、基本的なところ(定石)は驚くほど同じだったりします。
みなさん、うすうす気が付いているんじゃありませんか…?
病院行ったら、最初はだいたい「ステロイド」か「抗生物質」。それと「胃薬」と「痛み止め」が出てくるなとか。
それで治らなかったりすると、なんか薬の種類だけ変わる、みたいな。
治療パターンがあるでしょう?
「なんか、お医者さんて…あんま頭使ってるように…見えない」と、正直、私も思ったことがあります。
それはある程度マニュアル(パターンを別の角度から言う言い方)があるからです。
整形外科(腕とか、脚とかの異常)の場合、40年前くらい前から、まずレントゲン撮影。
その後場合によってはCTやMRIなどの画像診断があります。
でも、治療としてやることは同じ。
投薬(ステロイドとか痛み止めとか、湿布とか)
安静
ほぼ、それだけです。
最近でこそ、理学療法士さんに回してもらえることが増えましたが、理学療法士さんが、痛めているところを動かしたり、伸ばしたりしてくれる部分を除けば、病院のお医者さんは薬を出すだけ(たまに注射とか、ギプスで固定)です。
予算(保険点数)ありきで、治療が組まれているので、そうなっているんです。
それでも、画像が撮れ、血液検査ができるといった点で、検査力は圧倒的ですから、病院を利用しない手はありません。
最終的には手術という奥の手もありますし。
あなたが、病院の治療に満足できているのであれば、それで問題ありません。
しかし、そうでないなら、勉強して、ちょっと手間をかけても「医療の定石」を学んでおいた方がいい。
じゃないと、ずっと「自分の身体」にたいして、「単なるお客さん」「単なる観衆」として、遠巻きにしているしかなくなるからです。
自分の身体に当事者として係るすべを持つにも、医療の良しあしを判断するにも、あなたには、医療の定石を学んでおいてほしい。
医療の定石
(1)症状をとめる…熱、患部が熱くなる、痛みがあるなどの症状
(2)患部を癒す…なにか問題のある個所には、微細な傷ができていることがある。それを「治癒」させる段階
(3)原因へのアプローチ…五十肩なら石灰が沈着している、骨棘(骨のとげ)が出ているなど。骨が本来の位置からずれていること。筋肉そのものが質的に変わってしまっていることなど、色んな原因がある。
一番難しいのは(3)で、病院では通常(1)まで、やっても(2)まで。
たとえば歩き方に原因があるとか、姿勢が悪いとか、栄養が偏っているとか、筋肉が変性しているとかいった根本原因まで探り出して、変えていく治療までできるところは、病院、治療院でも、ほとんどできるところがない。
そして、どういう結果になるかというと、病気の「再発」です。一度消えた痛みが戻ってくる。痛みは、消えたんであって、治ったわけじゃなかったからです。
先ほどの医療の定石の(3)が、なぜ難しいかというと、理由がこれまた3つありまして、
1.根本原因が何か、特定するのがとてもとてもとても難しい(本人も気づいてないことを、一日中一緒にいるわけでもない医者にわかるわけがない)
2.分かったところで、治すのはとても手間。面倒くさい。商売としては、手離れが悪い!(金銭的にペイしない!)
3.患者さん自身が、(2)まで行くと、「痛くなくなったからいいや」と治療を続ける意思を持てない。
ここまで書いたところで、だれも救われない話ではありますが、まず知っておいていただいた方がいい「定石」(パターン)です。
負けパターンを知れば、勝ちパターンもおのずとわかります。
医者はしっかり技術や知識を学んで身につけ、患者さんへのカウンセリングやコーチングを実践する。
患者さんは、こういうパターンがあることを知って、負けパターンに流れない。
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PROFILE
山崎 美穂 やまさきみほ
鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)
大阪の女性鍼灸師
子どもの頃、仕事と主婦業で忙しい母親を見て、「忙しくても通い続けられる治療院があったらな」と思ったのが、開院の動機です。
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