前の記事に質問が来まして。
「ホエイプロテインはどうなんでしょう?」
「大豆由来のプロテインもあると思いますが、牛乳由来より質が劣るということになるんでしょうか?」
あわてて勉強したんで、それについて書きますね~
誰もが「DNA」って単語は知ってる。
DeNAという会社名も、元ネタはDNAなんだろーなーと思うくらい、DNAはメジャーな言葉だ。
で、DNAには、私たちの身体の設計図、いやそれ以上のもんが書かれている…と、なんとなく、そう思っているわけだ。
しかしDNAには、本でいうなら、3万冊分の情報が書き込まれているというが、タンパク質を合成するためのレシピが書かれていて、生命の設計図とまでいうのは、大げさだという人もいる。
生命じゃなく、あくまでタンパク質の設計図だと思っていた方がいいかもしれない。
逆にいえば、そんだけタンパク質ってもんが、大事だってことを覚えておいてほしい。
私らの身体は、タンパク質からできているんだ、と。
で、そのタンパク質をうまいこと作るために、ビタミンやらミネラルやらは必要なのだ、ってことも。
従来の栄養学では、体重の1000分の1のタンパク質を摂れとは言ってきた。
でもそこに「質」の議論はなかった。
前回も同じこと、太字で書いてたんですが、この記事もここからはじまります。
タンパク質の「質」ってのはなんだ、と。
パンダは笹だけ、コアラはユーカリだけしか食べないけど、生きていける。
コアラは、ユーカリから色んなタンパク質を合成する「才能」を持っているからそれができるけど、大抵の動物はそうはいかない。
たとえばラット。
ラットにトウモロコシしか与えないとどうなるか?
トウモロコシには、色んなアミノ酸が含まれているらしいけど、ラットにとって必須のアミノ酸が含まれていない、だからトウモロコシしか食べ物を与えられなかったら、ラットはやがて死にます。
ラットがどれほどしゃにむにトウモロコシを食べても、絶対必要なアミノ酸がなければ死ぬ。
これが、タンパク質の「質」の問題です。
その質の「メジャー」「はかり」があります。
プロテインスコアです。
プロテインスコアがどういうものかというと、
人間の身体を構成するのに必要なだけのプロテインを作るために、必要な素材アミノ酸の種類と量。
それは、サルとは違うし、リスとも、ライオンとも、ラクダとも、違う。
標準的な人間にとって、アミノ酸…20種類あるんだけど、そのそれぞれに必要な量ってのがある。
アミノ酸…ロイシン、イソロイシン、バリン、リジン、メチオニン・・・・という20種類を組み合わせて、タンパク質、ができる。
中でも9つ。絶対食べ物から取り入れないといけないアミノ酸がある。
で、そのそれぞれに必要な量があるわけで…
ロイシン…●●個
イソロイシン…●●個
バリン…●個
リジン…●●個
メチオニン…●●個
(以下略)
それぞれに、人間だったらこれくらい必要だよね?って量がある。
これがプロテインスコア。
そりゃもちろん個人差はありますが、平均的にこれくらいって数字は出せますから。
1909年、アメリカのトーマスさんという人が、さっきのラットの実験の人間版みたいなことをやりました。
ソイプロテインと、ホエイプロテインとどっちがいいか?ではなく、
そのとき試したのは、
じゃがいも
小麦
牛乳
タンパク質の取り入れルートとして、この三つに絞って
「食品のタンパク質の一定量が、ヒトのタンパク質要求量の何%を満たすか」
を調べたんですねー
じゃがいもも、小麦も、牛乳も、タンパク質はそれぞれ含んでいるんだけど、含んでいるタンパク質の種類と量が違う。
じゃがいものプロテインスコアは、48
小麦は、食パンで44
牛乳は、80
ちなみにコメは、73
皆さんが押しまくってくる大豆は56で、コメより少ないですね。
逆に、なんでソイプロテイン摂ろうと思ったか聞きたい。
ちなみに、大豆は、必須アミノ酸の中でもメチオニンというのが足りないそうです。
アミノ酸ってのは、とくにそのうち9つの必須アミノ酸ってのがあるんですが、どれか一つでも落としたらあかんのです。
一個でもゼロだと、他どれだけ食べてもゼロ。
さっきのラットの話、そうゆーこと。
一個でもゼロだと、全部ゼロになることを、「アミノ酸の桶理論」といいます。
桶に穴があいてるから、桶にどんだけ水(アミノ酸)注いでも、まったく水はたまらない。
だから、プロテインスコアっていう、質のメジャーが大事。
プロテインスコアが56しかない大豆。
メチオニンが一番少なくて、それが100を必要量とした場合、56しか含まれてない。
たとえ他のロイシンやらバリンやらが100あったとしても、メチオニンが56しかなかったら、その一番少ない数字が、大豆の成績。大豆の価値。
プロテインスコアというメジャーのこと、なんとなく伝わったでしょうか?
プロテインスコアってのは、パズルみたいなもんです。
ピースの形が違えば、量とか関係ないじゃないですか。
全部のピースを揃えないと、足りないピースが一つでもあったら、ゲームはクリアできない。
だから、大豆だけ、肉だけとかはダメ。
大豆の持ってるピースと、肉の持ってるピース。どっちも必要。
だから、わたしら、主食とおかず、一緒に食べるでしょう?
そうやって、ピースを補い合ってるんですよ。
私ら、普段、動物と言えば、ライオンとか、熊とか、ゾウとかサイをイメージするから、忘れがちだけど、実は人間って、かなりサイズのでっかい動物なのよ。
だから、サルとは比べ物にならない量、食べないといけない。
猫や犬より、大体の人は大きいわけで。
だから、相当な量食べなきゃいけなくて。
そして、私ら人間は雑食動物で、穀物だけ食べてたり、肉だけ食べてたりはしない。
お米では補えないアミノ酸を、肉や魚を食べて補う必要がある。
じゃあ、プロテインスコア100の食べ物があったら、そればっか食べてたらいいんじゃないか?ってなことを思いつく人もいると思います。
あるんです。たしかに。
卵とシジミなんです。
で、私昨日、久しぶりにシジミの味噌汁作ったんですけど、シジミ…旨いことはうまいけど、ほとんど殻じゃないですか。シジミの身はほんのちょっぴり。
栄養バランスは満点かもしれんけど、量が足りんっ!
卵だって、好き嫌いもあるし、アレルギーの人もいるし、一日体重g…体重60キロの人で60gのプロテインを卵で摂ろうと思ったら、卵一個に含まれるプロテインが6gだから、10個食わなきゃいけなんです。
一日だけの話じゃなく、それが毎日ですよ?
そんなん、だれが頑張れますかって。
卵は完全栄養食とかいうけど、その実、ビタミンCは含まれてないし、食物繊維だって乏しいわけです。
パンダにとっての笹、コアラにとってのユーカリは、わたしら人間に限っては「ない」と考えた方がいい。
食べても食べてもお腹が空くという人は、穀類(炭水化物、糖質)を食べてることが多くて、
満足感がない食事をどれだけ量食べたとしても、足りないものは補えないので、そういうときは「いつもと違う」ものを食べないと、いつまでも飢餓感が抜けません。
そういうときに、思いっきり卵10個食べてみるのは、いいかもしれませんね。
足りなかったアミノ酸が補われるはずです。
ただし、ビタミン、ミネラル、食物繊維が不足していた場合、その限りじゃない。
プロテインは絶対必要。だけど、プロテインだけ、見てても駄目。
ビタミン、ミネラルは、普通の食事では全く補い切れてません。
肉だけ食べてても、プロテインすら覚束ない。
とかくこの世はむずかしいのです。
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PROFILE
山崎 美穂 やまさきみほ
鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)
大阪の女性鍼灸師
子どもの頃、仕事と主婦業で忙しい母親を見て、「忙しくても通い続けられる治療院があったらな」と思ったのが、開院の動機です。
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