コリの正体

意外に思われるかもしれませんが、コリの正体について、医学的に「これ」だとはっきりしたことがわかっていません。グーグル検索すると、「コリの正体は、老廃物だ」「筋肉が生み出した乳酸だ」と書いてあるのですが、最近の説では、コリの正体は「筋膜の癒着」だとされています。

筋膜という言葉も、癒着という言葉も聞きなれない言葉ですね。筋膜の前に、筋肉をイメージしてほしいのですが、皆さん、お料理する前の、トリのささ身は見たことがありますか?そのささ身を包む薄い、半透明…ちょっと濁った透明な膜が筋肉を包む膜で、筋膜です。


私たちの体を作る材料は、タンパク質というものです。今度はプラスチックをイメージしてもらえるでしょうか。


プラスチックは、火に近づけると、溶けます。溶けたプラスチックをまた別のプラスチックにペタッとくっつけてみましょう。


火から離れた二つのプラスチック、くっついてしまいますよね。


溶けて、くっつく。これが癒着です。


トリのささ身の膜は、別のトリのささ身の膜と、火に近づけなくても、もっと低い温度ですぐ癒着してしまいます。




私たちの平均体温は36度強です。


新型コロナや、これから先の季節に流行るインフルエンザ、いずれも高熱が出ます。高熱が出るのは、体の中のばい菌を殺すためなのですが、でもあまりに熱が高いと、高すぎる熱をさげるため解熱剤を処方されます。


それは、高すぎる熱が、私たちの体をつくっているタンパク質を溶かしてしまうからなのです。


高熱を出さなくても、体の中では日々熱を生み出しています。


とくに筋肉は運動すると発熱するので、一部の筋肉だけ、高温になることがあるのです。それが繰り返されると、タンパク質が溶ける温度を超えることがあります。


そしてコリができるのです。




◆いったんコリができてしまったら治らない?


プラスチックがくっついた場合、冷えて固まると、プラスチックをむりやりもがなくては離れません。そんな風にコリも、いったんくっついてしまった筋膜をもぎとらなくては、もとの状態に戻らないのでしょうか?


だとしたら、コリは永遠に治らない病気?


ってことになってしまいますが、そんなことはありません。


プラスチックとは違い、タンパク質は濡らすとまたすぐほぐれます。


冷凍したお肉も、解凍したら柔らかくなります。


これがタンパク質のすごいところ。命ってすごいですよね。




◆鍼灸はどんなふうにコリをほぐすの?


濡らすとタンパク質の癒着はほどけると書きましたが、体の中に、筋膜を濡らす水があるでしょうか?


いくらでもあります。

私たちの体の半分は、水でできているのです。


ただし、コリが大きすぎると、コリの表面だけチャパチャパ濡らしたところで、芯が残ったままです。


問題は、コリの芯…コアを濡らすことです。


マッサージなんかで、皮膚の上からゴシゴシこすったところで、溶けるのはコリの表面だけ。「ちょっと手触り柔らかくなったかな?」というくらいにしかなりません。またすぐ硬くなってしまいます。




ところが、鍼灸なら、鍼がコリの芯に直接アタックします。


コリの芯に鍼があたると、瞬間、花が咲くように? 傘が開くように?コリがほぐれて、「ひらく」感覚を味わいます。


さらに、ここちよい「響き」という感覚が生まれ、その感覚が患者さんに伝わります。


つー…と自然に涙が流れる方もいます。


「そこです。そこがずっとしんどかったんです…」


硬かった氷が溶けて、体に春が来たんですね。




◆コリがほぐれる様子を目で見ることができる?


肩甲骨の上端なんか特徴的で、肩甲骨の位置が露骨に変わります。


圧縮されて、上の方に…たとえば窓のブラインドのように…折りたたまれていたのが、降りてきたような様です。


あくまで皮膚の下で動くのが見えるというだけですが、うにゅにゅにゅ…と動く瞬間が目で見えます。


ピクっと筋肉が自発的に動く様子は、一瞬ですが、目で見えなくても患者さんご本人も感じます。


必ずしも治療中に見える場合だけとは限りません。家に帰る途中で急に楽になった!とか、翌日の昼頃、ポーンと痛みが消えた!とか、そういう形で変わることもあります。目で見えなくても、ご自身でちゃんとわかります。




◆コリは万病のもと!?

私はこの説「コリ=筋膜の癒着」という説が正しいと思っていますが、それでもまだ医学的にはコリの正体はこれだ!と確定しているわけではありません。


コリなんて、ありふれたものだし、とっくに正体がわかっているものだと思っている方がほとんどだと思いますが、私も鍼灸師になるまで、コリの正体がまだわかってないなんて、まさかと思いました。




今でこそ、コリの大半は癒着だと思っていますが、その理由はさっき書いた通り、コリをつついていると「ひらく」感覚があるからです。


「状況証拠」というやつです。


私も、コリを、肉眼で見たことはありません。つまり、皮膚をめくって(恐怖!)見たことはない、という意味です。(こった状態の肩なら、毎日見てますが)



コリは首や肩にできるだけでなく、腰痛のときは腰に。ひざ痛のときはひざにできています。「コリ感」があるところだけではありません。痛みの原因の大半もコリなのです。




コリは、川を大きな岩がふさいでいるようなもので、その岩があるかぎり、川の流れがはばまれます。


コリ感という重だるい感じは、体の中の流れが滞っているために起こるのです。


そして筋膜のような膜は、全身にあるので、体中どこにでもコリがあってもおかしくありません。


あなたの抱えている健康のお悩みも、何かのコリが関係しているのかもしれませんよ?





◆病院でコリを治療できる?


病院でコリに生理食塩水を注射するという治療法があります。生理食塩水を注射すると、その筋膜の癒着がほぐれるのですが、それをエコーという超音波の機械で観察できます。


エコー画面でコリがほぐれる様子を見ながら治療できるので、安全だと言われています。


本当に重症のコリには、有効な治療だと思います。


問題はまだまだ一般的になってはいないということです。あんまりこの治療をできる病院がないのです。




ところで、コリが筋膜の癒着だとしたら、皆さんがコリをゴリゴリするのは逆効果です。


スッとした気分にはなるかもしれませんが、癒着をほぐすどころか、癒着を強める結果にしかならないでしょう。


肩が凝ってゴリゴリ押したくなったら、鍼灸を思い出してください。


どこにでもありふれている鍼灸院ですが、鍼灸には数千年もの間コリを相手にしてきた実績があります。


鍼灸師は史上最もコリを重視し、コリに立ち向かうことを専門としてきた治療家です。



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PROFILE

山崎 美穂 やまさきみほ

鍼灸師(国家資格 はり師+きゅう師)


「元気があればなんでもできる」と言いますがひっくり返せば「やりたいと思うことができないのは元気がないから」


子どもの頃、働く母親の背中を見て育つ中、どれだけ忙しくても続けられる治療院があったらな…と思ったことがきっかけで、気付けば自分が治療家になっていました。



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