「そこ!」というコリを狙える 大阪の鍼灸院 

コリを狙う鍼灸治療を比べてみた

「鍼灸って、ツボを狙って鍼を刺すんでしょう?」


これが一般的な鍼灸への理解だと思います。


ところが、当院の治療では、ツボを無視し、コリばかり狙います。




そのコリの正体が、気になって、気になって、仕方ない人がたくさんいますが、解剖実習に行っても、コリの実物を拝むことはできません。肩を探っても、首を探っても、コリらしきものが見当たりません。


つまり、現在のところ、コリの正体は不明です。


それでも、あなたの肩にあるグリグリ、ゴリゴリは、実在として、グリグリゴリゴリしていて、その存在感たるや。疑いようもありません。


「気のせいだ!」といわれても、実際問題、肩はこります。気のせいなんかではありません。


幽霊は見える人見えない人がいますが、なんでか、コリは見た人がいないのに、頑として存在しているのです。


英語では stiff neckとか stiff shoulders といいます。民族、人種を問わず、誰もが肩こりします。重い頭を抱えて、直立する人類の宿痾だとも聞きます。




結局、コリを狙う鍼灸治療で、狙っているコリって何なの?


具体的に、どう狙って、どう治療してんの?って話について、書きました。





(1)鍼灸学校で習うコリの話

鍼灸学校でも、コリを狙って刺す技法は習うのですが、コリとは何かという定義すらあいまいなまま、技能としてコリを狙う方法を習います。だからコリの治療について、先生方の口は重いです。


硬結(学校では、コリを堅苦しくそう呼ぶ)の真ん中ではなく、あえてコリのへり、端っこをかすめるように狙うのがコツ。そう習った記憶があります。


(鍼灸学校によって、違うのかもしれませんが)


#硬結

#コリの堅苦しい呼び方




コリを狙うやり方は、おそらく古代中国から同じです。


指先で感じ取り、鍼で、狙って刺す。


コリにうまく刺さったら、ぐりぐりしてほすぐ。


それだけです。




おお、なんと原始的なのでしょうか!

一体、鍼灸師とは、蛮人なのでしょうか!

非科学的すぎて、噴飯ものです。


しかし、コリを刺すということに関して、鍼灸学校で、これ以上のことを習った覚えがありません。(痛みを出さないコツなどはもっと丁寧に習いました)





(2)コリには幾つか種類がある

ところで、「デブリ」という言葉を聞いたことはありますか?


デブリという言葉を、私が聞いたのは、宇宙開発の世界でした。


月と地球の間には、真空しかないので、宇宙にゴミを散らかしたら、分解されることなく、ずっとそこに漂い続けるそうです。(菌とか、ミミズとかがいないからです)


これが、小さければ問題ないのですが、大きいものだと、高速で飛ぶロケットにとっては、非常に危険だそうで、


つまり、新しいシャトルを、わーいと打ち上げると、50年前、100年前に打ち上げたロケットが分離したエンジン部分とかのデブリ(ゴミ)にぶつかって、事故る恐れがある…そして、その事故によって新たにデブリができてしまい、次の事故を引き起こす原因になる…そうです。


なんとなく、わかったような気がする話です。


つまり、掃除は大事だという話。





デブリは、ゴミを表す、汎用的な言い方のようで、人体の中にもデブリがあります。


例えば外科手術の場面。


「こないだ手術で膝にボルトが入ったんだよ」


なんて話があります。


整形外科手術の道具は、ほとんど大工道具です。


ドライバー、キリ、ノコギリなど。


技術工作の時間に工具を扱ったことのある人は分かると思いますが、工具を使った後は、かなりのゴミが出ます。


こういった「元人体」の破片もデブリです。


外科の手術の締めには、そんなデブリをきれいに取り除いて、お掃除をします。結構念入りに。このお掃除…デブリとりをお医者さんが、どれだけ念入りに、丁寧にしてくれるかが、患者さんの予後に大きく影響します。


やっぱり掃除、大事です。




ところが、人体には、手術と関係なく、ゴミが溜まることがあります。これらをデブリとは呼びません。人の手で作り出したゴミではないので。


それを老廃物と言います。


長年、コリは、老廃物の一種だとされてきました。


あなたも聞いたことがあるかもしれません。


老廃物と乳酸が絡まったもの。つまりゴミが、コリだという説が、長年信じられてきました。長距離走ったときの足のだるさを、「乳酸がたまったから」といっていたのと同じです。(それもまた近年、否定されつつあるようです)





(3)老廃物という名のコリ

じゃあ、体の中に老廃物は、たまってないのでしょうか?

老廃物は、ちゃんと身体から追い出されるか、分解されるかしているのでしょうか?


…そうなってないことは、人が老化することからも分かります。


きれいに老廃物が掃除されていたら、病気もないし、シミもできないでしょうから。


身体に老廃物は溜まっているのです。





老廃物は、人体の中、皮膚より下にあることがほとんどなのですが、人体の外からでも観測できる場合があります。


ズボンのすそをめくって、脛(すね)をご覧ください。


スネの薄い皮膚をさぐると、すぐ骨に触れます。脛骨(けいこつ)といいます。




骨、わかりますよね?骨の表面、なんかゴリゴリしてますよね? 指でこすってみてください。ゴリゴリゴリゴリ…凹凸があります。


このゴリゴリは、骨そのものの凹凸ではなく、老廃物がびっしりついているのです。なんかちぎれた血管みたいのが、皮膚を透かして見えませんか?静脈の破片っぽい、イトミミズというか、青い筋みたいなものも。


高齢者のスネを観察させてもらえる機会があれば、もっとよく目で確認できることでしょう。






地球において、デブリを掃除するのは、ミミズだの、小さな虫だの、土の中の細菌だのです。


でもこれが、分解しにくいものだったりして、地球も掃除には苦労しています。


人体においても同じです。


人体でのゴミ、つまり老廃物ですが、これが常にきれいに掃除できているなら、その人はいついつまでも若々しい外見を保つことができるでしょう。


しかし、年齢を重ねるほどに、分解しにくい老廃物、大物の老廃物が溜まってきます。とくに溜まるのが下肢、つまりスネのところなのです。


重力にしたがって、沈んでくるからです。




皮膚にはシミとして、内臓にも、筋肉にも。筋肉と筋肉のスキマにも。結構びっちりたまっています。


人体において、細菌や虫やミミズの役割を果たしてくれているのは、マクロファージや、白血球、破骨細胞。。。難しい名前ですが、大雑把に、「血球たち」です。


鍼灸以外で、そういった皮膚から比較的浅い層にある老廃物を取り除くのが得意な技術が、カッサとか、グアシャと呼ばれる「へら」みたいな道具です。


しかし、身体の深部になると、カッサでは手が出ません。鍼灸の独壇場です。皮膚の下にアプローチできる、治療法はそうありません。





(4)巨大な質量を持つ肩こりのようなコリ


しかし老廃物…肩こりのような、でっかい老廃物ってのもおかしくありません? あれって、●キロとかの肉のカタマリですよ。肩コリが、ウンコみたいなサイズ感の老廃物だったら恐怖です。


こんな至極当然の疑問があり、コリ=老廃物のカタマリ説は、主役の座から引きずり降ろされまして。


そして、今…最も多くの人を悩ます、日本の国民病。肩こりのような、でっかいカタマリ状のコリ。


これの正体として、最近浮かび上がってきたのが、「筋膜の癒着」説です。




筋肉の繊維の束…その束を包むセロファンや、薄いプラスチックのような存在。膜。筋膜というものが、互いに癒着することで、筋肉の動きや、血流、神経の働きを阻害して、いわゆる「コリ感」というものが生じるというのが、現在考えられているコリの最新のイメージです。(まだ仮説)


筋肉ではなく、膜のようなものを、私の鍼先でも感じることが多いです。通常は薄い、繊細な、トリのささ身を覆っているような、生のタラコを覆っているような、薄い薄い、頼りない膜ですが、それが膜同士くっつきあって、分厚く…つまり、カーテンのように、折り重なって分厚くなっていたり、隣の別の筋肉の膜とくっついて張り付いちゃったりしたものが、たしかに鍼先で観察できるのです。


とくに肩の筋肉は複数の筋肉の、膜同士がくっついて、あたかも巨大なヒトカタマリの筋肉になったような状態です。


下にある筋肉と上に載ってる別の筋肉が癒着しているから、違う動きがしたい上下別々の筋肉が、きちんと動くことができなくなっています。


これで、不快感がないわけがない。筋膜の癒着説は、「コリ感」に納得のいく説明がつくのです。






(5)鍼灸治療の基本


まず、技法の外見からわかる違いを表にまとめました。



【コリを狙う鍼治療の比較】


用語が多くて分かりにくいと思いますので、まずは用語をご説明いたします。


使用鍼…鍼は太さと長さの違いがあります。

「 寸3-1 」 と呼ばれる番手が、国内では基準になります。




● 鍼の長さ ●

寸3というのは、鍼の長さで、持ち手を除いた長さです。寸3は4センチに当たります。鍼の本体の長さが4センチという意味です。


このすべてを、人体に刺しこむという意味ではありません。


あまり短いと、取り回しに苦労するので、人の手で扱いやすい長さが、この長さなのです。


これより短い鍼は、1寸の鍼のほか、美容鍼という特殊鍼があります。


これより長い鍼は多く、寸6、2寸、3寸…など。


2寸以上は、お尻や太ももなど、脂肪層が分厚すぎて、寸3や寸6では、鍼が筋肉層に届かない場合に、使うことが多いです。