コリのサイズ感って。
- やまさき みほ
- 2025年12月21日
- 読了時間: 3分
今日の治療中、患者さんからこんな質問をされました。
「先生、コリって、どれくらいの大きさがあるんですか?」
コリ……みなさんは、どれくらいの大きさを想像しますか?

一口に“コリ”といっても、いくつか種類があります。
たとえば、
① 老廃物(乳酸など)がたまったもの② 筋膜などがくっついてしまった“癒着”
「コリのサイズ」を考えるとき、問題になるのは、①よりも②。この“癒着”タイプのコリです。
筋肉は、一本のかたまりではなく、たくさんの細い「ふさ」が集まってできています。
その「ふさ」一本一本を包んでいる、うすい膜。それが「筋膜」です。
この筋膜、とても薄くて、ちょっとした熱や刺激で、溶けたように他の膜とくっついてしまいます。
筋肉どうしは、体の中でぎゅうぎゅうに接している。つまり、筋膜どうしも、いつも触れ合っている状態。だから、癒着は私たちの想像以上に起こりやすいんです。
肩こりというのは、本来は小さな「ふさ」状の筋肉たちが、お互いにくっつき合って、
まるで、ひとつの“大きなカタマリ肉”みたいになってしまった状態。
癒着がはがれてくると、「ああ、ここって本当は、こんなふうに分かれてたんだな」と分かります。
でも、何度も何度も癒着をくり返していると、もう“カタマリ肉じゃない肩”が、想像できなくなってしまう。
それが、コリが“常態化している”という状態です。
だから、「コリってどれくらいの大きさですか?」と聞かれても、とても答えにくい。
カタマリ肉みたいになった肩こりの大半は、筋肉そのものが壊れているわけではありません。
癒着しているのは、あくまで「筋膜」
でも、その筋膜が広い範囲でくっついているせいで、中の正常な筋肉まで、“状態異常”を起こしてしまっている。
たとえるなら――
身動きがとれなくなる「パラライズの魔法」をかけられているみたいな感じ。
肩こりは治りにくい、と言われますが、癒着がほどければ、筋肉はまた普通に動けるようになります。
パラライズが解けたら、ちゃんと動けるのと同じです。
常態化しすぎて、「これが普通」と思ってしまっている人も、多いかもしれません。
でも、肩こりは「壊れてしまった筋肉」ではなく、ただ――“動けなくされているだけ”の筋肉です。
癒着がほどければ、筋肉はちゃんと、本来の柔らかさと動きを取り戻します。
コリは敵じゃなく、あなたの体からの「まだ戻れるよ」というサイン。
その“魔法”を解く手段のひとつが、私にとっては、鍼灸です。
もし、「もう歳だから」「ずっとこうだから」そう思っているなら――
一度、その前提を疑ってみてほしい。
あなたの肩は、まだ、戻れるかもしれません。



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