紹介でいらっしゃった、ある患者さん。
痛いのがとにかく嫌い。怖い。嫌だとおっしゃいます。
紹介なので、「言われたから来た」という気持ちがあるのか、
痛い治療は断固として拒否です。
最初は、鍼灸が効くか効かないすら
半信半疑ということもあり、
「とにかく痛くないようにして!」
と言われまして、
そうしておりました。
ところが、その「痛くない鍼灸治療」が
「悪いことに」よく効いてしまった。
なぜ、それが「悪いこと」なのか、というのが、ここでの問題です。
「農場の法則」というものがあります。
『7つの習慣』という本に書かれているのですが、
こういう内容です。
農場に一夜漬けは通用しない。春に種蒔きを忘れ、夏は遊びたいだけ遊び、秋になってから収穫のために一夜漬けで頑張る。そんなことはありえない。農場は自然のシステムで動いている。必要な務めを果たし、定まった手順を踏まねばならない。種を蒔いたものしか刈り取れない。そこに近道はないのだ。
『完訳 7つの習慣』スティーブン・R・コヴィー著 P13
治療も、農業に似ています。
「決まった手順」があり、それを踏まなくては、結果が得られません。
しかし、農場と違い、不思議にうまくいってしまう「ように見える」ことがあるのです。
地層を思い浮かべてください。
硬い岩の層。砂礫の層。砂の層。粘土の層。
違った性質の層が重なって、色の帯を作っている地層です。
痛みやしびれが、一回の治療で消えてしまったとき、体に何が起こっているでしょうか?
私たち鍼灸師は、体を運営する、様々な働きを総称して、「気」と呼びますので、「気」という言葉をここでも使わせてください。
気の流れは、体という複雑な機構を成り立たせるために、例えば手を動かすためでも、保険として、予備として、複数の「流れ」「道」を用意しています。
一つの道が何かの原因で途切れても、予備の通り道があるのです。常に。
しびれや痛みは、そんな複数ある「気の通り道」の一本が途切れたくらいでは、生じません。生じても、ごく軽くです。
痛みやしびれが、耐えがたいほどに起こっているとき、それは、複数の気の流れが、すでに「複数」途切れてしまっているのです。
その一部でも、元通り通れば、痛みが軽減するのは当たり前。
ゼロよりは、なんでもマシですから。
たった一度の治療で、痛みが取れるというのは、たまたま気のルートの太いところを掘り当てて、回復させることができたということです。
メインのところは通ったので、痛みは消えますが、土砂崩れや土壌汚染といった、本当の原因を元通りにできたわけではありません。
もっと大事なポイントは、ほかの予備ルートがつぶれたままだということ。太い本流がもう一度潰れた時、予備ルートはゼロの状態だってことです。
これって怖いことです。
貯金ゼロになったのに、それに本人が気づいてないのと一緒。
この説明で、怖さが伝わったらいいのですが。
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PROFILE
山崎 美穂 やまさきみほ
鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)
大阪の女性鍼灸師
子どもの頃、仕事と主婦業で忙しい母親を見て、「忙しくても通い続けられる治療院があったらな」と思ったのが、開院の動機です。
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