「そこ!」というコリを狙える 大阪の鍼灸院 

コリの正体(ちょくちょくリライトしてます)

意外に思われるかもしれませんが、コリの正体について、医学的に「これ」だとはっきりしたことがわかっていません。グーグル検索すると、「コリの正体は、老廃物だ」「筋肉が生み出した乳酸だ」と書いてあるのですが、最近の説では、コリの正体は「筋膜の癒着」だとされています。


筋膜という言葉も、癒着という言葉も聞きなれない言葉ですね。筋膜の前に、筋肉をイメージしてほしいのですが、皆さん、お料理する前の、トリのささ身は見たことがありますか?そのささ身を包む薄い、半透明…ちょっと濁った透明な膜が筋肉を包む膜で、筋膜です。


私たちの体を作る材料は、タンパク質というものです。


この筋膜というのも、タンパク質で出来ています。




(1)癒着

筋膜について話を始める前に、上の文中に出てきた、「癒着」という、ありふれた、でもよくわからない言葉について、話しておきましょう。


今度はプラスチックをイメージしてもらえるでしょうか。


プラスチックは、火に近づけると、溶けます。溶けたプラスチックをまた別のプラスチックにペタッとくっつけてみましょう。


火から離れた二つのプラスチック、くっついてしまいますよね。


溶けて、くっつく。これが癒着です。





(2)筋膜

続いては、筋膜という言葉について。


トリのささ身。あれ、肉(筋肉)を、薄い膜が覆っているんですが、ご存じでしょうか?実物を見たことがあると話が早いのですが、見たことがなかったら、今度ささ身を買ってみてください。


あれが筋膜です。


トリのささ身の膜は、トリのささ身の膜と、もっと低い温度で癒着してしまいます。




(3)私たちの体はタンパク質

私たちの体はタンパク質というもので出来ています。

骨も水もありますが、だいたい私たちの目に入るのは、タンパク質部分だけです。


そんな私たちの平均体温は36度強です。


新型コロナや、これから先の季節に流行るインフルエンザ、いずれも高熱が出ます。高熱が出るのは、体の中のばい菌を殺すためなのですが、でもあまりに熱が高いと、高すぎる熱をさげるため解熱剤を処方されます。


それは、高すぎる熱が、私たちの体をつくっているタンパク質を溶かしてしまうからなのです。


高熱を出さなくても、体の中では日々熱を生み出しています。


とくに筋肉は運動すると発熱するので、一部の筋肉だけ、高温になることがあるのです。それが繰り返されると、タンパク質が溶ける温度を、瞬間的に上回ることがあります。


そしてコリができるのです。


※アスリートが、頻繁に、筋肉をアイシングする理由。筋肉に熱を持ちすぎると、良いことがありません。





(4)コリの原因は、タンパク質の熱変性(たぶん)


プラスチックの場合、冷えて固まると、無理やりひっぺがさないと、離れません。


では、筋膜と筋膜が張り付いてしまったら、どうやれば剥がせるでしょう?


コリ(筋膜の癒着)も、いったんくっついてしまったら、筋膜をもぎとらなくては、もとの状態に戻らないのでしょうか?




だとしたら、コリは永遠に治らない病気?


ってことになってしまいますが、そんなことはありません。





プラスチックとは違い、タンパク質は濡らすと、すぐほぐれます。


冷凍したお肉も、解凍したら柔らかくなります。


これがタンパク質のすごいところ。命ってすごいです。




でも、はなはだしすぎる場合があります。


ステーキを焼いたら、表面は黒くなります。色が変わるところまで変化してしまうと、その細胞は死んでます。死んだ細胞は生き返りません。熱変性といいます。


熱で、もともとのタンパク質の性質が、変わってしまった状態です(熱変性の意味)


でも、全部再生させるのは無理ですが、生きている細胞があれば、その周囲なら、再生させることができます。




ただし、そのためには、死んだ細胞を、きっかり「引っぺがす」ことです。


つまり、「きれいにお掃除」「地ならし」してないと、うまいこと、再生できないのです。


半分死にかかった細胞が残っていたり、コゲがこびりついていたりすると、再生がうまくいきません。(そういう半端な状態になっているところが、年齢を重ねた体には、あちこちにあります。言うならば、完治してない故障個所です)





(5)鍼灸はどんなふうにコリをほぐすの?


濡らすとタンパク質の癒着はほどけると書きましたが、体の中に、筋膜を濡らす水があるでしょうか?


いくらでもあります。

私たちの体は、水もたくさん含んでいます。


ただし、コリが大きすぎると、コリの表面だけチャパチャパ濡らしたところで、芯が残ったままです。


問題は、コリの芯…コアを濡らすことです。


マッサージなんかで、皮膚の上からゴシゴシこすったところで、溶けるのはコリの表面だけ。「ちょっと手触り柔らかくなったかな?」というくらいにしかなりません。またすぐ硬くなってしまいます。




ところが、鍼灸なら、鍼がコリの芯に直接アタックします。


コリの芯に鍼があたると、瞬間、花が咲くように? 傘が開くように?コリがほぐれて、「ひらく」感覚を味わいます。




さらに、ここちよい「響き」という感覚が生まれ、その感覚が患者さんに伝わります。


つー…と自然に涙が流れる方もいます。


「そこです。そこがずっとしんどかったんです…」


硬かった氷が溶けて、体に春が来たような。


「そこぉぉ!そこなんですぅぅ」という激しい反応が来る場合は、まだまだコアじゃなくて、長患いの人のコアに当たると、そんな風な静かだけど強烈な…涙が流れるといった、反応が返ってくることが多いように感じます。


私も、そういうときは、人の心の不思議さに打たれた気持ちになります。




鍼灸を知ると鍼灸から離れなくなる人が多いというのは、長年とれなかったコリの芯に鍼が届いて、それがほぐれた経験があるからなのではないでしょうか。




「そこなんです…!」


表面をいくらいらっても届かない深部にあるコリ。


その深部のコリに、麻酔もかけず(だから患者さん本人が「届いた」と確信できる理由)、しかも安全にアタックできる。


これのが、鍼灸の圧倒的な強みで、他の治療法にはちょっと無理なのです。


できるとしたら、外科医ですが、麻酔使いますから、届いたところで、患者さん本人にそうとわかる感覚はないからです。


もちろん麻酔はすばらしいもので、間違いありません。


けれど、麻酔をかける外科治療のすばらしさは、患者さんと、こんな風に二人三脚できる鍼灸のすばらしさとは、また違った素晴らしさです。






(6)理屈は分かるけどさぁ…コリがほぐれる様子なんて目で見ることができる?


肩甲骨の上端なんか特徴的で、肩甲骨の位置が露骨に変わります。


圧縮されて、上の方に…たとえば窓のブラインドのように…折りたたまれていたのが、降りてきたような様です。


あくまで皮膚の下で動くのが見えるというだけですが、うにゅにゅにゅ…と動く瞬間が目で見えます


ピクっと筋肉が自発的に動く場合は、一瞬ですが、目で見えなくても患者さんご本人も感じます。


筋肉が大きく移動するのは、皮膚越しでも見えるので、患者さんにも同じものをご覧いただき、感動を共にしたいのですが、なかなか難しいです。




また、この現象、必ずしも治療中だけとは限りません。家に帰る途中で急に楽になった!とか、翌日の昼頃、ポーンと痛みが消えた!とか、そういうこともあります。




あと、科学の目を使えば、観察は可能です。


エコー(超音波機械)を使えば、なんぼでも確認することができます。


鍼を刺した瞬間に、筋膜が動く画像が見られます。


ハイドロリリース】という技術があります。整形外科分野で最近使われるようになったものですが、エコーを使って、筋膜の癒着部分に生理食塩水を注入します。この治療は、外科医さんがやるので、麻酔を使いますが、必ずエコーで確認しながら行いますので、ようは、コリがほぐれるというのは、「ありふれた現象」「あたりまえのこと」なのです。







(7)コリには大中小がある


私はこの説「コリ=筋膜の癒着」という説が正しいと思っていますが、それでもまだ医学的にはコリの正体はこれだ!と確定しているわけではありません。


コリなんて、ありふれたものだし、とっくに正体がわかっているものだと思っている方がほとんどだと思いますが、私も鍼灸師になるまで、コリの正体がまだわかってないなんて、まさかと思いました。




今でこそ、コリの大半は癒着だと思っていますが、その理由はさっき書いた通り、コリをつついていると「ひらく」感覚があるからです。


「状況証拠」というやつです。


私も、コリを、肉眼で見たことはありません。つまり、皮膚をめくって(恐怖!)見たことはない、という意味です。(凝った状態の肩なら、毎日見てますが)




コリは首や肩にできるだけでなく、腰痛のときは腰に。ひざ痛のときはひざにできています。「コリ感」があるところだけではありません。もっと言えば、痛みやしびれも、どうやら、大きな意味での「コリ」に関係しているようなのです。




コリは、川を大きな岩がふさいでいるようなもの。

その岩があるかぎり、川の流れがはばまれます。


そんなコリは大雑把に3通り。

  • 大きいコリ…内臓の動きを阻害する

  • 中くらいのコリ…筋肉の動きを阻害する

  • 小さいコリ…血管や神経の走行を阻害する