骨の虫食い、石になるコリの話。
- やまさき みほ
- 2025年12月22日
- 読了時間: 4分
キコキコ、ゴリゴリゴリ……。
コリをとっていると、たまに、「うわ、なにこれ……」と言いたくなるような感触に出会うことがある。
鍼越しに伝わるその感じは、どうも、普通のコリとはちがう。
ぐにゃ、でもない。ぷに、でもない。 ……硬い。ほとんど骨。

通常、肉料理している最中、そんな硬いもんに出会うことがあるだろうか?
私はない(ホルモン料理しないし、骨付き肉も手羽くらいだ)
骨付き肉についている、軟骨の感触は分かる。きっと人体でも軟骨はこういう感触なんだろうと思う。でもそれじゃない。絶対に違う(←人体と鶏肉を区別しろ)
私はこの違和感の正体について、しばらく考え続けた。
そして、これは歯につく歯石みたいなもんだ、と結論付けた。
歯石は白っぽいが、歯ではない。硬いが、やっぱり歯ではない。
歯のメンテに行って、歯石や入れ歯や詰め物は、取れることがあるが、少なくとも健康な歯は取れない。
私が鍼先で見つけるあいつらも、骨だったら取れないだろう。骨じゃないから取れる(そう私は結論付けた)
その謎物質を、私は 骨の虫食いと名付けた。骨の周辺で見つかるからだ。歯にくっつく歯石のように。
この発見に、私は天狗になるほど鼻が伸びていた。
なぜなら、こいつらを鍼先できれいに取り除けると、「たった一回でこんなに変わる!?」という誇大広告が誇大じゃないくらい、痛みや症状が取れるからである。
しかし、残念ながら、昔の鍼灸師(小山曲泉という先生)がすでに発見していて、掃骨鍼法という流派にまでなっていた。
ちな、掃骨鍼法は、ルート治療をおさえて、「日本で一番痛い鍼」と呼ばれる流派である。
当院は、他の鍼灸院の10倍~100倍は鍼を刺す鍼灸院なので、「結果が出るのは当然」といわれるかもしれないが、逆にいうと、こういうのが見つからないタイプの疾患には、治療回数はかかる。
しかし骨の虫食いがうまく見つかれば、それだけ短期間で治療が終わることもありえるのだ。
私が「骨の虫食い」をはじめて見つけたのは、肩甲骨の上だった。
あなたは肩甲骨の骨模型を見たことがあるだろうか?
あの平べったいけど、ややこしい形。
「ここ、絶対鍼が入るはずなのに…」と思う場所に、なんか鍼が通らない。
グー――っと押していくと、「ズボッ!」
勢いあまってつんのめるわ!ってなもんで、骨のように固かった場所に穴が開いて、ツーツーになった。
爪楊枝で歯の一部かと思って、ゴリゴリ触ってたら、詰め物だったみたいな感じだ。なにせ直接見て確認することは、「絶対に」できない場所ゆえ、埋まってた→開いたということしか分からない。
埋まってたものはめちゃくちゃ硬かった。
でも、絶対骨じゃない感触だったから、押せた。
爪楊枝で触ってても、歯か、詰め物かって区別はつく人が多いと思う。だから、私も鍼で触ってたけど、区別はついた。
この経験がきっかけになって、それから粘土、和紙、ボール紙と(私が名付けた)異常をつづけざまに見つけていった。
どれもこれも、発見は患者さんの反応がきっかけで見つけている。
問題はこいつの正体。
私が考えてるのは、「石灰化」なんじゃないかってこと。
石灰化というのは、もともとは柔らかい組織が、石みたいに硬くなること。
その背景には、
・長年の炎症
・血流の悪さ
・動かない状態が続く
・癒着が放置される
といったことがあるらしい。
アキレス腱や五十肩など、負担の大きい場所に生じがちで、筋肉や骨だけじゃなく、内臓にも起こる現象である。
ちな、私は、右の腎臓がちょっぴり石灰化しているらしい。
古傷の腰痛が影響してるのかなと考えている。
石灰化とか、骨みたいな硬さって話を聞かせたので、老化みたいな「不可逆的」な現象だと思わせてしまったかもしれないけど、私の経験ではそんなことはない。
鍼灸師がどうこうできるレベルの石灰化は、しっかり回復する。
「長年の患いだからダメだろう」→「一回でこんなに変わる?」
生きている人間の中には、すごい可塑性が秘められている。
挑戦してみてほしい。



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